2007年09月12日

「そば」が語る伝統の味

小林尚人.jpg「そば」が語る伝統の味
        ―日本の食文化が生んだ蕎麦


         小林尚人著
 
         文芸社(税込み¥1050.-)


『自然の恵み、古里信州の味「そば」とのかかわりを大切にした生き方を願ってきた
…(あとがき)』という、そばを愛する著者がその思いの一端をまとめた一冊。
タイトルには「伝統の味」とあるが、内容は“味”に限ったわけでもなく、ソバの歴史から、作物としてのそば、そば粉、作り方、栄養、食べ方、風習・文化、海外の事情までと多岐にわたっている。著者の幅広い見識が生む文章は軽妙でおもしろく、その一方、文献も豊富に引用され安心感もあり、そばファンの視点でまとめられた「そば大百科」といった趣。
折々に目や耳にとびこんでくる断片的な情報を総覧できる本とも言える。そばファンなら目を通して損はない一冊である。

 

そば(ここではそば切りのこと)は、日本の食文化によって育まれたもの、だから、舌先で味わう味と共に、味の背景にある日本文化の味も、探って欲しいと願っています。」とは、著者の言葉。

江戸の「粋」の概念について造詣も深く、その文化的な背景をも含めて、蕎麦をこよなく愛する著者は、我が「石臼の会」会員。同好の輩必読の書。


 目次 
第一章  ソバの歴史と特異性
第二章      信州のソバ風土記
第三章      ソバ粉事情のいろいろ
第四章      そば切りのこと
第五章      旨い「そば」は栄養バランスが抜群
第六章      食文化にみる手打ちそば
第七章      茹でる
第八章      旨味を引き出す汁
第九章      薬味
第十章      そばの食べ方よもやま
第十一章 そばにまつわる世間話

posted by 笑門来福 at 08:13| 東京 ☔| Comment(5) | TrackBack(0) | ■「脳学」レポート&著作物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
著者は、「石臼の会」会員でありながら(・・・水臭いではありませんか・・・)
会の内に内緒でこの本を出版なさっておいででした。
が、私ひょんなことから発見してしまいましたので、
ブログ記事とすることを、ご了承いただきましての本日記事掲載です。
Posted by 笑門来福(#^.^#) at 2007年09月12日 11:42
 さすが小林さん,これまでの薀蓄ある発言を聞いていると,この方は相当そばのことを研究されているなぁと感じていました。今後とも,そばのこと,教えてください。
 ところで,この本は,図書館にもあるのでしょうか。
Posted by たけじん at 2007年09月12日 20:53
早速アマゾンで購入しました。これが私の初アマゾン!
ユーズドで、著者サイン入りと言うものです。さて誰のためにサインされたものなのか、こっちの方も楽しみです。
Posted by highland at 2007年09月13日 08:03
これほど広くたくさんの方に愛されている
お蕎麦なんですから、知ることによって
もっと美味しくいただけそう。
考えてみれば、お蕎麦のことを何にも知らない私。
本屋さんで探してみま〜す!
Posted by maimu at 2007年09月13日 18:28
たけじんさま
私の地元の図書館にはございました。そしてちなみに、いつも便利に通っている図書館には、ソバリエ関連の「至福の蕎麦屋」などなどが並んで書棚に収まっています。蕎麦の本が多くなりました。

highlandさま
私もアマゾンでゲットしました。次に著者にお会いする機会に、サインをねだろうと目論んでいます。片倉英統さんのDVD、岩崎信也さんの「江戸っ子・・・」もアマゾンです。ネットショップは超便利で有難いのですが、薄い財布が更にどんどん軽くなっていくのには困っています。

maimuさま
いろいろな分野を深く探求なさるmaimuさまが、お蕎麦のことも読んで食べてを始めるのなら、その道のりの一部にでも(^^)/お供させてください。私でも今までと違った角度で、お蕎麦を見られる気がしてきます。鬼に金棒(麺棒)じゃなくって・・・笑門来福に笑い袋・・・でもなくて、なんだろう。兎に角、良さげに思います。
Posted by 笑門来福 at 2007年09月14日 05:52
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