2015年03月07日

福島県須賀川市の大根そば2件



須賀川とは


奥州街道をラーメンで有名な白河を過ぎ、更に北へ進むと須賀川市に至ります。

ここは、元禄2年、松尾芭蕉が「奥の細道」の道中で蕎麦を食べたという記録が残っている場所。


その時代からの名残か、市内には手打ち蕎麦を供するお店が何軒もあるのですが、なぜか「大根」を用いた変わった蕎麦が2つあるとの情報を得、探訪に出掛けました。





「藤田」辛味大根蕎麦

アザキ大根ヒゲ根天ぷら付き


漫画「そばもん」単行本の巻末に、著者の山本おさむ氏が取材裏話などをまとめた「今日もそば日和」という「おまけ」漫画が連載されています。


これに、須賀川市の「藤田」さんというお蕎麦屋さんで辛味大根蕎麦を注文すると「アザキ大根ヒゲ根の天ぷら」が一緒に供されるとの記述があり、興味本意に訪問しました。


「アザキ大根」とは、奥会津金山町特産の、水分は無くヒゲ根がたくさん生えるのが特徴の辛味大根。お店で大根の実物を見たいとお願いをしたところ、「秋に収穫したものは、すぐに下ろしてしまい、冷凍保存しているので実物は無い。こうすることで、収穫してから時間が経っても辛味が生きた状態で提供出来る。ヒゲ根はそのまま保存して、辛味大根蕎麦を注文した客に、天ぷらにして提供している」とのことでした。



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アザキ大根天ぷら



まず、蕎麦汁と下ろした辛味大根、ヒゲ根天ぷらが登場。天ぷらは、写真の通り細いものですが、山ごぼうのようなしっかりとした歯ごたえ、味はやや苦いものでしたが、辛味大根そばとは全く異なる食味ら得られました。辛味大根は、ピンポン球をひとまわり小さくした大きさで、結構な量がありました。



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アザキ大根おろし


この日の蕎麦は、会津坂下町産「あいづの香り」を自家製粉して打ったもの。あっさりした蕎麦は、辛味大根の味をしっかりと感じされるにふさわしく、初めは強烈かなと思った辛味(苦み)も、慣れるにつれ、甘みも感じるようになり、きれいにいただくことが出来ました。






藤田蕎麦.JPG


藤田蕎麦


後日、アカザ大根の産地である金山町を訪れ、大根の辛味蕎麦(こちらではアザキ大根高遠そばという品名でした)を食べる機会があり、ヒゲ根を天ぷらにする習慣があるのか伺ったところ「会津ではないと思う。ただし、会津地方では高麗人参を天ぷらにして食べる習慣があり、これを参考にしたのではなかろうか」との返事を頂戴しました。


「藤田」さんにはときどき山本おさむ先生が訪問されるそう。お蕎麦も召し上がるのですが、特に蕎麦前に重きをおかれている様子とのことでした。




須賀川「藤田」

■住所福島県須賀川日向町82-1■電話0248-73-0333■営業時間11:3015:00 ※蕎麦が無くなり次第終了■定休日■アクセスJR東北本線須賀川駅より車で約7分。須賀川I.C手前、ローソンの信号を右折。3本目の交差点を左折してすぐ左側。










「菊屋らん丸」大根そば


日を変えて、今度は須賀川駅近くにある「菊屋らん丸」さんを「大根そば」目当てに訪問しました。



らん丸外観.jpg


らん丸外観



こちらは須賀川市の食事處の案内に、おすすめメニューとして「大根そば」を掲載しており、「藤田」さんの縁で、大根のなせる仕業かと思って訪れた次第です。

カウンター越しに、どんなものが供されるかと様子を見ていると、大根を千切りにして蕎麦と一緒に数秒(7秒くらいか)茹で、盛りつけられて「大根そば」が登場しました。






大根蕎麦.JPG


大根そば



大根を増量材として用いるもの(関東一円にある)なのか、それとも「長浦」の妙興寺そばに縁のあるものかご主人に伺うと、ご主人は、足利一茶庵で修行を積んでおり、その折りに佐野の「大根そば」に接し、気にいったのでメニューに取り入れたとのこと。


とはいえ、この店の「大根そば」に使われている蕎麦は、足利一茶庵由来の、極細、透明感のある十割蕎麦。佐野の「大根そば」は蕎麦と大根それぞれの個性が感じられるのですが、らん丸さんのものは、腰の強い蕎麦の食感と千切り大根のしゃきしゃき感とが程よく主張しながら一体化し、他には無い、すばらしい食感を伴った一品となっていました。


食後には、この店手作りのそば饅頭天ぷらをめんつゆに浸して食べ、大満足して表に出ると雪が舞い、改めてみちのく路にいることを思い出しました。





手作り饅頭.jpg


手作り饅頭



須賀川「菊屋らん丸」

■住所福島県須賀川市上人坦42-1■電話0248-72-2299■営業時間11:0015:00(L.O.14:30)/17:0022:00(L.O.21:30)■定休日







最後に

須賀川市内には、このほかにも何軒かの手打ち蕎麦屋さん、会津十割そば十割そば会(押し出し式)の大きな駐車場を持った店、地域興しに開発したキュウリの汁を練り込んだ「かっぱ麵」という乾麺を酢味噌味の汁で食べさせる店などがあり、様々な形で麺を楽しめる場所だと思えました。また、機会を作って、訪れてみたいものです。



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十割そば会






蛇足1かっぱ麺.jpg


かっぱ麺


なお、余談ですが、北長野にも同じ名前のつく「須賀川」という地区があり、こちらでは、そばがきに大根の千切りを入れる「早そば」というものがあります。どういう因縁なのでしょうか。


− m −




posted by 石臼の会会員 at 12:04| 東京 ☔| Comment(1) | TrackBack(0) | ⇒山形・宮城・福島 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月10日

ほぼ蕎麦一色TwoDays in 山形

昨年の暮れ以来山形に不沙汰。山形DC(デスティネーションキャンペーン)「山形日和」の一環で面白そうな蕎麦関連のイベントがあることを知り、出かけてきたのでその顛末を報告。



6/12格安の夜行バスで翌朝山形市駅前着。牛丼屋で「山形のだし」を使ったメニューの朝食。(山形駅前で朝食を座って食べられる場所はホテルを除くとここかドトールかミスドだけ)



知人の元祖ソバリエS氏と合流し天童高原へ。天童高原は最高品質の「でわかおり」が収穫される場所。どこかに蕎麦畑らしいものは無いか、蕎麦が食べられないかと目をこらしたが、時間も早いせいか見つけられず。634の松(スカイツリーと同じ標高634mに生えている松)を車窓から見ただけで、一転、月山の麓にある西川町を目指す。



西川町は、春は山菜と月山筍、秋はきのこが豊富に採れることで有名。この山菜の知名度を生かして誕生したのが「月山山菜そば」。昭和50年には様々な業態の店が月山山菜そば組合を設立(現在13軒)。



組合では店による差が出ないよう、すべての加入店で同じ鉄鍋、地元の製麺所が作る同じ蕎麦を使っており、お店毎に違うのは山菜の種類と小鉢程度とのこと。最近では夏場に「冷たい月山山菜そば」を提供している店もある。


私たちは、組合員の一軒「やまろく食堂」に入店。平日なので客は私たちだけ。



 

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やまろく食堂




注文したのは「月山山菜そば」と「山菜の天ぷら」と山形ではポピュラーな「いかげそ天」。「月山山菜そば」が登場。月山筍と山菜と鶏肉がたっぷりと入った鍋は、冷めないよう下から温めてられている。冷たいそばは皿盛りに、脇にはわらびの一本漬け、蕗の煮物とやまぶどうのジュース。小さな丼に蕎麦を少し移し鍋から取り分けた汁と具を掛けて食べるのが作法とのこと。鍋は保温されているので、常に熱々(あつあつ)を食べることが出来る。





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月山山菜蕎麦




まず、蕎麦だけ手繰ってみる。香りはさほど感じなかったが、味わいと甘みの強い太打ちの蕎麦である。今度は作法通り、丼に蕎麦を入れ、山菜と汁を掛ける。山菜と鶏の味が溶け出した醤油仕立ての汁に太めの蕎麦の取り合わせ。蕎麦はすするのではなく、嚙むのだが、しっかりとした存在感が感じられる。





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月山山菜蕎麦(蕎麦)






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月山山菜蕎麦()




沢山の汁を食べ尽くすだけでも時間がかかると思っているところへ、山盛りの天ぷらが登場する。




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天ぷら盛り合わせ



月山筍や旬の山菜。その横にはいかげそ天。一年分の山菜を食べてしまった気分となって店を出る。


■住所山形県西村山郡西川町大字間沢309-4■電話0237-74-2169■営業時間11:0021:00■定休日毎週月曜日


 

💠


 

続いて、山形の蕎麦街道の名を全国に知らしめた「あらきそば」を訪問する。訪問した訳は「あらきそば」の所属する三難所そば街道で発足20周年記念スタンプラリーを開催。スタンプ台紙は「板蕎麦」の器を模したもの。これを入手するのが目的であったが、入手した台紙は葉書を縦長にしたような大きさ。丁寧に作られており、力の入れようが伝わって来る。同行のS氏は「あらきそば」とは数十年の付き合い。玄関の囲炉裏脇に上がり込み「みずとわらびの浅漬け」をお茶請けにしながら先代夫婦と昔ばなしを始める。そろそろ夏蕎麦が咲く時期。どこかで花見が出来ないかと尋ねたところ、お店のすぐ近くの畑で見頃だとのことで三代目の奥さんに案内して貰う。この畑の蕎麦は、若芽を使っておひたしとして供されるそう。他にもお店で出される季節の惣菜に使う野菜はここで穫れるものを使うこともあるそうである。


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↑あらきそば


←手形







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あらきそば(



■住所山形県村山市大久保甲65■電話0237-54-2248■営業時間11:0017:00■定休日水曜日



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自宅に戻るというS氏に山形市内にある「惣右エ門」というお店まで送って貰う。この店の店主は「幻の山形天保そば保存会」の会長。「天保そば」の提供時期なので店頭には幟が翻っている。開店には間があったが、店主が見つけてくれて店内へ。「蕎麦味噌」「だし」「浅漬け」を肴にそば屋の隠し酒「五薫」という蕎麦前を楽しみながら店主と蕎麦談義。最後は「天保そば」。素朴な味わい、乾きかかった頃の甘みを堪能する。この後はホテルに戻り明日に備える。(今年は日本橋三越で「天保そば」は提供されなかった)




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惣右エ門(店頭)




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惣右エ門(酒肴)惣右エ門(だし)





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惣右エ門(天保全体)





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惣右エ門(天保アップ)


 

■住所山形県山形市早乙女1■電話023-633-0055■営業時間平日 1100-1600 1700-2000  /土日祝祭日  1100-2000■定休日火曜日 祝日の火曜は営業





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6/14 

さて2日目。市内で無料レンタサイクルを借用。駅周辺で土産を買い込んだあと、10:30山形駅。本日からの山形DCの準備が始まっており、新幹線ホームには駅員、蔵王温泉の女将連、ミスつや姫、山形舞妓などによる歓迎体制が取られている。DC主役のゆるキャラ「キテケレ君」ももちろんいる。



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山形舞妓    キテケロ



イベント指定列車11:48発つばさ161号に乗車。村山へ向かう。途中の天童やさくらんぼ東根駅で到着客出迎えの様子を眺めながら目的地村山駅に到着。ホームでは高校生が演じる徳内ばやしが出迎えてくれる。改札を出たコンコースにはミニ長板そばの準備が整えられている。



私を含めた10名程の下車客が長板の前に揃うと、伝承の館のメンバーが準備した太めのそばが60名分並べられる。流れるそうめんを食べるために人が並ぶ様はよく見るが、並べられた蕎麦を食べるために人がずらっと並ぶところを見るのは初めて。




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長板蕎麦準備




司会者の掛け声に「戴きます」の声で呼応し、食事タイムとなる。蕎麦はやや太めで固く、しっかり嚙んで食べるタイプのもの。箸休めの漬け物をいただきながら満腹になるまで頂戴する。無料だからということもあり、しっかりと食べてしまう。その様子は、地元テレビで実況中継放送されており、数日して山形の知人より映っていたよとの連絡を貰った。




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長板蕎麦



せっかくなので舞台裏も見学。この日は4台のコンロで対応したとのことだが、本来の長板そば食のイベントでは一度に600食を提供するはず。この10倍の規模を支度する様子は想像を絶してしまう。



取材にきていた山形新聞村山支局の記者と話ができ、村山版の蕎麦関連の記事の多さに感心していると話したところ、彼は殆どの記事を書いているとのこと。県南の置賜地方から村山地方に移動し、蕎麦の魅力にはまってしまったことが影響しているのではないかとのことであった。

 

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東根さくらんぼ




 

満腹を解消しようと5km先の「さくらんぼ東根」駅まで歩くこととする。暫くして、聞き覚えのある清酒「六歌仙」の酒蔵に出くわす。売店に案内され、どれだけ試飲しても良いといわれたものの、この先歩くことを思い出し、気になった数種の清酒を利かせて貰う。「六歌仙」という名前は戦時中地元6社の蔵元が、行政の指導により合併することとなり、この名前を決めたそうであるが、「十四代」の高木酒造が抜けてしまい5社でスタート、今日に至っているそう。



 
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六歌仙試飲用




蔵を辞し再度「さくらんぼ東根」駅を目指す。気温は30℃くらい。試飲の影響か、やや足は重たかったが、「さくらんぼ東根」に到着し、レンタサイクルを調達。ひとまず、温泉の公衆浴場オオタ湯に入浴。



入浴料350+ロッカー代10円。男女共用の休憩室には出荷されないさくらんぼが置かれており、利用者は誰でも食べてよいとのこと。湯上がりにこれ幸いと沢山食べてしまう。




 

このあと、サクランボ畑をサイクリングして、神町駅にほど近い明烏(あけがらす)というお蕎麦屋さんにて夕食。清酒霞城寿350円と肉蕎麦700円。肉蕎麦の鶏肉を摘まみに清酒を楽しんだ後、肉蕎麦に挑んだが、板蕎麦がまだ消化しきれておらず、美味しいのだが、苦しい思いをしながらなんとか完食した。


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■住所山形県東根市若木5850-13■電話0237-47-0378■営業時間11:0014:30/17:0020:00■定休日第2金曜


 


帰路は山形駅から新幹線。到着した新幹線「つばさ」号は今年から登場する山形出身のデザイナーが制作した新塗装の電車。この旅を最後まで盛り上げてくれたことに感謝しつつ帰路につく。


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posted by 石臼の会会員 at 05:28| 東京 🌁| Comment(3) | TrackBack(0) | ⇒山形・宮城・福島 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月10日

会津大内宿「三澤屋」

宵 待 庵 閑日記
2012・2・9




節分の日、雪を見るために会津へ出かけた。茨城県北は晴れ。春近しを感じさせる陽気。県境から福島へ入ると、所々に雪があり、気温が下がる。磐梯熱海では、すっかり雪に覆われ、久方の雪道運転。分離帯も車線も消え、白い道は美しい。

 宿の露天風呂に入る頃には、雪は止み、月が輝いた。風呂から見える灯篭の雪、庭の石積みの横には一輪の山茶花。やがて小雪が舞い、雪国の茶室にいるような按配である。千宗易もこれほどのシツラエと演出ができるであろうか。偶然のめぐり合わせ、自然の差配の賜物。正に雪月花を、日本の美を心ゆくまで味わい尽くせた。侘び、寂びではなく、艶と粋に酔った宵であった。



明くる二月四日は立春。東北の雪国は冬真っ只中。朝寝坊を満喫し、ゆるりと動き出して、会津若松を巡り、南会津、下野街道の宿場町、大内宿を目指した。磐梯熱海では、積雪は例年の半分と聞いた。日本海側では約二倍の積雪という話。大内宿は雪の中。雪見が目的ではあるが、かねてから念願の水蕎麦を体験。



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地吹雪で寒く、痛い顔を覆いながら、『三澤屋』の暖簾をくぐった。



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中は土間で、太い梁や柱が生活と時を感じさせる。かなりの客で土間は混雑していたが、囲炉裏の炭火は寒気で硬くなった体をほぐすのに十分であった。しばしの待ち時間のあと、座敷に上がり、囲炉裏端に着座。



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挨拶が済み、注文の前に出されたのは、会津名産「みしらず柿」と共に漬けた大根の漬物。大根と柿の相性の良さ。塩だけでこの味わい、漬物好きにはたまらない。田舎文化の潔さ。次に運ばれてきたものは、高遠蕎麦、いわゆるネギ蕎麦である。ネギの一本付けが人を呼ぶ。


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「水蕎麦」は大きな椀の氷水に盛ってある。大根の搾り汁が入った蕎麦猪口二個が用意され、好みで生醤油、削り鰹、おろし大根で食す。いまひとつは、焼き味噌、胡桃を入れて食す。やはり一本ネギ付き。美味。

posted by 奥久慈山荘 宵待庵 〜



会津大内宿「三澤屋」:

■住所福島県南会津郡下郷町大字大内字山本26-1■電話0241-68-2927■営業時間9301700 ■アクセス電車の場合:会津若松駅から会津鉄道で約43分、湯野上温泉駅下車、湯野上温泉駅から車で約20分。/車の場合:東北道西那須野塩原ICよりR400R121経由で会津若松方面へ約1時間30分 大内宿の共同駐車場から歩いて4軒目

   次項有のHP






宵待庵 閑日記は、ブログ内に以下の記事もあります。









posted by 石臼の会会員 at 12:51| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | ⇒山形・宮城・福島 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月03日

福島双葉郡富岡町「オルガン」@幕張メッセ

名刺の整理をしていたら、先頃何気なくいただいたイベント蕎麦の実店舗が、福島双葉郡富岡町にあるらしいと分かり、元気にがんばっている方々の姿が嬉しくって、今頃になってアップしてみた。

オルガンイベント店舗

子供の日に、幕張メッセで開催された某催しに行った。結果として朝11時前から、最後は…えぇ〜っと21時頃だったかな…まで、ずぅ〜っと会場にいたので、小腹ふさぎに、ちょっとしたものをアレコレと食べる。

並んでいる10店舗の扱う料理は、まぁ〜俗に言うところの「JAM飯」「フェス飯」?含むあれこれで、ジャンルも値段もいろいろ。ハンバーガー、ハワイアン、創作タイ料理、金沢カレー、ヨーロピアンパブ、つけ麺、スペイン料理、無国籍ありで、五浦ハム(ハム焼)やら、クレープ、クリームチーズ入りプレッツエルありで、要するに何でもありありである。どうでも良いことだが、何故か複数の店で、同じバドワイザーを同一価格で扱っており、結局、どこで何杯飲んだか分からなくなるようになっているのか?「他の色はないのね〜るんるん 若干飲んでみたい揺れるハート


幕張メッセイベント蕎麦屋 - .jpg

が、しかし、兎に角。

ずらりと並んだ店舗看板?の中に、「鶏汁そば」の文字を見て思い出したのが、山形の“肉蕎麦”だ。山形では、肉と言ったら「鶏」だそうで、元々は卵を産めなくなった廃鶏肉の活用で、昭和20年代後半に生まれた山形ではお馴染のメニューであると、以前江戸ソバリエ仲間に解説していただいた。山形では、通常のものを「肉そば」、鶏肉大盛りのものを「鶏そば」と呼んだ店があったとも。だから、この「鶏汁そば」は、山形由来なのか?と想像した訳だ。(ほんとうは、こちらは福島のお店だった。この繋がり、類似具合、土地の関係を今後手繰ってみたい。)そう思うと、私としては、これも食べない訳にはいかないではないか。(のかな?)


鳥汁そば -700円.jpg


ということで、

妙に名前が長い?けれど、

手打ちそば・じっくり煮込んだ鶏出汁たっぷり「鶏汁そば」¥700.-を頂いた。



裏に小さな子供もチラリと見えた店舗スタッフを見渡しても、客席を見渡しても、若い!(イベント主催者は前説で、前日までと比べて、この日は大人比率がとても高い…などと言ってはいたが、でも、ね。)その客層に合わせているのか、或いは、ひと汗かいて塩分を欲するようになるとの予想からか、かけ汁は少々塩辛めで若者仕様。

そのかけ汁が、しっかり熱々か、或いは、きちんと冷えていると、もっと良かったのだけれど、イベント店舗の厨房施設の宿命なのか、薄い使い捨てのプラスティック容器を使う都合上、安全面を考慮し致し方ないのか、ちょっと中途半端な温度であることが気になった。しかし、どぉ〜んと乗った鶏肉は、思ったよりも大き目でボリューム感があったし、香ばしく焼き色を付けてあるのも、良かった。






オルガン実店舗


こちらの未来食堂「オルガン」という店の実店舗は、そもそも世田谷上野毛で、故郷福島の食材を使って営業していた飲食店らしいのだが、地産地消で天然醸造の味噌や醤油等で調理した料理を提供したいと、震災前に福島県双葉町に店を移転したらしい。しかし、そこで今回の東日本大震災である。見つけたこのブログは、あの3月から更新されていない。

上野毛時代から、方々のイベントに店をだしていたようであるから、今回の幕張メッセへの出店も、しごく当たり前の自然な営業形態なのであろうが、今、この時に、被災しながらに、いつもの暮らしをしようと頑張っていらっしゃる姿にも、心よりのエールを送りたい。

近未来食堂

オルガン

■住所福島県双葉郡富岡町中央1−44 セントラルビル2F (福島第一原発から10km圏内)tel&fax 0240-22-4846 ■営業時間平日:18:0025:00LO 24:30)/土曜:12:0025:00LO 24:30)/休日:日曜


posted by 笑門来福 at 10:43| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ⇒山形・宮城・福島 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月02日

仙台市青葉区 手打蕎麦「八重車」

 11月下旬,仙台駅に降り立った。

 駅前の青葉通りのケヤキ並木は黄色の葉で彩られ,落ち葉がはらはらと舞い,通りに降り積もり,風が吹くたびにカサカサと音を立てていた。通りの人々が雪掻きのように箒で落ち葉を掻き集めていた。晩秋の仙台は,少し寒かった。


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    青葉通りの欅並木  広瀬川     青葉城隅櫓




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posted by たけじん at 10:47| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | ⇒山形・宮城・福島 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月14日

宮城県仙台市 そは処「家福」

※ 検索の都合上,「たけじん蕎麦日記」は5分割にしました。なお,蕎麦日記全体は,「雑記帳」に移動しました。ご了承ください。


− 宮城・山形の蕎麦紀行 その1−


 8月7日,仙台に帰省した。ついでに宮城県仙台市と川崎町,隣の山形県山形市,新庄市,天童市の計5店舗の蕎麦屋に行ってきた。



1 8月7日(月) 仙台市 そば処「家福」


  仙台は,七夕祭りでごった返していた。七夕飾りが飾られているアーケード街をさっと通り抜け,目指す蕎麦屋へ直行した。

PA0_0012.JPG PA0_0014.JPG PA0_0011.JPG 七夕さん

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posted by たけじん at 23:54| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ⇒山形・宮城・福島 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

宮城県川崎町 「そば山彼方」

※ 検索の都合上,「たけじん蕎麦日記」は5分割にしました。なお,蕎麦日記全体は,「雑記帳」に移動しました。ご了承ください。


− 宮城・山形の蕎麦紀行 その2−


2 8月8日(火) 宮城県柴田郡川崎町 「そば山彼方」


  仙台市内から国道286号線で山形方面へ向かう途中,釜房湖・国立みちのく湖畔公園の手前の道端に,「そば山彼方」(やまかた)がある。民家風の店,窓からは緑あふれる山々が見える。ここの蕎麦は,山形県産の「でわかおり」だけを使用し,石臼で挽いた細打ち,二八蕎麦の「山彼方」と国内産の蕎麦粉を殻のまま杵つき製粉した太打ち,十割の「田舎蕎麦」の二種類で,もりはすべて板そばであった。


 私は,夏新そばの「山彼方」(1,050円)を頼んだ。腰もあり,のど越も良い蕎麦である。思っていたほど香りはなかったものの,蕎麦の色は鮮烈であった。汁も甘くなく,私にとってはちょうど良い味であった。


 ここは,緑滴る山々の景色を見ながら,蕎麦を食することができる,都会では味わえない蕎麦屋である。


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  民家風の構え        窓から見た眺め        夏新そば「山彼方」


  住 所 宮城県柴田郡川崎町大字支倉字滝ノ原45−1


  電 話 0224−82−8550

posted by たけじん at 23:53| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ⇒山形・宮城・福島 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

山形県山形市 「萬盛庵」

※ 検索の都合上,「たけじん蕎麦日記」は5分割にしました。なお,蕎麦日記全体は,「雑記帳」に移動しました。ご了承ください。


− 宮城・山形の蕎麦紀行 その3−

3 8月9日(水)


  山形新幹線が乗り降り自由の周遊切符を購入していたので,山形から新幹線の終点の新庄までの間を乗り降りして,蕎麦屋めぐりをすることにした。


(1) 山形市 「萬盛庵」


  9時30分仙台駅発の仙山線普通列車で約1時間,山形駅へ着いた。ここの蕎麦屋は,山形で唯一の山形名産の紅花を使った「べにきり」を作ってくれる店である。「べにきり」は予約が必要であったので,電車に乗る前に,一枚分予約をしておいた。「べにきり」(900円)は,ほんのりピンク色をしており,上品で繊細な感じがする蕎麦であった。細切り,いわゆるさらしなの江戸変わり蕎麦である。


 店は,和服姿の女将さんが賄いをし,こじんまりではあったが和風の中庭もあり,落ち着いた雰囲気であった。まずは,山形に来たという印象であった。(これから,過酷な旅が待っているとは思いもよらずに・・・)

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      店構え              べにきり



  住 所 山形市旅篭町1−3−21


  電 話 023−622−2167




 

posted by たけじん at 23:52| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ⇒山形・宮城・福島 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

山形県新庄市 そば処「いせき」

※ 検索の都合上,「たけじん蕎麦日記」は5分割にしました。なお,蕎麦日記全体は,「雑記帳」に移動しました。ご了承ください。



  − 宮城・山形の蕎麦紀行 その4−



  (2) 新庄市 そば処「いせき」


12時42分山形駅発新庄行きの山形新幹線に乗車した。山形板そばの代表格に上げられると言われる地元産のそば粉を使った「むかし毛利」,「うす毛利」の太打ち蕎麦を提供してくれる「あらきそば」に行こうと思い,まずは村山駅で下車したのだが,駅に降り立ってみると,一本道の向こうに山々があるという景色であり,また,バスもあと2時間半後にならないと来ないとのことであったので,ここの蕎麦屋はあきらめ,再び,13時08分新庄行き新幹線に飛び乗った。


 新庄駅に降り立ったが,非常に暑い。さすが,東北の盆地である。その炎天下にもめげず,駅のレンタサイクルを借り,目的の蕎麦屋へ直行した。


 新庄は,新庄藩戸沢家の城下町で,こじんまりとしているが優雅な地方都市である。新庄城は今は最上公園となっており,その公園内のふるさと歴史センターの向かいに,そば処「いせき」がある。駅から自転車で10分程度の距離である。       


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     最上公園              店構え


 ここの蕎麦は,尾花沢,新庄,大蔵村,平田町などの地元の粉を自家製粉で粗挽きにしたもので,十一蕎麦である。


 板そば(700円)を注文した。めんが透き通っている。噛むと甘味が増してくる。田舎蕎麦のように太くはなく,色もそれほど濃くない。汁も甘くも辛くもなくちょうど良い塩梅である。


 井関恭雄店主から話を聞いた。「粉を粗挽きにし,ある程度のメッシュで振るうと甘皮はそれほど入らないので,色も濃くなく,透明感がある甘味のある蕎麦ができる。しかし,粗挽きにすると繋がりが悪くなるが,後は,水回しであろう」とのことであった。


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  店内(奥は座敷など)          板そば



  住 所 新庄市大手町2−28


  電 話 0233−22−2681





posted by たけじん at 23:51| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ⇒山形・宮城・福島 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

山形県天童市 手打ち「水車生そば」

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  − 宮城・山形の蕎麦紀行 その5−



 (3) 天童市 手打ち「水車生そば」

 15時24分新庄発山形行きの新幹線に乗車,天童駅で下車,天童市は将棋の駒の生産地と温泉地で有名であるが,蕎麦も,江戸時代には将軍家に献上された「寒中挽抜そば」があり,「献上蕎麦の里」としても知られている。

めざす蕎麦屋は,駅からまっすぐ歩いて12分程度,温泉ホテルが立ち並ぶ手前に位置している。店頭に水車が回っているので分りやすい。

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       店構え               店内

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たけじん蕎麦日記 No2

− 宮城・山形の蕎麦紀行 −


  8月7日,仙台に帰省した。ついでに宮城県仙台市と川崎町,隣の山形県山形市,新庄市,天童市の計5店舗の蕎麦屋に行ってきた。

1 8月7日(月) 仙台市 そば処「家福」

  仙台は,七夕祭りでごった返していた。七夕飾りが飾られているアーケード街をさっと通り抜け,目指す蕎麦屋へ直行した。

PA0_0012.JPG PA0_0014.JPG PA0_0011.JPG 七夕さん

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