2024年06月08日

下町で蕎麦と花菖蒲を楽しむ会

1年前に企画、豪雨予測が出て、急遽休止とした「下町で蕎麦と花菖蒲を楽しむ会」を参加者4名で開催ましたので、報告します。

日時:2024.6.7 10:30〜18:00

10時半、京成金町線の柴又駅に集合、1名が10分遅れで到着、3名で11時開店の柴又「日曜庵」さんへ向けて出発します。

更に遅れた1名が柴又「日曜庵」さんに着いたのが11時50分、先頭が2名、続いて我らが4名、定刻5分前にさあどうぞと店内へ。蕎麦茶を頂きながら、メニューを見て、先ずは飲み物、ビール2杯、小ビール1杯、烏龍茶1杯を注文。飲物が来て、突き出しの揚げ蕎麦をつまみつつ、乾杯。つまみとして、玉子焼き1つ、店主お勧めのなごり雪2つを注文。


最初に出てきたのが玉子焼き、焼き色はあくまでも薄く、表面の三つ葉か鮮やか、桃色の大根おろしを従え、更には人数に合わせて4分割されています。何枚重ねになっているのか、一人が分析をしますが判然としないくらい上手く焼けています。

日曜庵玉子焼き.jpg


続いて、なごり雪と名付けられた汲み上げ豆腐が2つ、エゴマオイルと醤油を半々で小皿に取り、それに浸けるか、塩を振るか、お好みで頂きます。

なごり雪.jpg

ビールをお替り、日本酒を頼むこともなく、締めの蕎麦へ

粗挽き蕎麦、焙煎蕎麦、玄挽き蕎麦、丸挽き蕎麦の4種を4人でシェアします。


日曜庵粗挽き蕎麦.jpg

粗挽き蕎麦 ¥1400(税込み)


焙煎全体像.jpg

日曜庵焙煎蕎麦.jpg

焙煎蕎麦 ¥1300(税込み)



日曜庵玄挽き.jpg

玄挽き蕎麦 |1250(税込み)


日曜庵丸挽そば.jpg

丸挽蕎麦 ¥1100(税込み)


全てつなぎなしの生粉打ち、そして細切りです。中でも焙煎蕎麦は、焙煎した丸抜きを挽いて練り込んだそうで、他では味わえない蕎麦です。


蕎麦湯はとろりとしたタイプ、お替りをして、約1時間でお勘定となります。

日曜庵蕎麦湯.jpg



ところが、見送りをしてくれた店主と店外で小半時も歓談、蕎麦屋を開業した2001年頃の話から、その前のカメラマン時代の話、3年前にお亡くなりになった奥様の話、3人のお子様の話と尽きることがありません。その店主を囲んで、記念写真を撮ってもらったのを汐に、お店を辞去します。


帝釈天.jpg





帝釈天にお参りをし、境内を通り抜けて江戸川へ


矢切の渡しを見に行って、若い船頭に約10分の矢切の渡し往復の遊覧を誘われ、風爽やかの中、言葉巧みな解説付の船遊びを楽しみます。










江戸川を右手に見て金町方面に遡り、京成金町駅から、柴又を通り過ごして、京成高砂へ、

京成本線に乗り換えて、中川を渡り堀切菖蒲園駅で下車、案内看板に導かれて、曲がりくねった道を歩き、堀切菖蒲園を目指します。

花菖蒲.jpg








その昔、雨が降るとぬかるみとなっていた園内通路はバリアフリー舗装され、車椅子でも楽々と通れます。無料の園内案内をするという園内放送に導かれ、その一団に入ります。あやめかきつばた花菖蒲の違いなどを勉強し、今が盛の花菖蒲を愛で、しばしの秋田喫茶室でコーヒーブレイク、後30分で閉店ですという店員のお触れに従い、園を後にします。来た時と同じ道を駅まで戻りますが、帰り道は早かった。



ここで、2名が帰宅の途に就き、2名が日暮里「川むら」さんを目指します。その店を通り過ぎて、佃煮屋さんでお土産を買い求め、店に戻ります。隣家を買い取り、新装となったお店に伺うのは初めて。


壁一面に貼られていたビラメニューはなく、つまみの数も厳選されたようで、1人がビールを頼み、もう1人は水代わりの冷蕎麦茶を頂きます。


頼んたつまみは、せりの胡麻和え、穴子天。


日暮里川むらせり胡麻和え.jpg

川むら穴子天.jpg


ビールのお替り、日本酒の追加もなく締めの蕎麦は、あさりせいろと岩のりせいろ、この2つを2人でシェアします。


川むらあさりせいろ.jpg

あさりせいろ ¥1600(税込み)


川むら岩ノリせいろ.jpg

岩ノリせいろ ¥1400(税込み)

蕎麦は更級粉が多いのか白味の強い蕎麦です。蕎麦湯は釜湯。



支払いを済ませ、日暮里駅に戻り、山手線に乗車、1人が高田馬場で降りて、今回の蕎麦ツアーは散会となります。参加された皆様、満開で迎えてくれた花菖蒲たち、お店の方々、船頭さんのお陰で楽しいツアーとなりました。


HIGHLAND記




 そば㐂り日曜庵

     東京都葛飾区柴又7−13−2

     金・土・日・祝日のみ営業

     11:00〜蕎麦売れ切仕舞い

     2010年10月訪問の柴又「日曜庵」訪問の記事へ

     2013年10月訪問の柴又「日曜庵」訪問の記事へ


 川むら

     東京都荒川区西日暮里3-2-1

     木曜定休

     11:30〜20:30 LO20:30

     2013年8月訪問の日暮里「川むら」記事へ

     2013年3月訪問の日暮里「川むら」記事へ


posted by 笑門来福 at 12:57| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 江戸川・葛飾・江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月02日

東砂「樹 –ひとつぎ-」

手打ち蕎麦 炭火焼き鳥、それから出汁に鴨汁の入ったおでんが売りで、2012年9月1日オープン。店舗正面奥の蕎麦打ち場には、「江戸東京そばの会」の看板が堂々と掲げられているカウンター有り、座敷あり、テーブル席ありの340人は楽に入れそうな居酒屋さんだ。


この「樹 –ひとつぎ-」は、都営バス「旧葛西橋」バス停から直ぐで、23つ隣のバス停「北砂四丁目」徒歩3分の北砂「夢想庵」も「江戸東京そばの会」だから、お店同士は徒歩6〜7分のご近所。このご近所2軒の蕎麦を扱う店が、立石「玄庵」で修行したことになる。「江戸東京そばの会」の卒業生は1000人に迫るとの噂を聞いていたけれど、もぅこうなると一大派閥だなぁ…本当に凄いなぁ〜恐るべし「江戸東京そばの会」。





蕎麦前

そりゃぁ〜蕎麦前が充実していますともさ、居酒屋さんだし。それにさっきまで奥で蕎麦を打っていた店主さんと思しき方も、アルバイトかなぁ?若く初々しいイケメンの店員さんも、ハキハキと親切に世話を焼いてくれてすこぶる感じがいい。


 

大根サラダと極上本まぐろ.jpg

大根サラダ¥400.- 極上本まぐろ刺身¥?.- 


極上まぐろの刺身は、トロと赤身が混合で盛り込んであって、少しずついろいろ部位を食べたい私には嬉しい盛り付けだ。おでんの汁に鴨汁が入っていると聞き、お皿が来るまでは、「珍しいなぁ、若向きにコッテリと濃厚なのかなぁ?」と想像したけれど、食べてみればあっさり昆布の出汁が前面にでて、コクは奥に控えたオジサン達にも親しみの持てる味。






おでん盛合せ.jpgレモンサワー.jpg

おでん盛合せ¥700.- 焼き鳥も…。最強レモンサワー




ということで、我が家の筆頭呑兵衛組頭が特に気に入ったのは、フレッシュなレモンが丸ごと1個分入った「最強レモンサワー」¥450.- 。おかわりは、丸ごとのレモンをそのままにして中身だけを注いでくれて¥350.-。爽やかなこれが相当に嬉しかったようで、日本酒のチェイサーのようにして、何杯も何杯も…。私は「今日は、(あまり)飲まない」と宣言しつつ、最初に1杯だけビール、その後日本酒。この日は、雨後の月 上喜元 八海山 黒龍 獺祭 飛露喜 醸し人九平次などが有り、1合サイズだけでなく、ハーフがあるのが有難く、戦略に嵌って(人の所為にしてどうするって!?)ハーフサイズを2種類嗜むことに。




蕎麦


まだまだ飲みたい筆頭呑兵衛組頭が、天せいろ¥1300.-を、天先でお願いした。


天先き.jpg

先出のイケメンお兄さんに「天先でお願いできますか?」と聞くと、初々しい彼はニコニコしながらも一瞬「?」な様子であったけれど、すぐカウンター内の店主さん?に、コショコショっと耳打ちしに走り、筆頭呑兵衛組頭のところへ取って返して「はい。承りましたっ」と大層感じが良い。それにまた、天つゆや塩を別に付けてくれたりなんぞして、すみませんね、気を使わせました。有難うございます。


やっと〆に向かう筆頭呑兵衛組頭のお声掛けでせいろへ。


せいろ2.jpg

外皮も少し挽きこんである蕎麦の太さは1.6o弱。茹で加減ちょっと固め。量は十分。





とろろ.jpg


私は温かな やまかけ蕎麦¥950.-

とろろに沈みゆく卵の黄身が、左上にチラッと見える。台の蕎麦は、せいろと同じで、やはりちょっと固め。



蕎麦汁は居酒屋風。って、どんなん? 塩分がやや強くって、パンチの有る感じですけどね、言ってる自分も説明し辛いなぁ。蕎麦湯は、手を加えたとろ〜り濃厚タイプ。 ソバ粉は、立石「玄庵」経由の粉と北東製粉の粉を使っているとのこと。家族や仲間が皆でシェアできる「大ざるせいろ」(だいたい4人前の分量だそうだ)¥1650.-、丼ものなど、品書きに賑やかに飲んだり食べたりできる居酒屋らしい工夫もあって楽しい。


炭火焼き鳥を相当に食べて飲んで、2人で¥8350.-也。体感値段は、¥12000位かなぁ〜と思ったので、割安感あり…かな。サワーって割安なんだね、きっと。途中筆頭呑兵衛組頭が、頼んだ焼き鳥の本数・部位など私の記憶になし。やれやれ…超メタボなのに、あぁた飲み過ぎですよ……今日もまた反省ですな。



■住所江東区東砂5-1-11■電話03-3615-5135■営業時間17:0024:00年中無休



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2014年01月16日

北砂「夢想庵」

久しぶりに伺った。諸事情で、蕎麦前はなし。でも、お茶と一緒に夢想庵名物?(揚げ蕎麦にかえしを吹きかけたもの)を出してくださったので、パリポリとつまみながら、蕎麦を待つ。


蕎麦

品書きの「野菜の天ぷら」と書かれていた場所に「手挽きそばがき」の文字を発見。おぉ〜3か月ご無沙汰の間に加わった新メニューか。

「都合により田舎そば 手挽きせいろは、中止になりました。現在は、ざるそばの質を高めるため田舎ブレンド 手挽きブレンドとして、一本化しております。」と、店内に書かれているので、蕎麦用の製粉の仕方を変え、それにともなって、粗い手挽きソバ粉の美味しさを楽しみたい人用に、蕎麦掻き用の製粉を用意したのか?と推理。これは、絶対にいただかなくては。



夢想庵 手挽きそばがき800円.jpg

手挽きそばがき800


粗挽きの粒々感の残った魅力的な姿。旨味の乗ったソバの香味がダイレクトに伝わってくる。夢想庵の一押しになるのではないか、とても美味しい。


家に帰って、昨年12月23付け夢想庵店主のブログを読むと、「夢想庵では今まで、手挽きの蕎麦と電動石臼挽き蕎麦の2種類をお出ししておりましたが、両方を合わせて一種類に統一しました。体力的にも間に合わなくなって来たのと、疲れが溜まってしまうと 美味しい蕎麦になりません。」とあった。
あぁ〜ナルホドねぇ。うん、わかりますよ。そうでしょうとも、大変ですよね。


以前(2008年6月7日)石臼の会ブログで記事にした通り、厨房をご主人一人できりまわしている「夢想庵」で、粗く手挽きした粉を無篩いで出したりするという事は、石臼で挽く前の準備もソリャソリャァ大変で、指先で徹底した選別を行い、抜き実を甘皮ごと一緒にゆ〜っくり挽き込む手間や時間を考えると、ご主人は慢性の寝不足に陥っているハズで、超人ハルク並みの体力がないと続けられない。いくらご主人が、登山で鳴らした健康な体躯を持っていても、疲労が蓄積してきたことは容易に想像できる。で、ということで、その代わりと言っちゃぁ〜ナンですが、製麺用に比べ量の少ない(一日に出る数の少ない)と思われる、この「手挽きそばがき」を登場させたということだろう。プロは大変だ。






揚げ白海老蕎麦.jpg

揚げ白海老そば 1200


かけ+揚げ白海老だ。概ね1.4oに打たれた細打ちの蕎麦が、甘汁の中でもキリリトしている。長ネギと三つ葉、香りも風情もいい。

軽く揚がった白海老の甘みにもウットリ。別々に食べたり、蕎麦の上に乗せて食べたり、2度おいしい。





カレー南ばん夢想庵.jpg

季節限定 カレー南ばん 1200


こちらのお店のカレー南ばんは、初めて頂く。所謂蕎麦屋のカレーは、鰹の出汁とかえしの旨味があるのが定番。そのあたりを押さえつつ、スパイス控え目少し甘めでクリーミー。台の蕎麦は、やはり1.4oの美味しい細打ち。熱々の熱にヘタって来ないうちに、大急ぎでフーフー言いながら手繰り、体がホッカホカになる。


この日の蕎麦は、北海道産 大雪山系の北早生-9割 手挽きブレンド。

■住所江東区北砂4‐216■電話033646-7725■営業時間11:3014:0017:0020:00■定休日日・月(祝祭日は営業)■アクセス東京メトロ東西線南砂町徒歩15分、都営新宿線大島駅徒歩20分、都営バス北砂4丁目バス停下車徒歩2 







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2013年10月26日

葛飾柴又「そば切り 日曜庵」

いつも楽しみにしているTV番組「鑑賞マニュアル 美の壺。次回は「江戸の蕎麦」を放送すると知り、「うわぁ〜〜〜楽しみ!」とばかりに、さっそく30秒程の動画予告を見てみた。「ほぉ〜あの店、それからぁ、ナルホドこの店とこの人」。そして、最後に



美の壺そば日曜庵20131101放送.jpg

一瞬映った蕎麦

おや?日曜庵の「粗挽きせいろ」でしょ?

 


観た途端に、画像が目に焼き付き、食感や香りが思い出されて、どうしても手繰りたくなった。それに、なんの巡り合せか好都合なことに、今日は金曜日だし!兎に角限定数に間に合う為には、即出発だ。

 




ということで、

走って バスに乗り…気持ちは、はや柴又。
到着は12時少し前。目当ての1日限定12食「粗挽きせいろ」に、間に合ったか?と、お店に駆け込む。

先客は、1テーブル2名のみ。
く・ふ・ふ  う・しっ・しっ♪♪

あのねぇ、いつもは店の前に行列があるんですよぉ。でも、今日はねぇ…台風27+28号の影響で、時にガァーッと強い雨が降ったり、大荒れの天気なんですよねぇ…帝釈天さんの参道も、人が疎らでしたよ。ゆっくりお参りできますよぉ、って暴風の中を? こんな日に…私、馬鹿ですよねぇ。



蕎麦前


あの粗挽きを!と思って走ってきただけで、蕎麦前の事は考えていなかった。

でも、
でも、何故かニコニコ笑顔の女将(=風貌は、女将というよりも「マダム」です)が、これを運んで来てくださった。「どうぞ。どうぞ」と。何故?暴風雨の日に来た人にサービスかしらん??ご厚意に甘えていいの?

 

5種類のきのこの小鉢.jpg

5種類のきのこの小鉢


美味しいなぁ、優し〜い美味しさ。冷たいしっかりとした出汁、火の通り具合の絶妙なきのことお揚げの旨味、秋の食材が素晴らしく洗練されて小鉢に入っているぅ。こりゃぁ…1合…うぁあぁ〜〜〜っと、心が揺れた。
この後、人と会う約束があったので、なんとか踏みとどまるも、心中-残念-ざんねん-残念。


 

ところで、

映ったあの蕎麦が、こちらの店のものと確信はあったけれど、間違っている可能性も「ゼロ」ではないから、女将(=クドイようですが、風貌は、女将というよりも「マダム」です。でも、マダムというのは、紛らわしいし、花番さんというのも…なので。)に美の壺の話題を振る。「予告?先日放送されたようですね。それを見て来てくださったのですか?」と。ネットの動画で予告チェックをした旨を伝えると「?」な具合だったけれど、撮影時の様子…じつに2日間かかって丁寧に撮っていったとか、話しが膨らんで、111日(金)1930〜 NHK BSプレミアムで放送予定であることも確認できた。

 

蕎麦


嬉しいっ! 
蕎麦を入れた蓋付きの蒸籠、薬味を乗せた錫の小皿、汁徳利といい、これまたお洒落ですねぇ〜。

 

粗挽きせいろ.jpg

ほら、やっぱり。これです。

「粗挽きせいろ」1200



 


 

まず、水蕎麦から。
水蕎麦.jpg

えぇ〜とぉ、もう少し細いかと思い込んでいたけれど、またまた登場のサイズで測ってみたら、綺麗に均等な2o…やや強。しっかりソバの粒が見て取れる。口に運ぶ直前まで水に浸っているからか、太さの割にするりとすべり込む喉越し有り。後から仄かなソバの香りがフッと鼻に抜ける。



 



 



続いて、せいろ


粗挽きせいろ 麺.jpg

水蕎麦と同じ蕎麦だろうな、挽きこまれたソバの甘皮やら粒々が、はっきり見える。2o…やや強。水に浸っていない分、蕎麦の淡緑色が美しい。


そのまま手繰れば、ゆっくりと品よく熟成した穀物としてのソバの香味がふんわり。するりと飲みこむのではなく、香りと味も楽しみたい蕎麦。
現代の下町気質が垣間見える濃く甘みの丸い辛汁につけると、また別の蕎麦の旨味を感じる。良いなぁ〜。

 




最近流行の「熟成蕎麦」という言葉?考え方?をチラリと。
前にも何度か石臼の会ブログに書いたような気もするけれど、蕎麦の麺に仕立てた後に13日熟成させ、茹であげる熟成蕎麦と…。ソバの実の状態で熟成させて、打った後はすぐ供する蕎麦の2種類ある。

こちらのお店は、熟成蕎麦という言い方はしないけれど、ソバの実を低温貯蔵して年単位(2年以上)で寝かせ、ソバ本来の香りや旨味が乗ってから自家製粉し、打って出す方法をとっているという事で、分類するなら後者に属するのではないか。農家に赴いて入手した手刈天日干の玄そばを、自宅の庭に設営した低温貯蔵庫で保管し、風味を楽しむのが日曜庵流。麺に仕立てる前にも後にも、時間と手間がたっぷりと掛かっている。

そして、この粗挽きなどは、麺に仕立てる為に、教科書で習うような普通の打ち方ではない、工夫がある…ハズ。

(実は石臼の会では、粗挽きの打ち方の勉強会もしたことがある。石臼の会会員には、超超粗挽きをきっちり麺に仕立てることが出来る者有り。万年初心者の私にだって、粗挽きは上手く繋がらない!ということ、普通には打てないということが、勉強会で分かった。)

 





蕎麦湯


円やかでどこまでも柔らかいソバの旨味をトロケルような舌触りにした滋味深い熱々の飲み物。これもまたご馳走。

蕎麦湯.jpg

東海道中膝栗毛の弥次さん・喜多さんに、この蕎麦湯を飲ませたら…何と言わせた? ねぇ、十返舎一九さん。


次項有石臼の会ブログ内 別の日の 葛飾柴又「日曜庵」 記事


■住所葛飾区柴又7-13-2 ■電話03-5668-0084 ■営業日金・土・日・祝 ■営業時間11:3018:00(売り切れ仕舞い) ■アクセス京成金町線「柴又駅」下車徒歩5分。北総公団線「新柴又駅」下車徒歩15分。JR小岩駅より京成バス(金町行に乗り20分程、「柴又帝釈天」下車徒歩3分。
JR
金町駅より
京成バス(小岩行)に乗り10分程、「柴又帝釈天」下車2分。目標となる柴又帝釈天裏の駐車場から、道を渡った路地2軒目。

店内全面禁煙。

posted by 笑門来福 at 16:11| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 江戸川・葛飾・江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月07日

北砂「夢想庵」

久しぶりに伺った。思えば偶々、前回こちらにお邪魔した日も強い雨だった。傘をたたみ、逃げ込むように玄関の引き戸をガラガラっとやって、ホォ〜っとするという具合。最近の天候は激しすぎる。


蕎麦前


こんな酷い天気では、他にやることもなし?昼から飲むことの罪悪感が、ほんの少し薄らぐ。

 


ということで、まずキリンラガー¥550.-

夢想庵まずビール.jpg

くぅ〜〜っ、美味しい。


手前に見えるは、お通し(2品とも無料)。特に揚げ蕎麦にかえしを吹きかけたこちら夢想庵名物?は、パリっと香ばしく、箸が止まらなくなる。また今日は量もタップリで、嬉しいなぁ。

 









コロコロと刻んだつぶ貝に葱がたっぷり掛けられて、これをグルグルと混ぜて食べる「つぶ貝わさび」¥500.-は、ピリッと爽やかな山葵が香る。 これと一緒に飲むのは、日本酒でしょう。「獺祭」純米大吟醸が¥750.-って、お得感も感じられて、頼まずにいられない。例によって、徳利の首ギリギリまで、それこそナミナミと供される、有難うっ。味わい深くフルーティーな酒が、つぶ貝と合うわぁ。



夢想庵つぶ貝とつきだし.jpg

 


(手前の胡瓜と蕎麦味噌は、これまたサービス)夢想庵の蕎麦味噌は、ほんのり甘く輝く濃厚な江戸味噌がベース。以前は丸抜きのソバを味噌の中に練り込んでいたが、今はどうやら味噌の表面にまぶすような、お洒落な姿に進化したようだ。ゴ−ジャスなこの蕎麦味噌が、サービスなんだからっ!またまた有難うっ!

 


夢想庵出汁巻.jpg

出汁巻玉子¥500.-


三つ葉がトッピングされた熱々ふわふわの玉子。真ん中からちょっと開いてみたら、中からお出汁がジュワァ〜っと。甘さ控え目お出汁タップリが、どうしたって御酒に合うでしょう!「鶴齢」純米¥750.-をお願いする。

 




 

夢想庵鴨焼き.jpg

鴨焼き¥800.-


鴨は、やっぱり葱を背負ってこなくっちゃ。鴨の油で焼き色を付けた葱って、そりゃぁ〜もぅ葱本来の甘みとたっぷり吸った鴨の旨味で、これだけでも美味しく飲めちゃう。下に隠れた鴨つくねも、スライスされた鴨も、もぅねぇコックリと美味。添えてくださった山椒がいいなぁ。あぁ〜益々日本酒が進んでしまうぅ・・・。佐賀県天山酒造「七田」純米酒、精米七割五分シリーズの雄町米100%の無濾過生原酒をお願いした。濃醇な旨味と嫌みのない淑やかで品のよい香り、日本酒って本当に美味しい。この日の私は、今まで知らなかったこの酒が一番。

 



もぅちょっとだけ飲みたい。ということで、「七田」をお代わりし、桜海老揚げ天せいろ¥1200.-を、天先でお願いした。美味しいお酒と美味しい肴、ぼかぁ〜し・あ・わ・せ だなぁ〜って、こういう時に呟く言葉だろうか? 違うね。これは、加山雄三だったかっ。



夢想庵桜海老揚げ.jpg

 



 



蕎麦


本日の蕎麦は、茨城県産常陸秋そば9-手挽きブレンド、と店内表示があった。昼休憩目前の時間ということもあって、残念ながら「田舎」は売り切れ。こちらの「田舎」は、細打ちで味わい深い逸品なんですけどね。そしてお目当ての「無篩い手挽き せいろ」も、今週は無し。次に手繰れる時を楽しみにしましょうか。

 

ということで、
桜海老揚げ天せいろ¥1200.-の「せいろ」

 

夢想庵せいろ.jpg


嫋やかで、のど越しがスルッと心地好い、江戸前の蕎麦。仄かな香りとソバの旨味。汁を付けずに夢中で1/3も平らげた後、やっと我に返り「あっそうそう、ちょっと測ってみましょかねぇ」と。

キリリと綺麗に揃って細い…夢想庵さまの麺を目前にして(興味津々さまに「麺のサイズ棒」を作ってもらってからというもの、「この太さ?!」と思うと直ぐ測るわけなんですけどね。)ほ ほぉ〜、1.4o弱 か…位。1.5oは無いですな。こんな時はサイズ棒じゃなく、興味津々さまが使う「ノギス」?なるものが欲しくなるのか??


夢想庵せいろ太さ.jpg

ともあれ、切りべら23本に限りなく近い。

茹で時間の繊細さを思いながら、やっと汁を付けて手繰る。あぁ〜いいなぁ。
薬味は、綺麗に仕事をして晒した葱と、大根おろし。

 



となると、

かけの麺の太さに対する好奇心が、ムクムクっと。
で、「かけ、お願いしますっ!」


 


夢想庵かけ.jpg


かけ¥800.-


ふむ、やはり1.4o位。うかうかしていては伸びてしまうので、ササっと手繰る。三つ葉の香りがふんわり香り、その下に隠れた白髪ねぎも風味を加えている。濃い色の割に優しい甘汁と繊細な麺が良く合って、「ふぅ〜」と肩の力が解れるような優しい美味しさ。心身ともホカホカになって、冷たい豪雨の中を帰る勇気が湧いた。

 

濃い蕎麦湯が、以前とちょっと変わったような気がする。

 

それにしても、こちらの蕎麦は、きちんと量がある。そしてそれに良心的に!丁寧に!手を掛けている。外の看板に「お急ぎの方はご遠慮ください」と掲げざるをえないのは、一人で厨房をこなし、お母様?一人で花番を頑張って務めているからだろうけれど、こんな丁寧な仕事をしているご主人は、寝不足だろうなぁ〜。どうか健康に気を付けて、頑張ってください。心の底から応援したい。

 

1015日(火)は、江戸東京そばの会総会出席のため、臨時休業となるそうです。


■住所江東区北砂4‐216■電話033646-7725■営業時間11:3014:0017:0020:00■定休日日・月(祝祭日は営業)■アクセス東京メトロ東西線南砂町徒歩15分、都営新宿線大島駅徒歩20分、都営バス北砂4丁目バス停下車徒歩2 

 



posted by 笑門来福 at 05:38| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 江戸川・葛飾・江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月13日

西葛西「やしま」 葛西仮店舗で元気に営業中

巷では、西葛西「やしま」は、東京メトロ西葛西駅高架橋橋脚耐震補強工事のため、518日から5ヶ月間休業するという情報が流れた。というか、お店に張り紙があった。けれど実は、7月12日から仮店舗で元気に営業中である。その仮店舗は、東京メトロ葛西駅メトロショッピングセンタ1番街(葛西駅高架第一)の最も西葛西寄りの端っこ。西葛西店再開までの期間限定店舗だ。

やしま葛西仮店舗.jpg





  ということで、
  仮店舗に行ってみた。


 カウンター席がぐるっと一通りあって、テ−ブルも3卓。昼時なのに、あの「やしま」に空席有り。この状況は通常の西葛西店と比べると、ちょっと寂しい感じも。














冷やしかき揚げ天そば.JPG

冷やしかき揚げ天そば 350円

ねぎ多めと言うと、どっさり入れてくれる。



 


もり+春菊天+おろし.jpg

もりそば280+春菊天100+大根おろし70

カラッと揚がったサクサク春菊が、美味しい。
一杯ずつ丁寧に作る!



丼物も含めて、ランチタイムにセットメニューもいろいろ提案中。老婆心ながら、やしまファンは、葛西仮店舗にも行くべきだなぁ〜なんて余計な事を、強く思いましたぁ。

 


2013712日〜11月頃まで
■住所江戸川区中葛西5-19-17メトロセンター葛西第一内■電話03-3675-14619月お休みは、毎日曜日 ※祝日1623日は営業■アクセス東京メトロ東西線・葛西駅 高架下

 



201311月頃からは、もとの西葛西↓で営業再開予定
■住所江戸川区西葛西6-14メトロセンター2番街■電話03-3675-1461■営業時間月〜金6302100、土6302000、日7001800、祝7002000■アクセス東京メトロ東西線・西葛西駅 高架下

 



   次項有2007925日ブログ内
   西葛西「江戸切りそば やしま」



posted by 笑門来福 at 20:15| 東京 ☀| Comment(6) | TrackBack(0) | 江戸川・葛飾・江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月19日

小岩「蕪村居」

 江戸ソバリエ認定の店(Edo Sobalier Friendly Shop)小岩「無村居」は、定休日の月・火曜日に限って、貸し切りで蕎麦パーティーの相談にのってくれる。実はこの度、これらの曜日とはずれてしまったのだが、26名ほどの江戸ソバリエが集う「親睦会」の貸し切りに応じてくださった。 



蕎麦前
 この日は他の企画もあり、その後小岩「無村居」で「親睦会」という運びであった。ところが、参加者皆が移動の為に分乗したタクシーが、こぞって酷い交通渋滞に巻き込まれてしまう。開始予定時間を大幅に過ぎても、なかなかなかなか到着できない。運良く地元タクシードライバーの車に乗れた私たちは、後発組にもかかわらず、裏道をまわってもらって1番先に到着。ということで、皆さんを待〜〜〜つ間、ちらっと乾杯の練習などを。割り当て分だけビールをグビっと。会費の中からは、ほかに焼酎4種も用意されていたらしいが、順次到着の皆さんとワイワイやっていて、これらの写真を撮る事もすっかり忘れてしまった。



しかしともあれ、こちらのお店に来たら、何と言っても日本酒の燗である。これを楽しまずして「無村居」を語るなかれ。なんちゃって…ハハハ、ちょっと偉そうですな。でも、そんな風に言いたくなるほど魅力的な酒が揃っているので、もし「無村居」を訪れるなら、店主さんに「今日飲むべき燗は何か?」、一声掛けてみる事をお勧めしたい。詳しく説明をしてくれるし、時に思ってもいない素晴らしい酒との出会いもある。 

だからこの日も、会費外で清算するということで、一番に到着組の皆さんと一緒に日本酒(日置桜、神亀、ひこ孫、竹鶴)を追加オーダーさせて頂いた。貴重な神亀の仕込み水「井水」もね。    



蕎三彩の?4種類の蕎麦?
 

小岩「無村居」お品書き.jpg
今日出してくれる蕎麦について、自筆のお品書きを用意していてくれた。予算も少々…酒代込みで○○○○円なんだし、普段のお店の品書き「蕎三彩」は、そばがき せいろ かけそば の3種の蕎麦 & かき揚げ・甘味の付いたものなので、今日のお品書きによる蕎麦3種類だとしても…なんだけれども、結果的には、蕎麦4種を供された。時としてご主人の仕入れた玄ソバや打った蕎麦に面白いものがあると、「ちょっと食べてみて」と出してくれたりする。今日も蕎麦マニアの集まりであるから、アレコレと手繰らせてやろうと、ちょっと…足してくれたようだ。 

いつも美味しい蕎麦を有難うございます。  




小岩「無村居」芝海老のあんかけ揚げそば.jpg
あげそば
芝海老のあんかけ 

通年メニューとしてお馴染みのあげそばは、カリッと揚がった蕎麦の上にかえしを基調とした餡がトロリ。この餡の中に季節の具材が入る。この日は、きのこや銀杏で、秋を感じる取り合わせ。   



小岩「無村居」バジルオイル和え.jpg
蕎麦deイタリアン
バジルオイル和え
 
日本酒にも、とても良く合う大好きな一品。にんにく、バジル、オリーブオイルは鉄板ですな。 




小岩「無村居」福井丸岡在来十割.jpg
十割そば
福井丸岡在来
下伊那親田辛味大根

野趣豊なソバの香りと、穀物の旨味が、ギュっと締まった細打ちになっている。これを手繰りたくって、小岩に来てしまう。




小岩「無村居」二八.jpg
本日の二八
    
定番の江戸前二八蕎麦。手繰れば、すとんとのどに滑り落ちる、のど越しの良さ。





予算の中で、この他に「漬物の3種盛り合わせ」、山盛りの「九条ネギの鶏焼き」のなどもいただいたのだが、これまた写真がない。面白くない? そりゃ、面目ない。まぁ、蕎麦の写真だけは、結構きちんと残っていたので、良しとさせてください。   

美味しい蕎麦に感謝。
「無村居」さんに感謝。
幹事に感謝。
ご参加の江戸ソバリエの皆さんに感謝。  




■住所東京都江戸川区西小岩1-29-5■電話03-5889-2810■定休日月・火、ただし祝日は営業■営業時間1:3014:30/17:3021:00 ■アクセスJR総武線小岩駅 徒歩4分
江戸ソバリエ認定の店(Edo Sobalier Friendly Shop)

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2011年04月13日

南葛西「清かわ」

桜並木.jpg桜.jpg

「満開だよぉ!観に行こう」と誘われて出掛けた。ため息がでるほど美しい桜並木を、ずっ〜と見上げて歩いたせいか、いつの間にかTVで流れている
suntoryのCM「上を向いて歩こう」を口ずさむ。歳を重ねるごとに益々桜が好きになり、花の儚さをもしみじみとして感じている時、こんな希望の歌のバトンリレーを思い出して、不覚にもウルウルしてしまった。最近涙腺が弱くなって、いやぁ〜困る。もぅ恥ずかしくなって、もの静かに集う若人のいる桜の下から、蕎麦屋に退避する事にした。今後北上するこの美しい桜が、つらい状況にある被災地の方々の心を、ほんのひと時でも癒してくれますように。


蕎麦前
 
久〜〜〜〜〜しぶりの南葛西「清かわ」。テーブルの上にある品書きを開いて、まずびっくり。なんと一目でそれとわかる江戸ソバリエ川俣画伯の絵で、お勧めの品書きが構成されているではないか。江戸ソバリエ川俣画伯とは、以前もこちらのお店でバッタリお会いした事がある。うぉ〜、品書きも描かれていたとは、知りませんでした。で、それによれば、蕎麦前のラインナップも随分とかわっている。大好きだった「ホタルイカの一夜干し」は消え、「出汁巻き玉子」が見当たらない。「湯葉」が加わり、焼酎の種類が大幅に増えていた。

清かわ品書き.JPG


清かわ福島の酒「飛露喜」.jpg 




落ち着いた所で、応援の為にも東北の日本酒を注文することにしよう。福島県・特別純米「飛露喜」¥800.-と、青森県・特別純米「田酒」¥800-を。「がんばろう!日本」なのだ。

 お通しには、「そばみそ」が付いた。






清かわ揚げだしゆば.jpg



揚げだしゆば¥750-
茄子の素揚げと、たっぷり衣をつけて揚げたとろーり湯葉。トッピングに大根おろしと柚子。








清かわ鴨くんせい.jpg



鴨くんせい¥800-
カイワレ大根とレタスが下に敷かれているのだけれどぉ…どうよ…これって、ちょっと盛り付けが…雑、でないかしらん? ん?写真の撮り方のせい?







清かわ天せいろに付く天ぷら.jpg


それに
「天さきで、蕎麦は後ほど」ということにしてもらい、天せいろ¥1500-をお願いした。写真は、その天ぷら。車海老 烏賊 かぼちゃ 茄子 しし唐。
「おつまみ」の欄に、天ぷらの盛り合わせ的なものがなくなっていたような気がする。天せいろの天ぷらで一杯は、お得感がある。




蕎麦
 

清かわせいろ.jpg



お声掛けで、「天せいろ」のせいろを運んでもらう。
薬味は、ねぎ と 山葵。
以前は、大ぶりの丸い朱塗りのせいろだったが、今は小さな正方形に器がかわっていた。しかし、盛られた蕎麦は、見かけよりも、ずっと量がある。








清かわ田舎せいろ.jpg

田舎蕎麦
ギュッモチモチッとした弾力があり、外皮のざらりとした舌触りを感じる。こちらも、見かけよりも、きちんと量がある。
薬味は、ねぎ と 大根おろし。









清かわ蕎麦湯.JPG


とろ〜りポタージュ系蕎麦湯。







えぇ〜おまけ情報として…江戸ソバリエ川俣画伯は、こちらのお店に暫くの間、水曜日に出没しているそうだ。
あれっ、そのことじゃない。帰りがけに、ご主人と共通の知人の近況やら、あれこれ雑談したのでつい。失礼。

えぇ〜ということで、もとい。
こちらのお店のご主人は、長く日本橋にある長寿庵系の蕎麦屋にいた。そこから、あの亀有吟八亭」を経て、ここ南葛西に自分のお店を持つに至る。ずっと以前、ご主人がこの経緯をお話しくださった折、西大島「銀杏」は、やはり和」での兄弟弟子と聞いた事がある。開店当初から、十四代、醸し人九平次、東一、鷹勇、飛露喜、黒龍、磯自慢、田酒などを揃え、飲める蕎麦屋として蕎麦前の提案にも熱心であった。最近は、焼酎も有名どころをいろいろと置いているようで、御客のニーズに答えようとしているのだろう。


■住所江戸川区南葛西2-22-■電話03-5659-3288FAX03-5659-3268■営業時間11301500/夜17002100■定休日木曜日

 お店のHP


ラベル:葛西 蕎麦
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2011年02月28日

小岩「無村居」

江戸ソバリエ認定の店(Edo Sobalier Friendly Shop)小岩「無村居」は、定休日の月・火曜日に限って、貸し切りで蕎麦パーティーの相談にのってくれる。ということで、月曜18時半〜21時頃予定で貸し切りで「俳句」の集まりに伺う。


本日は、コース料理だ。アーティスティックな才能にも溢れる御主人が、この日の為に素敵な手書きの“お品書き”も用意してくださり、そしてまた、会の趣旨にも沿って与謝無村(御察しの通り、店名はここから来ています)の句を、全員のコースターに一枚一枚それぞれに認め迎えてくださった。遊び心を大切にし、御客を楽しませようという御主人のもてなしの姿勢、心遣いが素敵だ。言うまでもなく「句会」の会場にも、ぴったり。


蕎麦前
 

小岩「無村居」 あげそば.jpg

瓶ビールで乾杯

揚げそば
カリッと揚がった蕎麦に、シュリンプ、人参、南瓜、春菊などが入った熱々の餡がトロリと掛けられ、ビールにもよく合う







小岩「無村居」盛り合わせ.jpg


盛合せの皿

左から時計廻りに:蕎麦味噌の大葉包み 山葵漬 玉子焼き 蒲鉾

真ん中がヒラメの昆布締めで、
下があんこうの肝

こりゃぁ〜堪りません。
日本酒が欲しいっ!





小岩「無村居」天ぷら.jpg


春菜の天ぷら

うど ふきのとう 春牛蒡
追って揚げたてのゴロンと丸〜い小玉葱などを、順次運んでくれる
るんるん熱々をハフハフダッシュ(走り出すさま)言いながらいただく








蕎麦
   


小岩「無村居」28そば.jpg
せいろ
香りも喉越しもバランスのとれた、しなやかで瑞々しい細打ちの二八









小岩「無村居」奈川在来熟成そば.jpg

熟成十割蕎麦

おまけ?かな?
品書きにはなかったのに、ご主人がにっこりとだしてくださった。「奈川在来種3日熟成蕎麦」やや太打ちでおおよそ12〜3cmという短さながらも、味わい深く濃淳な旨みにびっくり。噛んだ後、グニュッと歯にくっつく部分と、ツブツブッザラッとした舌触りがただ物でない強いインパクトだ。
こりゃ〜純米の燗酒にもビクともしない、どっしりとした蕎麦だぁ〜ね。








蕎麦後
   

小岩「無村居」そばアイス.jpg



最後に
そばアイス
バニラにソバ茶と美しい薄緑色の丸抜きのトッピングが楽しい







蕎麦湯は、ナチュラル系の熱々。寒〜〜い外に飛び出してゆく前に、しみじみと温まろう。



ということで、
この日は、多くの江戸ソバリエも参加の「俳句」の集まりだった。子供の頃、誰それの何かの句を幾つか習ったような気はするものの…私は、まったく すっぱり さっぱり まるで俳句の知識もなく、無知なままで御邪魔してしまった。投句も免除してもらい、なんとかまず、“皆さんの作った「句」を楽しめるようになる”という目標を掲げるのが精いっぱい。制約のある字数で、こもごもを自在に詠む先生はじめ、御参加の皆さんのようになれるまで、道のりは遠〜〜〜そうだぁ。


で、だから、いや何の関係もないけれど…
つまり…そのぉ…ところで…あのぉ…唐突ではありますが
「山笑ふ」は、春の季語だそうだ。
この会で熱心に俳句を学ぶ石臼の会蕎麦友から、少し前に教えて貰った。
わたしゃ、そんな事はぁ〜全然知りゃしませんでしたが、それを教えて貰った時に何を思ったかと言うと、年末にもこちら「無村居」でいただいた(つまり、この日もこの店にありそうな)日置桜「山笑ふ」の味を思い浮かべてしまいましたですよ、はい。

複数の熟成酒をブレンドしてあるこのお酒は、燗上がりする酒として設計されているくらいだから、まだ寒い「春」ちょうど今頃には、絶好の飲みごろ?でしょ? きっと蔵元もこの時期を想定して、酒名を決めたんだろうなぁ〜、なんてね。今日いただいた「奈川在来の熟成十割蕎麦」に合わせて飲んでみれば、円熟した深い味わい同士、そりゃ〜そりゃ〜素晴らしいマリアージュを楽しめたのではないかと…。

ね。こちらのお店は、燗酒の醍醐味を存分に楽しめるお店でもあるし…店の棚のあのラインナップを目にしながらだから、わたしゃ、きっと御預けを食らった犬と同じ顔をしていたに違いない。飲みたい…。と、心の底ではチラリと(いや強く)思ったのだが、まぁ〜飲み会ではなく「句会」ゆえ、勉強し精進して励むということで、我慢がまんの笑門来福でありましたとさ。
てなことで、
御酒は次回のお楽しみということでーーーおしまい。




   
  
■住所東京都江戸川区西小岩1-29-5■電話03-5889-2810■定休日月・火、ただし祝日は営業■営業時間1:3014:30/17:3021:00 ■アクセスJR総武線小岩駅 徒歩4分

※定休日の月・火曜日に限って、貸切で蕎麦パーティーを楽しめる。駅からも近いし、蕎麦屋deコンサートなど、楽しい企てのある方は、連絡してみることをお勧めする。気さくに相談に乗ってくれる。
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2010年12月12日

小岩「無村居」

ほぼ20年ぶりにお会いする日本酒好きで蕎麦好きな方と、蕎麦屋でいっぱい。堪りません。あぁ〜日本人に生まれて良かった。


蕎麦前
こちらのお店の「純米酒3種ののみくらべ¥2000.−」を数回転して、神亀・ひこ孫・ひやおろし竹鶴純米吟醸・小笹屋竹鶴日置桜・八割搗き強力山笑う(古酒)・先日御常連(またまた吉田類調?)が飲んでいたのを羨ましく見ていた「にごり」の燗やら、種類豊富で濃密な燗酒メニュー(裏メニュー含む)全制覇した…かな?…したな。で、まずビールだった恵比寿ビールを、いつのまにやらチェイサーがわりに追加したりなんかして…記憶が…。楽しさのあまり、写真もボケボケだったり、撮り忘れやら、食べ途中やら乱れがち。でも、美味しく大満足だったので、ブログに載せておこうっと。 




小岩「無村居」葱焼き.jpg
選べるぐい呑みと葱焼き¥300-
ねぎは、我が家の筆頭飲兵衛組頭の好物。  




無村居 玉子焼.jpg
玉子焼¥800-
ふっくらふんわり、
美しい黄金色に仕上がって火の入り具合が良い。
あまり甘くないタイプ。




無村居 鮪中落ち漬け.jpg
中落ちの漬け 




小岩「無村居」つぶ貝.jpg
つぶ貝¥500-




無村居 あん肝.jpg
あん肝¥600-
添えられた暮坪蕪の風味も良く、
クリーミーで濃厚な旨みの塊が堪らない。
もぅ〜大好物。



無村居 烏賊の塩辛.jpg
おまけに出してくださった いか塩辛
美味しいぃ。これでまた燗酒がすすんじゃう。  




無村居 鴨塩焼き1.jpg
鴨塩焼き¥900-
本来は、厚切りを2枚…だそうだ。
でも、3人で分けるので3枚に切ってくれた




無村居 天ぷら盛り合わせ.jpg
天ぷら盛り合わせ(3人前)
   
前回お願いした時と、内容が全然違う。
季節によって、或いは食材の入荷状況で?
時々にいろいろ変わるのだろう。



全ての肴はそれぞれを、食べる人数で仲良く分けられるように、大きさや切り方を塩梅してくれている。


蕎麦
  

無村居ほろみのり奈川在来福井丸岡.jpg

ご店主より丸抜きの説明をいただく。

手前左 北海道・幌加内ほろみのり、真ん中が長野・奈川在来種、右奥が福井・丸岡在来小粒、の3種。




で、全部、ちょっと食べてみる。
幌加内ほろみのりは、香りもまずまずで優等生的にバランスが良い。

奈川在来の風味が圧倒的に濃く美味しい。信州蕎麦紀行で伺った北志賀「山の実」以来、石臼の会蕎麦打ち会で大流行中の超粗挽きの蕎麦掻きにしたいっ!という衝動にもかられる。これで仕立てられた今日の十割蕎麦が楽しみだ。

丸岡在来は、とりわけ小粒で緑が濃い。甘皮の青々とした様子といい外皮の薄茶色といい、ちょっと早刈りぎみだったのかな?ひょっとすると飛び抜けた個性か?と期待してつまんでみたけれど、よく分からなかった。




そして、 



小岩「無村居」 湯だく.jpg
湯だく ¥1000
この冬の入り口に初めて食べてから癖になった。
熱々の蕎麦湯に浮かぶ麺と、これまた熱々のつけ汁が美味しい。
汁にたっぷり入った生姜の効用もあって、体がほっかほかに。
明朝、また、これ食べたくなってるだろうなぁ…。




小岩「無村居」せいろ.jpg
二八 ¥800-
北海道幌加内・田丸農場産ほろみのり種で打った細打ちの定番。
丸抜きを摘まんだ時には、奈川在来に圧倒されたからか、
優等生的に大人しげで印象が薄かったが、
麺に仕立てられた二八は素晴らしく好印象。
打ち手の腕前?割り粉の妙?これが蕎麦の面白さだなぁ、
定番の水準が高いぞぉ。




無村居 奈川在来十割1.jpg
十割 ¥800-
この日は奈川在来種を、こちらのお店としてはやや太めに打ってあった。Tさまも、「美味しいっ!」と言って手繰っている。ご自宅から遠いこのお店に来て頂いた甲斐があるというものだ。
 信州万歳!
でもしかし、先日入荷したばかりの時に見せて頂いたこの奈川在来種の玄ソバが、「もぅ〜そろそろ無くなる。」とのことで、次の十割が何になるか、聞き忘れた。





あぁ〜満足っ
満足っ 大満足っ
T先生、ごちそうさまでした。


    
■住所東京都江戸川区西小岩1-29-5■電話03-5889-2810■定休日月・火、ただし祝日は営業■営業時間1:3014:30/17:3021:00 ■アクセスJR総武線小岩駅 徒歩4分
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2010年12月04日

小岩「無村居」

とある場所で昼過ぎに、モソモソッむぎゅむむっと、呑みこめないような饂飩を打ってしまい、口の中がザラつく。どぉ〜〜しても口直しが必要。なんとしてでも、美味しい蕎麦が食べたいっ!!と直行。移動時間ももどかしく、腰かけるなりすぐに、「牡蠣南蛮、お願いしますっ!」と花番さんに声を掛ける。

お昼のラストオーダー時間に間に合った安心感と、暖かいお茶に、ほぅ〜〜っと一息ついていると、店のカウンターあたりでは、御常連(この言い方…吉田類かっ?と突っ込まれそう?)とおぼしき方々が、まったりと昼酒を楽しんでおられる。聞くとはなしに自然にちょこっと耳に入る言葉の端々から、マニアックな美食の日々を過ごしておられる方々のようだ。手元を覗けば「にごり」を燗でやっている。恐らく燗酒のツボに嵌った人、“御主やるなっ!”って感じである。その光景を見てしまうととても魅力的で…つい「私もっ!」と喉まで出かかった。が、そこは夕方からの予定を考えて、グッと堪える。偶には私だって理性が働くのだ。


 ということで、この日は蕎麦前なしの
牡蠣南蛮蕎麦
     これがねぇ〜、とっても美味しいっ!♪ 私は冬になると、方々の蕎麦屋の牡蠣蕎麦や鴨南蛮的なものが食べたくなるのだけれど、こちらの牡蠣南蛮蕎麦は、またちょっとひと工夫ある。他と違うのは、ぷっくりっとした牡蠣には、薄らと片栗の衣がつけてあって、牡蠣の旨みがギュッと閉じこめられていること。薄い衣でツルンとする牡蠣を口に運んで咬むと、中から半生の牡蠣のエキスがジュワァ〜とでてくるのだ。これを肴に一杯やっても、 だなぁ。いや、いかん、いかん、今日はダメなんだって。

小岩「無村居」牡蠣南蛮1.jpg



ググっと堪えて、濃厚で少しとろみのついた熱いお汁に、上等な蕎麦が伸びてしまわないうちに手繰る。僅かなとろみのお陰で麺にお汁が十分に絡んできて、ほんのり香る柚子も良い。3/4程食べ進んで七色を一振り、また手繰る。あぁ〜美味しいっ。こうして書いていても、また食べたくなっちゃう〜。


最後に、濃厚なお汁を割って飲むようにと、蕎麦湯を出して下さる。心も体も、ほっかほかになること請け合い。
こちらのお店は、温かい蕎麦も本当に美味しい。生姜の効いた“湯だく”も絶品だから、是非是非食べてみてほしい。



奈川在来種
     
小岩「無村居」奈川在来玄ソバ.jpgおまけに、入ったばかりの奈川在来種の玄ソバを見せて頂いた。奈川でも取り分け高地のものだという。例によってかの地の米袋に入っている。

ご主人と御話しつつ、あれこれ教えて貰っていたら、ついつい午前中の饂飩惨事を思い出し愚痴ってしまった。すると気の毒そうな顔をして「そうかぁ〜、じゃぁ〜これ持って行きなぁ」と、南部小麦で打ったばかりの饂飩玉をくれた。美味しい牡蠣南蛮で、すっかり幸せな気持ちになっていたけれど、それに更に増してである。有難うございます。

その日の深夜、自宅で茹でた。透明感があってキュッとしまった喉越しの良い饂飩、また格別。蕎麦も饂飩も、美味しい物を打つ道のりは遠いなぁ〜。




  

  
■住所東京都江戸川区西小岩1-29-5■電話03-5889-2810■定休日月・火、ただし祝日は営業■営業時間1:3014:30/17:3021:00 ■アクセスJR総武線小岩駅 徒歩4分
※定休日の月・火曜日に限って、貸切で蕎麦パーティーを楽しめる。駅からも近いし、蕎麦屋deコンサートなど、楽しい企てのある方は、連絡してみることをお勧めする。気さくに相談に乗ってくれる。



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2010年11月27日

江戸川区役所前「そば処 やざわ」

飛び込みで入ったお店。日替わりランチや定食・丼物もあって、伺った昼は区役所の皆さん?で、30席はあろうかという店内が、大いに賑わっていた。夜も家族連れから、美味しい肴で一杯のオジサンまで幅広い客層で、皆が楽しめる居酒蕎麦屋風になり、これまた繁盛しているらしい。若女将によれば、「肴は、その日のおすすめもありますから、声を掛けて下さい。」と、元気がいい。大女将の雰囲気も、シャキシャキと気持ちが良く、ちょっと下町寿司屋風?にも感じられる。流石この御時世でも活気のある店とは、こういうものかと感心した。



そんな母娘の言葉を聞いたせいか、風情がどうも蕎麦屋というよりはぁ…寿司屋?或いは料理屋風だなぁ?などと思って、店内を観察していて思い出した。確かこちらのご主人は、休日に自分で釣った魚を美味しい肴にして店に出している…つまり、釣果によっては天然ものの珍しいご馳走にもありつける店として、のブログに載っていたお店だ。ブログには、しま鯵、ウマズラハギやカサゴの写真もでていていたし、品書きにも、ヒラメの昆布締めや刺身盛り合わせ、鮪山かけの文字も見えていた。この日、カウンター内で手際よく天ぷらを揚げていた2代目は、魚問屋で修業をしたとも。あぁ〜なるほど。豪快に並んだボトルの数々も合点がゆくと言うもの。こりゃぁ〜飲兵衛には堪らない、危ないお店だ。御近所にあったらいいなぁ…でも通っちゃいそうで危ないなぁ。



ということで、秘密情報(てな、ハズはないけれど)として、店主さんは店の休業日日曜に釣りに出かけるので、月曜の肴が狙い目らしい。


蕎麦
店に飛び込んだ時、ほぼ満席だった。昼食時間が限られていたこともあり、ササッと手繰れるようにと、腰をおろすなりすぐ「せいろ」¥600.−をお願いした。待つ間、品書きを眺めまわし、店内を眺めまわし、「あれ?ひょっとして?」と、店のことにいろいろ思い至った。うわぁ〜それならばと、季節の天ぷらを追加しようかどうか迷い始める。が、決断できない程、あっという間に、せいろは運ばれて来た。


 やざわせいろ.jpg  


キュッとしまった細打ち。辛汁は、意外にも軽め。
薬味に山葵、そして葱にトッピングされた柚子片が珍しい。



 


やざわ笊.jpg


ご一緒した御婦人の「のりかけせいろ」¥750.-
こちらの薬味には、柚子片がない。






やざわ天ぷらそば.jpg



ご一緒した殿方の天ざる蕎麦¥1480.-の薬味には、柚子片あり。
カラッと揚がった天ぷらが美味しそう。
辛汁と天つゆがつく。




蕎麦が運ばれると同時に、御盆に蕎麦湯が乗ってくる。



■住所江戸川区松島1-41-23 ■電話03-3651-5451■定休日■営業時間11:3014:30 / 夜(平日) 17:3022:00 、(土・祝) 17:3021:00 ■アクセスJR総武本線 新小岩駅から都営バス新小21或いは、新小22系統バス10分、「江戸川区区役所前」下車すぐ



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2010年10月05日

小岩「無村居」

こちらのお店は、江戸ソバリエ認定の店(Edo Sobalier Friendly Shop)である。だから当然、蕎麦を愛し惚れ込んだご店主がいる。しかしそれだけでなく、“日本酒”のしかも特に“燗酒”のラインナップが、クラクラするほど魅力的で、これを飲まずには…どうしてもどうしてもいられない。日本酒の醍醐味、燗酒の魅力を知っている人には、もぅ間違いなくお勧めの店だ。  

蕎麦前
この日も同行者は、我が家の筆頭飲兵衛組頭。まっ、早い話が私の連れ合いである。この男、困った事に“三度の飯”よりも酒が好き。そして更に麺喰い(実績が証明するように、残念ながら面喰いではない)である。「もちもちした米粒よりも、つるつるっと麺がいい」と言い放つ、ソバリエの亭主として見上げた?人物だ。したがって、私がソバリエの活動と称して蕎麦屋に誘うと、二つ返事で同意する。というか、率先して機会を作るのである。


で、この日の筆頭飲兵衛組頭、出発時は珍しく乗り気でなかった。出先でいくつか雑事を片付けなければならない私の行動が、まどろっこしく退屈なようで、いつまでも苦虫を噛み潰して、更にそれを濃く煎じた苦いお茶をバケツ一杯も呑んだような顔をしていた。ところが、開店5〜6分前の小岩「無村居」のご主人が、「いらっしゃい。どうぞ」と言って、早めに暖簾を出して下さるのを目にするなり機嫌が好転し、更に品書きに目を通すと、満面の笑みに変わった。まったくもって、現金なものである。まぁ〜それほどまでに、飲兵衛の気持ちを和ませる物が、こちらの店にはあるという事だ。


ということで
まず、恵比寿ビール。
手書きのコースターが素敵で、添えられた蕪の漬物が、嬉しい。

すぐに、純米酒三種ののみくらべ(2合)\2000.-をお願いする。
小岩「無村居」葱焼き.jpg
結局この日は、これを2セット飲んでしまった。品書きから選んだ燗酒は、神亀辛口、ひこ孫、竹鶴純米吟醸、小笹屋竹鶴、日置桜、八割搗き強力の6種類。もぅ〜〜どれもこれも本当に素晴らしい!!しっかりとした旨み・豊かな力のある酒。日本酒万歳っ!燗酒万歳っ!である。

上の写真は、筆頭飲兵衛組頭が、「こりゃぁ〜堪らないっ!」と、相好を崩す 葱焼き¥300.-と、自由に選べる猪口の数々。


小岩「無村居」つぶ貝.jpg


つぶ貝\500-
私、貝類が大好物でして…。そうそう、そう言えばこちらの店の「牡蠣蕎麦」も、もぅその季節になるなぁ。待ち遠しい。






小岩「無村居」三種.jpg




三種盛り
辛味噌 奈良漬 蕎麦味噌






小岩「無村居」天ぷら盛り合わせ.jpg




天ぷら盛り合わせ¥1200.-(二人前)
野趣豊かな人参が、良かったぁ。
そして、柔らかな烏賊も。







蕎麦
    

小岩「無村居」 湯だく.jpg



湯だく\1000.-

熱々の蕎麦湯に浮かぶ麺も、ちゃ〜んとしてヘタレていない。
おろし生姜の効いた熱々でとろみのあるつけ汁、これは、美味しくて とっても温まるぅ。
冬の定番になりそうだ!
初めて頂き、すっかり気に入ってしまった。







小岩「無村居」せいろ.jpg

二色せいろ\1000.-

二八と十割がいただける。一枚目は、二八。薬味は、オーソドックスにねぎと山葵。
今は、北海道幌加内・田丸農場産「ほろみのり」、新蕎麦だぁ。







小岩「無村居」十割.jpg






次に、十割
粗めに挽かれており、しっかりとした風味がある。美味しい。








蕎麦前も、そばがき せいろ かけそば かき揚げ 甘味と、お蕎麦をいろいろ頂ける「蕎三彩」¥2000.-などのセットメニューも、どれもこれもお得感満載で美味しい、気さくなご主人の魅力的もあって、度々通いたくなるお店である。

あぁ〜満足っるんるん満足っるんるん満足っるんるん
ごちそうさまでした。



  
住所東京都江戸川区西小岩1-29-5電話03-5889-2810定休日月・火、ただし祝日は営業営業時間1:3014:30/17:3021:00 アクセスJR総武線小岩駅 徒歩4分
※定休日の月・火曜日に限って、貸切で蕎麦パーティーを楽しめる。駅からも近いし、蕎麦屋deコンサートなど、楽しい企てのある方は、連絡してみることをお勧めする。気さくに相談に乗ってくれること請け合い。

江戸ソバリエ認定の店(Edo Sobalier Friendly Shop)


    次項有お店のHP 

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    次項有2010年12月12日小岩「蕪村居」の記事へ
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2010年10月03日

葛飾柴又「そば切り 日曜庵」

気持ちの良い高い秋の空、乾いた空気、ぐんぐん遠くまで歩けそうな気分。よぉ〜〜しっ!ということで、運動靴を履いて出掛ける。勢い込んでお店に到着したが、例によって例の如く店の前には行列があった。待つ事10分、これじゃぁ〜“粗挽き”は…もぅ…だろうなぁ。


蕎麦前
  取り合えず、ハートランドビール¥650-。お通しに、ほんのり塩味の蕎麦チップス。

柴又「日曜庵」鴨焼き.jpg



そして、鴨焼き(バルサミコ酢)¥1200.-をお願いした。
紫蘇の散った大根おろしが添えられ、肉厚でジューシーな鴨としし唐の辛味、香ばしく焼かれたねぎが、ビールにもよく合う。





柴又「日曜庵」 なごり雪.jpg

なごり雪(ざる豆腐)¥650.-は、風味の濃いしっかりとした、それでいてクリーミーな滑らかさのある豆腐。
塩や、紫蘇(エゴマ)オイルと醤油で頂くようになっている。うぅ〜〜ん美味しい。こりゃぁ〜やっぱり日本酒が欲しくなる。すぐに、松の司(滋賀・特別本醸造)\900-、米鶴かっぱ(山形・限定特別純米超辛口)\900-Jソガ・ソガペールエフィス(長野・純米吟醸生酒 美山錦)¥1350.-を、トントントンといただくことに。日本酒には、美味しいちりめん山椒と塩が添えられた。(結局?結果的に?沢山飲んだので?ちりめん山椒のおかわりも下さり・・・\(^o^)/美味し嬉し。)




柴又「日曜庵」にしん.jpg




にしん¥1100.-











蕎麦薬味
  
目当ての「粗挽き蕎麦」は、1日限定12食。この日は順番待ちノートに記帳された人数が、私の前でも12人をはるかに超していたので・・・、席に着くや否ややはり「粗挽き、終わりました」と花番さんの声を聞く。まぁ〜これは店に着いてすぐの様子からして、想定の範囲内。ところが続けて「今日は、お天気もよく、いろいろ早めに終わってしまったので…」という。このいろいろって、粗挽きと何?と何?だろう。これが、まだ午後1時になったばかりの言葉だっ!まったくもって凄いなぁ。
 



柴又「日曜庵」 せいろ.jpg

ということで、必然的に「せいろ」\950-である。
蕎麦の甘みがしっかりと感じられる風味の濃い細打ち。とにかく素材の存在感が凄い。そして、アーティスティックなせいろの薬味。見ての通り、ねぎの切り方が普通と違う。

柴又「日曜庵」せいろの麺.jpg銀色に鈍く光る器は、「竹やぶ」の阿部孝雄さんの作品を思い出させ、勝手な想像として、竹やぶ→吟八亭→日曜庵の師弟図式が浮かぶ。



テーブルまで来てくださったご主人は、黒姫や水府などの契約農家で、手刈り天日干しした2.5トンの玄ソバを、真空低温(5度)保存する貯蔵場所を確保するために、嬉々としてご自宅の庭を潰した人だ。「玄ソバをきっちりと管理し、2年ほど熟成させることで、ソバ本来の甘みや旨みが前にでてくる」と説明してくださった。当然、この日いただいた「せいろ」も2008年度産のもので、この熟成貯蔵を経てから、やっと店の蕎麦として日のめを見たものだ。


柴又「日曜庵」 蕎麦湯.jpg
蕎麦湯
 この蕎麦湯は、これで“一品”になりそうなくらいのもの。どろぉ〜っと、しっかり濃厚、つぶつぶ有りで、作り込んである。



忙しいだろうにそれでも、厨房からちょくちょく出てきて気軽に蕎麦談義してくださるご主人は、更に資料や写真を見せて下さった。パラパラとめくって見ただけでも、蕎麦関連の水の硬度について、石臼挽きとロール挽きのソバ粉の顕微鏡写真、自家製寒晒しソバの工程記録写真…とにかく、あれもこれも、どれもそれも、多義にわたるソバそのもの、あるいはソバ周辺の事柄が盛りこんであるファイルだった。やっぱり蕎麦に魅入られてのめり込むと、こういう事がどうしても知りたくなっちゃうんだなぁ。不肖笑門来福、まだほんの入り口ではありますが、同じ蕎麦に嵌る者として、その気持ち、よぉ〜〜く分かりますです。はい。



白状すれば、お店に伺う前は「営業日を増やしてくれればいいのにぃ〜」と失礼ながらほんの少し思っていた。この日「最初の7〜8年は、ひたすら食べ歩きましたよ」と仰ったご店主が、修業した店などの噂は聞いていたけれど、それらを経験し、更に自分で研鑽研究した結果、現在のお店の蕎麦の形があるんだなぁと納得した。各工程ともとても手間の掛る、言うなればスペシャル自家製粉に週の前半を費やすから、金・土・日が営業日というのも、致し方ない頷ける営業形態なのかもしれない。 



お店の建物や設え、漆器具・細く繊細で蕎麦の感触を堪能できる箸や小皿にいたるまで、すべてご主人が吟味し、或いはデザインしたという。女性にも蕎麦を楽しんでもらえるよう意識して作った“というだけあって、シンプルでいながら、細部までお洒落で素敵だ。次回は、もっと朝早くの到着をめざし、女性同士のランチと洒落こむことにしよう〜っと。



おまけ・・・
 帝釈天ざる蕎麦? 
この日は、「日曜庵」すぐ横の柴又「帝釈天」へも、お参りに行ってきた。あっ、それそれ、あのぉ…ほれ、“矢切の〜ぉ渡ぁしぃ〜”も・・・ね。
こうして腹ごなしにいろいろ見て回った中に、面白いものを発見。それは、参道を抜け、二天門から帝釈天に入って正面の「帝釈堂」と「本堂」を結ぶ渡り廊下にあった彫刻だ。


なんでも帝釈天のみどころの一つは彫刻で、特に、帝釈堂内陣の外側にある十枚の胴羽目彫刻は、仏教経典の中でも最も有名な「法華経」の説話を彫刻したものらしく、関東大震災に遭って一旦は彫刻材を焼失したものの、大きな欅(1枚板の大きさは、ふすま大)をなんとか調達し、大正末期より昭和九年に至る十数年の歳月を費して完成したと解説されていた。のだが…。



柴又帝釈天 渡り廊下彫刻.jpg

解説とちがう場所のこれ↑が、何なのかの説明は、見つけられなかった。でも・・・面白くって・・・気になって・・・。私には、男性二人が向かい合って、燗酒&蕎麦をやりつつ話こんでいるように見えるぅ。もてなす側の男性のざるは既に空になり、竹の網目が彫り込んで・・・あるように見えた。客人方の蕎麦?は、まだたっぷりと残って、右側の女性は「さてもぅ、熱いお茶を入れたものかどうかなぁ」と、ニコニコしつつ話を聞いているようなぁ…。ということで、想像力の逞しい私が勝手に作話暴走しそうなので・・・この彫刻についてご存知の方、誰か教えてくださいませ。


■その他参考
柴又帝釈天・大客殿は(※1)東京都選定歴史的建造物(選定番号48)に指定される。題経寺諸堂内及び二天門の建築装飾彫刻は、葛飾区の登録文化財となっている。

東京都選定歴史的建造物とは、東京都景観条例に基づいて選定される建造物で、建築後50年を経過した歴史的価値を有する建造物(ただし文化財は除く)で、景観上重要なものを選定しており、建築当時の状態で保存されていること、外観が容易に確認できること、も基準になっている。神田「まつや」(選定番号41)や「かんだやぶそば」(選定番号39)など、須田町にある界隈の名店も選定されている。

 次項有ブログ内 神田「まつや」東京都選定歴史的建造物のくだり・・・
記事へ
 次項有ブログ内 神田「やぶそば」東京都選定歴史的建造物のうだり…記事へ





■住所
葛飾区柴又7-13-2 ■電話03-5668-0084 ■営業日金・土・日・祝 ■営業時間11:3018:00(売り切れ仕舞い) ■アクセス京成金町線「柴又駅」下車徒歩5分。北総公団線「新柴又駅」下車徒歩15分。JR小岩駅より京成バス(金町行)に乗り20分程、「柴又帝釈天」下車徒歩3分。
JR金町駅より京成バス(小岩行)に乗り10分程、「柴又帝釈天」下車2分。目標となる柴又帝釈天裏の駐車場から、道を渡った路地2軒目。

posted by 笑門来福 at 17:13| 東京 ☀| Comment(6) | TrackBack(0) | 江戸川・葛飾・江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月21日

西葛西「識義」
鶏卵繋ぎ蕎麦

蕎麦仲間のソバスキーさんから、「西葛西駅から近いところに、新しい蕎麦屋が開店しましたよ」と、情報をいただいた。場所を詳しく教えて頂くと、西葛西「豊川」の眼と鼻の先、180m程しか離れていない。イナサワ商店プロデュースで、日本一蕎麦の売れている立ち食いの名店西葛西「やしま」からも350m。こりゃぁ〜是非とも覗いてこなくてはっ!と、祝日の昼過ぎに出掛ける。


西葛西「識義」外観.jpg
広々として真新しい店内は、全てテーブル席。4人掛け×2、2人掛×9、ちょっとした個室には、7〜8人掛けられそうな大きなテーブルが1つあった。厨房4名、花番3〜4名の陣営で、この715日にオーナーの名前「識義」を冠して、オープンしたばかりである。


まず腰を下ろすと直ぐに、ジャニーズばりのうら若きイケメン花番さんが、やや緊張の面持ち(不慣れ?な)で、よく冷えた蕎麦茶を丁寧に運んでくださった。残暑厳しい中の配慮であろう氷が浮いて……ん?あれ?よく見ると丸抜きが数粒、氷と一緒に浮き沈みしている。おぉ〜、期待が膨らむ。 


蕎麦前
 いきなり、吟嶺立山(お燗と常温あり)¥600-×3合をぬる燗でお願いした。燗酒は、この酒一色のみ。冷酒も一の蔵¥700-一色のみ、ビールは、ハートランド¥600.一色のみ。という、なかなか興味深いラインナップ。他、焼酎は3種類あった。そうそう、今流行りの?ノンアルコール飲料、キリンフリー\300-や、日替わりフレッシュジュース2種類各600.-、やミルクセーキ(これって、懐かしいなぁ…。)¥400.-なんていうのもあって、飲まない人にも楽しみがあるかも。


西葛西「識義」豆腐とお通し.jpg
 

信州安曇野産 おぼろ豆腐¥400-
何かのパックに入っていた感じ?プリンのカップを、カポッと逆さにしたような形になっているぅ。思ったよりもあっさりした風味。
手前は、お通しの青ねぎの胡麻ドレッシング和え

 





西葛西「識義」 出汁巻き玉子.jpg


だし巻き玉子¥700-
茨城県牛久市奥原町長沼養鶏場で、のびのび育った鳥に産ませた玉子をつかっているそうだ。玉子をよぉ〜く溶いているようで白みがかった均一色。表面も中も均一に火を通してあり、全体にしっかり固めの仕上がり。所謂、江戸前蕎麦屋のどっしり甘い玉子焼きではなく、やや甘で、大人しげな出汁。大根おろしが添えられ、香草のトッピングあり。


 

西葛西「識義」 わさび菜.jpg 



わさび菜漬け¥500-
安曇野の本当に辛みの生きた物をつかっているとご説明いただいた。そぉ・・・ピリリと爽やかだぁ。 





西葛西「識義」鴨焼き.jpg
 
鴨のねぎ焼き¥1200-
合鴨農法(合鴨を水田に放して、雑草や害虫を退治させることにより、農薬・除草剤・化学肥料を一切使用しないで育てる完全無農薬米栽培。合鴨の排泄物が自然に肥料となり、安全で美味しいお米を育ててくれるそうだ。この方法で育てた、米もお店のメニューに検討中だそうだ)で、同時に育てていた?働いてもらっていた?合鴨を、香ばしいねぎも添えて焼いたもの。(そうかぁ…あの鴨をたべちゃうのかぁ…と、東京で生まれ育った軟弱者は、身勝手にもふっと思うのでありました。)粗挽き胡椒が強く効き、柔らであっさりした仕上がり。これまた、トッピングされた香草がさわやか。




鶏卵繋ぎ蕎麦蕎麦汁
■        そして薬味
何と言っても注目したいところは、鶏卵繋ぎの蕎麦ということ。 “個人名を冠して新しくオープンしたお店”との情報を得て、伺う前に私が勝手に思い描いていたのは、蕎麦打ちが好きで好きで、趣味が高じてとにかく自分の打った渾身の蕎麦を出したいという店。蕎麦打ちが身近な私のまわりには、このパターンの新規オープン店が圧倒的に多い。それに今、東京近郊の蕎麦打ち教室での主流は、水捏ねということもあり、“新しい店=水捏ね”の式が、いつの間にか頭に固まっていたのか。いくつかの老舗などにみられる鶏卵繋ぎは、私の頭の中で、山芋繋ぎや、フノリ繋ぎ、オヤマボクチ(雄山火口)繋ぎ、豆乳繋ぎと同じような位置づけになっていたのかもしれない。


ということで、席に通されて品書きの蕎麦の説明書きを読むやいなや、ひょっとして何処かの老舗の流れ???、ヒントは無いものか???と、あちこちをキョロキョロと眺めまわした。ついには、その後、側に来て下さったオーナーに「修業先は、どこなんですか?」と伺ってみることに。 

すると、西葛西の駅の反対側、元ダイエーや現スポーツセンターのあるあたりに、以前「小松庵」という蕎麦屋があったそうで、その流れをくんだ蕎麦だと教えてくださった。残念ながら、その「小松庵」に伺ったことはないのだけれど、どうも長く続いた町場の蕎麦屋さんであったらしい。そしてついでに言えば、どうもオーナー自身は、店全体のプロデュースを担当していて、必ずしも蕎麦職人ではないように感じられた。 


さて、
この店のソバ粉は、長野の南澤惣吉商店に北海道産・信州産をブレンド製粉してもらっているそうだ。品書きによれば、50%ずつブレンドした物に割り粉、鶏卵を加え外一で打っているとある。しかし、蕎麦の欄の品書きには、“二八そば”として、せいろ¥800- わさび菜そば\1000.- 辛み大根そば\1000.-、天せいろ¥1700.-との文字が並んでいるので、この外一というのは、田舎そばメニューのことなのか???な?

ソバは、時期や産地、そしてなんといっても気候で毎年毎年、その畑その畑でコンディションが違うから、いつでもこの二つの産地をかっちり50%ずつブレンドしているとか、必ず外一というのはとても厳しい事だろう。この辺りは、「概ねこういう気持ち・・・でいく店」と理解することにした。去年度国産ソバは、散々の凶作であったから、玄ソバ自体が早くに姿を消して、もぅとてもじゃないが手に入らない状況にある。やっとでてきた北海道産の秋新ソバにしたって、まだ限定的だ。私達消費者も、その辺りを納得し心得、時には我慢しなくては、と日頃自分に言い聞かせている。

 
で、田舎せいろ\800.-と、二八のかけそば¥700.-を頂いた。

西葛西「識義」 田舎せいろ.jpg

田舎は、ほんのり黒褐色、やや太めの平打ちである。鶏卵繋ぎだけあって、麺の表面はつるつる、ムキュッとタイトな密度がある。やや弾力のある歯ごたえ、咬んで食べる蕎麦だ。しかしこうなると、どうしても香りは乏しい。薬味には、山葵とたっぷりのねぎ。辛汁は、懐かしい町場のお蕎麦屋さん的?甘みを強く感じた。かといって、濃淳な重たい辛汁ではない。濃い老舗蕎麦屋の辛汁は、目指すところではないようで、オーナーは、今後上質な出汁でもっともっと薄くしたいと言っていた。品の良い和食の辛汁をめざしているのだろう。現在のところは、ちょうどその真ん中と言ったところか。


 

西葛西「識義」 二八かけ.jpg

標準的な太さ。鶏卵繋ぎらしく、熱い甘汁の中にしばらく浸かっていても、まだ喉越しを楽しめるしっかりとした麺である。醤油の色が濃く甘みの強い関東の甘汁。トッピングなしで、小皿にたっぷりとねぎが付く。

そして、卓上にあった塗りのひょうたんに、七色が。品書きの説明では、唐辛子(京都祇園味幸)は、通常(唐辛子・山椒・黒胡椒・白胡麻・紫蘇・青海苔・麻の実)の7種が調合されているものであるが、汁の香りや風味を引き立てるために山椒と、蕎麦の食感を生かすために麻の実を、この店用に取り除いた5味仕立てにしてあるとあった。少し舐めてみると、辛味の少ない爽やかな香りを楽しめる七色(5色?)に感じられた。




蕎麦湯は、釜から熱々さらさらを注ぎ入れるのを見た、完全ナチュラル系。6割がた埋まったどの席にも、良いタイミングで蕎麦湯を出しており、また対応も丁寧で好感が持てる。





雑感
蕎麦マニアの趣味蕎麦ではない。供された蕎麦、たっぷりと盛られた薬味、甘みの強い汁は、案に外して東京下町・町場の蕎麦屋さん的な、古き良き庶民の蕎麦であった。厨房にチラリと見えた働き盛りの人が、束ねたねぎを宙で鮮やかに刻む。水切りのやり方といい、蕎麦屋で修業をした者の所作であろう。店内は、奥のトイレへ繋がる廊下段差に、シアトル産の玄ソバを敷いたクリアケースを埋め込んだり、品書きに口上書きしたり・・・お洒落でモダンなオーナーの思い入れを感じる。そのモダンさと、懐かしい蕎麦が、どう融合されてゆくのか、今後どんどん変化してゆく店なのか。


鶏卵繋ぎと聞いて、真っ先に思い浮かべる私の大好きな神田「や」のような、誰からも愛されるお店になってくれたらいいなぁ…なんてね。ともあれ、オーナーは、近く品書きの大々的な見直しを行うと言っていたし、また訪ねてみたい。 




■住所江戸川区西葛西6-17-12■電話03-5667-2288■営業時間1130150017002200(ラストオーダー30分前)■定休日月、ただし祝日が月曜日の場合は、翌火曜日が休日)■アクセス東京メトロ東西線西葛西駅 徒歩4分


posted by 笑門来福 at 17:39| 東京 ☀| Comment(6) | TrackBack(0) | 江戸川・葛飾・江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月18日

「竹やぶ」阿部孝雄さん@亀有「吟八亭やざ和」

あの「竹やぶ」の“阿部孝雄さんを囲む会”を亀有「吟八亭やざ和」で行うという。この組み合わせは、個性派蕎麦職人最強の師弟コンビじゃないだろうか。これは是非是非伺って、その魅力の秘密を感じ取りたい。企画調整して下さった会Iに感謝しつつ、指折り数えて当日を迎えた。 

 
偶然か、何かのご縁か、伺ったちょうどこの2009年1218日は、43年前、柏「竹やぶ」が開店の産声を上げたその日だそうだ。楽しい偶然も重なり、夢中になってお話を伺った。3時間は、あっという間に過ぎ去って、今となってはブログに公表しても良いものかどうか判断がつかない。迂闊にも阿部孝雄さんにブログの事をお話していなかったので、なんだか内容を載せるのは憚られるのだ。
素晴らしい蕎麦店経営者であり、弟子にあたる後続の蕎麦職人を何人も育てた人であるが、阿部さんその人は、蕎麦職人というよりは、芸術指南役というほうがピタリとくるような魅力的な表現者であるように思った。 


ということで、
御話の詳細は載せないこととし、「やざ和」矢澤登志和さんが満面の笑みで次々と出して下さった美味しい料理の数々を、ご了解を得て撮った写真で紹介し、当日の記録にと残したい。
  ■■続きを読む■■
posted by 笑門来福 at 16:38| 東京 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | 江戸川・葛飾・江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月17日

西大島「銀杏」

路地を入って黄色に色づいている筈の大きなイチョウの木を目指す。が、目に入ったそれは、なんとまだ青々としているではないか。我が家の周りではとっくに色づき、美味しいけれど臭ぁ〜〜い銀杏をたわわに実らせているというのに。あれれ?

 必ずしも立地が最高に良いわけでもないと思うのだが、12時半頃暖簾をくぐると満席。近隣の奥様方?或いはOLさん?と思しき女性占有率が90%超。小洒落た店舗とツボを狙ったメニューで、女性のハートもしっかり掴んでいるのか。制服姿の彼女らは、お昼休みの短時間にササッと来てパッと帰る、昼時の蕎麦屋にとってとても良いお客だろう。私達にも都合の良いことに、すぐに席が空いて待たずに座れた。これ幸いと、ここから直ぐのところでお仕事中のソバリエ仲間に連絡を入れてみる。


  蕎麦前
さて、ソバリエが3人顔を合わせれば、蕎麦前は楽しいソバ情報で事足りる。各地のソバの生育状況やソバ品種、行ってみた新しい蕎麦屋のこと、展開されている新メニューなどを情報交換する。続きを読む
posted by 笑門来福 at 17:07| 東京 ☔| Comment(8) | TrackBack(0) | 江戸川・葛飾・江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月29日

松江「ふる川」

伺ったのはまだ暑い912日。
それなのに、今頃記事アップ。<m(__)m>
 090912ふる川店構え.jpg


少し前、松江「ふる川」のご主人のブログで残念なお知らせを読んだ。蕎麦屋をたたんで第3の人生を考えるという記事だ。とても悲しくなった。伺わなくてはと、暮れなずむ頃お店に向かう。

 
さて、先客が2人いた。聞くとはなしに聞こえてきた会話の内容からして、その2人は美味しいもの好きが高じて、蕎麦屋を食べ歩いている恋人同士のようだった。静かに「美味しい、美味しい。」と言っては蕎麦前をつつき合い、「獺祭」のおかわりをしている。うぅ〜ん、好ましい。素晴らしい。いい感じである。人類皆、こうでなくてはならない。皆こうであれば、日本全国の美味しい蕎麦屋が大繁盛で、世界経済もすぐに持ち直すであろう。こうであるよう夜空の星に願うことにする。

 前フリが長いっ!?ので、そろそろ本題。

蕎麦前

まず、ビール(アサヒスーパードライなんだなぁ(--)、揚げ蕎麦が付いてきます。)をお願いし、良心的な価格設定の品書きに見入る。この店は、品書きを字面で追う以上に、目前に料理が並ぶと“量もたっぷりぃ〜♪”と実感することを知っている。つまり、欲望に忠実にあれもこれもと注文すると、ついつい食べ過ぎる。満腹どころか、腹12分となる。でも、その為に駅から歩いてここまできたのだから、良しとするかぁ〜っとメタボ腹を括り、食べたいものを躊躇なくオーダーする。

 

ふる川出汁巻き090912.jpg
   出汁巻き玉子焼き¥500-
   三つ葉も入って香り良く、甘過ぎない。
   ぷるんぷるんで、添えられた紫蘇と大根おろしが爽やか。


 ふる川桜海老090912.jpg
   桜海老のかき揚げ¥500-
   塩も天つゆも付くのですが
   卓上の抹茶塩でも。
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posted by 笑門来福 at 17:44| 東京 ☀| Comment(15) | TrackBack(0) | 江戸川・葛飾・江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月20日

亀有「吟八亭やざ和」

桜の開花宣言もそろそろか?と思われる宵、誰もが知っている亀有「吟八亭やざ和」に伺った。これまた誰もが知っている柏「竹やぶ」からの流れを感じさせる1階入口を突進し、2階へ駆け上がって石臼の前を通り抜け、店内4つのテーブルと小上がり2卓の混雑状況を素早くチェック。しめしめ、手前のテーブルが一つ空いている。らっき〜っ!とばかりに重い重い木製の戸を、20cmばかりスライドさせて体を滑り込ませニッコリ笑って花番さんに入店を知らせる。席が確保できれば、あとはホッと一息のんびりモードにギアチェンジ。



 
蕎麦前
        まずは、えびす麦酒¥700.-&お通しの蕎麦チップ。直にお燗(鴨鶴¥750-)にすすむと、お通しにコロンコロンと抜き実の入った柔らかめの蕎麦味噌と野沢菜がついた。名物?のめふん(鮭の心臓の塩辛)¥400.-と、鴨の燻製¥1300.-を肴に、ゆったりチビチビとやる。

 吟八亭やざ和お通し.JPGやざ和鴨 日本酒お通し.jpg
  
ビール\700.-と蕎麦チップ  
鴨燻製¥1300 と日本酒のお通し


やざ和 めふん.jpg
   めふん(鮭の心臓)\400.- 
 


       モバQ              モバQ             モバQ

ここらで〆に入るつもりでいる私の心づもりを、あっさりと無視する飲兵衛の連れを、流石ソバリエの連れ?と有難いと思うべきなのか…自制心を乱し誘惑する悪魔ぁ〜っと呪うべきなのかぁ、心が揺れるぅ。
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ラベル:蕎麦 亀有
posted by 笑門来福 at 12:21| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 江戸川・葛飾・江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月29日

松江「ふる川」

ご近所に住む江戸ソバリエ仲間に、「なかなか良い店ですよ。」とお教えいただいたのがきっかけで場所を調べるうちに、あちこちに掲載されている蕎麦の写真を見て「美味しそうだなぁ〜」と伺う機会を狙っていた。上手な写真に写った蕎麦ならば、喉ごしや粉の様子が、ある程度は想像できる。

 
そして「ふる川」のブログ蕎麦屋の戯言を見つけ時々読むようになると、ご主人のホンワリと温かなお人柄が滲み出る文章が魅力的で、これは是が非とも今年中に伺わねばと。続きを読む
ラベル:蕎麦
posted by 笑門来福 at 23:04| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 江戸川・葛飾・江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月07日

北砂「夢想庵」

夢想庵.jpg前回訪問から度々覗いていた「夢想庵」ブログで、粗挽き無篩いの手挽き「せいろ」\1200.-を出していると知り、再訪の機会をねらっていた。

手挽きの手間や時間を考えると、厨房をご主人一人できりまわしている「夢想庵」では、一日の限定数がそう多くはなさそうだし、伺って売り切れでは残念だから、早めの時間に伺うのが無難だろうと思っていた。そんな折、梅雨入り宣言も出て、朝からそれはそれは派手な音を立てて雨が降っていた。間違いなく?絶好の「夢想庵」訪問日!と、訪問決行を決意。
 

いそいそと家人を誘うと「はぁ?たらーっ(汗)」「この雨の日に?たらーっ(汗)」「朝から?たらーっ(汗)」と気のない返事が帰ってきた。「えぇ〜い、機は熟したんだ。このタイミングが分からんか!この虚け者どもが!」と心の中で叫びつつ、笑顔を作って優しく「美味しいよぉ、皆で行こうよぉ」と言ってみた。
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posted by 笑門来福 at 19:21| 東京 ☁| Comment(7) | TrackBack(0) | 江戸川・葛飾・江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月16日

西葛西「そば豊川」

豊川27.jpg東京メトロ西葛西駅徒歩3分、「そば豊川」を再訪した。通りの向かいにあったスーパーマルエツが閉店するということで、最後の日の様子を遠巻きに眺める人の波をかき分けかき分けし、やっと暖簾をくぐる。

入口すぐのテーブル席には、そろそろ夕食の時間ということだったのだろうか、小さな子供連れ8人のご家族が、奥のテーブルには若いグループがそれぞれ陣取り、店内も賑やか。前回伺ったしっとりムードの店内とは、別の店のよう。

厨房には、ご主人と奥様?花番にお嬢さん?の3人であったので、さぞや忙しいことと思い、品書きをゆっくりと眺めて注文のタイミングを計ることに。
 

■蕎麦
今回訪問時には、時間も早いし…ちゃんと?まだ素面。前回伺った時に食べられなかった「飯ダコ」を、まず花番さんに頼むと
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2008年02月24日

北砂「夢想庵」

夢想庵.jpg「玄庵」江戸東京そばの会109期卒業生である植松保幸さんは、2007120日、北砂4丁目の自宅を改修して、「夢想庵」を開いた。あの有名な砂町銀座商店街から更に少し入った路地の奥で、まったくの住宅街と言ってもよい。最寄りの東京メトロ東西線南砂町駅からでも歩けば15分強と聞いていたので、気にはなりながらも、なかなか伺うことができずにいた。ところがつい最近、眺めていた都営バスの路線図で、最寄りのバス停「北砂4丁目」には、複数系統が頻繁に通っていることがわかった。それではと春めいたお天気に誘われて、地図を片手に、砂町銀座商店街見物も兼ね向かってみることに。 

さて店の前に立つと、木の肌合いがまだ新しい手彫りの看板に、店主の夢が詰まっているように感じられ、なんだか胸が熱くなった。なんといっても店名が「夢想庵」なのだし、お腹もすいているのだから、こちらまで夢見る気分になるのだ。

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2007年11月09日

西葛西「そば豊川」

豊川27.jpg
東京メトロ西葛西駅、南口ロータリーの東京三菱銀行の角を左に曲がって50mほどの左側に「豊川」はある。駅前とはいかないが、駅近で、それなりに好立地だ。2005年5月9日そば専門店として開店。店舗の間口は狭いが奥行きが広く、雰囲気が居酒屋風ではあるものの意外にもゆっくりできる。テーブルが4卓で、全24席。この夜は、厨房内の店主、若い花番の二人陣営であった。場所柄か二人ともに、気さくで親しみやすいオーラを強力に発散しており、酔客としては気後れせずホッとする。これは店主が蕎麦屋を開店する以前に、10年間お好み焼き屋を営んできたことによるものか。

■蕎麦前まさかまだ飲む気か?と思いつつ、国権¥500.-、七重郎¥840.-、飛露喜¥1000.-、を順にお願いしてみる。どれも福島県のお酒で、すっきりと透明感があるのに濃密な旨味があり、それでいて飲み飽きしない。この辺りで「国権」を飲ませる店は珍しいのではないだろうか。
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2007年09月25日

西葛西「江戸切りそば やしま」

■住所江戸川区西葛西6-14メトロセンター2番街■電話03-3675-1461■営業時間月〜金6:30〜21:00、土6:30〜20:00、日7:00〜18:00、祝7:00〜20:00■アクセス東京メトロ東西線・西葛西駅 高架下 やしまかきあげ蕎麦.jpg


1979年10月1日西葛西の駅の誕生とともに、「やしま」は創業された。都内屈指の立ち食い蕎麦店。

名物と言われているのが天ぷら。厨房奥で、それこそ次から次へとドンドン揚げている。回転の良い混雑時に入店すれば、天ぷらも熱々サクサクの揚げたて。天ぷらの具材を手きりにすることで、食感を大切にしているそうだ。なんと天ぷらのテイクアウトもある。

信州からクール便で直送された石臼挽きソバ粉使用の生そばは、(
ソバ粉高配合と店は言う)細切りで仕立ててあり、カウンター内で茹でてだす。蕎麦切りの売り上げ量東京一。ということは、多分日本一、いや蕎麦切りと断りを入れれば、世界一かもしれない。メニューの一番人気は、「かき揚げ天そば」¥350.-、全売り上げの40%を占めるということで、私もいただいてみる。

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posted by 笑門来福 at 06:04| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 江戸川・葛飾・江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする