2008年06月09日

平成20年度江戸ソバリエ シンポジュームに行ってきた。

2008江戸ソバリエシンポジューム.jpg2008年6月8日(日)お茶の水・明治大学リバティータワーで催された 江戸ソバリエ・シンポジュームに、行ってきた。6回目を迎えた今回のテーマは、「六官で味わう」ということで、3部構成された内容は、どこをとっても知覚を刺激してくれる旨味のある話であった。

 シンポジューム詳細
日時:平成20年6月8日(日)
   開場1230  閉会1640
会場:千代田区神田駿河台1-1
            明治大学リバティホール

入場料:1500

ご挨拶:千代田区長 石川雅己


第一部:講演「武蔵野の水と緑と寺と蕎麦」
    天台宗浮岳山深大寺 執事長 張堂完俊

第二部:平成20年度江戸ソバリエ認定講座説明会

第三部:座談会「江戸蕎麦の 暖簾ひきつぐ 心意気」
    茅場町長寿庵4代目 吉田博昭
    巴町砂場5代目 萩原 昭
    更科堀井9代目 堀井良教
    神田まつや6代目 小高孝之
    かんだやぶそば5代目 堀田康太郎
    司会「酒めん肴」編集長 大槻 茂

個人的には、第3部の老舗5店(茅場町長寿庵・巴町砂場・更科堀井神田まつやかんだやぶそば)の御出汁のひき方や材料の違いの話が、面白かった。

びっくりしたのは、巴町「砂場」のまず甘汁の出汁とりをして、詰めて詰めて作る辛汁の出汁の話。「まず、辛汁ありき!」と思い込んでいた私には、衝撃的。会場のどよめきからして、知らなかったのは私だけではなさそうだが。それに伴い、昆布と節の話にもなり興味深く聞いた。

時代時代で違ってきた原材料の味や、その時代の要請する味を、老舗としてどう考えるか。変わらないものを見定め、守るものと変革するものを、蕎麦や汁を通して、時代の子供でもある現在の店主が、どう表現してゆくか。これはそのまま、今を生きる店の姿勢でもあるのだと感じた。時代に淘汰され生き残ってきた老舗の自信もあるのだろう、彼らの説得力のある遣り取りには、頷かされることが多く、あっと言う間に時間が過ぎてしまった。

 
蕎麦の話を胸いっぱい聞いた私は、蕎麦を一枚手繰って帰りたかった。しかし、なにせ明大界隈の蕎麦屋は場所柄日曜定休が多い。かき曇る不安定な梅雨空を恨めしく眺め、同行の妙齢の?美女3名さまがお召しになっている和服に雨を落とすわけにはゆかぬと、日曜も営業の「かんだやぶそば」までお茶の水の坂を下って行くのを躊躇っていると、あの須田町交差点からすぐそばで“秋葉原無差別殺傷事件”のあったことを知る。

 
同日同じような時刻に、シンポジュームで“蕎麦はいいなぁ〜。日本に生まれてよかったぁ。”と呑気に喜びに浸っているそばで起こる悲惨な事件。細く長く繋がるお蕎麦のご縁で、私たち蕎麦好きオジサンおばさんに何ができるのか。開会の辞で聞いた実行委員長の「国おこし」の言葉が耳に残る。国が活性化され魅力的になれば、人の気持ちも…。なんと言ってもソバは救荒植物だから、荒れる日本を救ってくれるかもしれない。ソバの花言葉通り「あなたを救う」。なんとかやれるといいな。

 次項有江戸ソバリエ シンポジューム 2008511日予告記事を読む

 次項有「石臼の会」ブログ内、深大寺執事長 張堂完俊さん関連記事を読む 

 次項有かんだやぶそば 2006年6月18日の記事を読む


  

posted by 笑門来福 at 00:03| 東京 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | ■「耳学」いろいろと薀蓄を | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
シンポジュームの報告ありがとうございました。
わたくし土曜・日曜と新潟・津南・秋山郷・屋敷温泉・蕎麦食い旅行がありまして・・・なぜかいつも予定が入っていてシンポジューム欠席です。 旅行は天気もよく 温泉に浸かり、少しお酒を飲み・・・。
蕎麦談義に夢中になり、日曜は津南にもどり、長野・小布施の蕎麦屋・そして帰路につく、ハードな旅行でしたが、蕎麦が美味しかった。
Posted by 興味津々 at 2008年06月10日 19:45
興味津々さま

蕎麦と温泉っ!極楽ですねぇ。羨ましいです。
蕎麦友と一緒だったら、
蕎麦談義も大きな花が咲いたことでしょう。

シンポジュームは、今回も面白かったですよ。
という訳で、一緒に行った友人が今期受講したくなったと言っていました。
とても優秀な方で、蕎麦打ち&他の料理もとてもお上手なので
敏腕ソバリエがまた一人増えることでしょう。
Posted by 笑門来福 at 2008年06月11日 17:56
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック