2006年から始めたこのブログの最初の記事も越後屋さん、私が蕎麦好きになった原点ともいえるお店でもあり、2016年初春は越後屋さんが相応しいかと…気持ちも新たに正月蕎麦を頂きに伺った。
店内の鏡餅
■■蕎麦前
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まず、恵比寿ビールで新春を寿ぐ。あてに初荷の独活。天ぷらが200円で、きんぴらが150円だって、安いよねぇ〜嬉しいよねぇ〜。だから両方お願いした。シャキシャキ歯触りも美味しい200円の独活天ぷらに、たっぷりの大根おろしと2人分きちんと天つゆを付けてくれるんだから、もぅ申し訳なくなっちゃう位に有難い。きんぴらの味付けも美味し〜ぃ。
次いで、〆張鶴「純」純米吟醸(何合呑んだかは…内緒にして…)と、やり烏賊煮470円に進む。
■■蕎麦
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変わり蕎麦の名店でもあるので、1月の品書き「みかん切り」にしようかな…と迷いに迷ったけれど、壁に貼られている3代目故坂場正則さんの描いた品書きに誘われて、「王子のたぬき蕎麦」と「王子のきつね蕎麦」をお願いする。
こっくりと甘辛く煮込まれた牛蒡やこんにゃくが、狸の甘汁に旨味を増しており、深〜い味わい。
大好きなとろろや生湯葉が入った狐も、江戸前の甘汁と細く美味しい蕎麦とのバランスがよく、本当に素晴らしい種物に仕上がっていて、気が付けばあっという間に完食。
■■お年賀
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そばに関連する浮世絵が集められた素敵なカレンダーと七色をくださった。
1月 木曽街道六十九次の内 守山国芳
2月 不和名護屋雪棹 沢村田之助 豊国
3月 青棲二階之図 初代豊国
4月 三題拙高座新作 市村家橘 芳幾
5月 夜鷹と夜売りそば 三代豊国
6月 源氏絵 敷初蕎麦 芳虎
7月 葛西三角そば屋の図 石渡江逸
8月 東京名所図会 蕎麦の転覆 三代広重
9月 花街模様蘇色縫 豊国
10月 墨田川続弟法界坊 中村歌右衛門 北洲
11月 うどん屋市兵衛 豊国
12月 四十七士最後の軍議 芳年
家に帰って12月までペラペラ捲ると、初めて見た7月「葛西三角そば屋の図」石渡江逸が、どうにもこうにも気になった。昭和6年発表の版画である事から、もしかしたら現存する蕎麦屋かもしれないと思い、不思議な店構えからどんな蕎麦を出しているのかと、確かめずにはいられない気持ちに。葛西三角辺りの地図と睨めっこし、さっそく調査開始した。描かれた場所は特定できたが、残念ながら蕎麦屋を廃業し業種を変わっておられた。しかし、保管している覚書があるそうで、関わりのある蕎麦打ち名人の名前もでてきた。お正月に貰ったカレンダーから出た「点」「点」「点」が、蕎麦が繋ぐ面白そうな「線」になるようだったら、また石臼の会ブログでご報告しようかなぁ。蕎麦って面白い。
この石臼の会ブログで、越後屋寄席開催ご案内記事を隔月で毎回あげているのに、越後屋さんのお蕎麦を楽しんだ訪問記事は、ここの所 載せそびれていた。ズルズルしちゃぁ〜いけないなぁ…と思いつつ…ついついだった。お年賀の事も有るし、今回は載せられて良かった。ホッ。
■住所北区王子本町1−21−4 王子「無識庵 越後屋」別館2F■電話03-3900-5904■アクセスJR京浜東北線/東京メトロ南北線 王子駅 徒歩8分■営業時間平日昼11:30〜14:30 夜17:15〜21:30/日祝日昼11:30〜15:00 夜17:00〜21:30■定休日水・第3木曜日■寄席開催日時奇数月第二木曜・18時開場、19時開演〜21時頃迄(要予約)
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