2007年07月10日

日本橋「手打蕎麦 むとう」

むとう店頭.jpg■住所東京都中央区日本橋室町1-13-1 梅村ビル1■電話03-3231-7188■アクセス東京メトロ銀座線・半蔵門線三越前駅/東京メトロ東西線・都営浅草線 日本橋駅/JR東京駅からは、「メトロリンク日本橋(無料巡回バス)」で56■営業時間11301430/夜17302100、土曜12001600■定休日日・祝・第24土曜


 
日本橋三越本店の向かいの路地を入って直ぐにある「むとう」。日本橋界隈の蕎麦屋で、女性一人でもランチに入りやすい店・・・と私は思う。店内は全部で16席ながら、小さく区切られた個室風のしつらえで、落ち着ける。少々後ろめたい平日の昼酒も、店員の方々の控えめで細やかな心配りで、気持ちよく頂ける嬉しい場所だ。

むとう蕎麦.jpg■蕎麦 開店して6年目、この日の品書きの裏には、“蕎麦は信州産地粉を手打ち十割にて、つゆは2年物枯本節の出汁にて”とある。半年ほど前にお邪魔した折は、茨城の常陸秋ソバと国内の他地域の蕎麦粉のブレンドでの十割蕎麦と聞いた。その季節時々納得の行く産地・蕎麦粉銘柄にこだわっているのであろう。

修行僧を連想させる風貌の店主武藤鋭介さんは、聞くところによると心の中で蕎麦粉と対話しながら打つそうだ。「呼びかければ反応がかえってくる。そば粉との共同作業。」禅問答のようだと思った。麺は、比較的細打ちの多い一茶庵系の他店と比べると、やや太めとも思える中太打ち。お汁は、一茶庵系
+何か・・・。洗練されしっかりとした仕事を感じさせるのに、押し付けがましさを全く感じない、十割ながら品の良い蕎麦に、ぴったりのお汁だ。返しの醤油は、最初に修行先の一茶庵から少し分けてもらったそうで、継ぎ足し継ぎ足し甕にいれ、醤油の角を取る工夫をして使っている。照明の落とされた寛ぎの店内とは、まったく異空間の明るい厨房内に、ピカピカと清潔なステンレス製の道具類が目に付いた。
むとう山椒.jpg
薬味は小皿に、ねぎ、大根おろし、本山葵。卓上薬味のラインナップには、よくある七色とともに山椒がある。「鴨料理に力を入れているので、七色よりも山椒の方が合うと思って」と、店主の言葉らしい。そういえは以前、目の前で半レアに焼いてくれた鴨は、九条葱とあむとう薬味.jpgいまって、山椒との相性がバッチリであったことを思い出す。〆張鶴・純と鴨焼き、あぁ〜鴨の季節が待ち遠しい。


 

■蕎麦湯 さてまた、この店で有名なのは、むとう湯棒.jpg“湯棒”だろうか。店主考案の“湯棒”は竹製で、棒というよりはお匙のような形、湯桶の上に乗せられてやってくる。唯の釜の湯とは違うポタージュ状にとろりと濃度のある別製の蕎麦湯なので、この湯棒でかき混ぜてから、その全てを味わうべく湯桶から蕎麦猪口へ注ぐことになっている。最後の“蕎麦湯”も誠にもってご馳走なのだ。

東海道中膝栗毛で、空腹ながら懐具合の寂しい弥次さん喜多さんが、蕎麦屋に入って食べた蕎麦だけでは満たされず、蕎麦湯の御代わりを、あれやこれやと言いながむとう湯桶.jpgら、もっともっとと貰う話を思い出す。蕎麦の量が少なく、美味しい蕎麦湯を出す店に行くと、弥次さん喜多さんよろしく蕎麦湯の御代わりも欲しくなる。ここ「むとう」でも、せいろの量が上品な間食モードなので、お昼御飯として蕎麦を食べる時などは、とろりとした特濃の蕎麦湯を、飲み干して“完結“ということなのかもしれない。次回は、是非甘味もいただきたい。

 

お品書き 冷たい蕎麦せいろ¥1000.- 辛味大根¥1200.- 胡麻だれ¥1200.- ぶっか¥1300.- そばとろ¥1500.- 天ぷらせいろ¥2400.-

※蕎麦大盛¥500.- 甘味わらび餅¥500.- 季節のアイス¥500.- つまみ焼きのり¥300.- そば焼みそ¥500.- 板わさ¥600.- そば豆腐¥700.- 出汁巻玉子¥900.- 合鴨陶板焼き¥2200.- 天ぷら盛合せ¥2800.- 予約のコースお昼のコース¥4000.- 夜のコース¥7000.- 飲物生ビール(恵比寿)¥600.- 瓶ビール(恵比寿)¥600.- 八海山¥900.- 龍刀¥1000.- 〆張鶴・純¥1100.- 久保田・万寿¥1800.-

posted by 笑門来福 at 13:46| 東京 🌁| Comment(6) | TrackBack(2) | 千代田・中央・港区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。ブログ「旅好き美味いもの好き」のnahoです。
「むとう」の記事をトラックバックさせていただきました。
どうぞよろしく〜
Posted by naho at 2008年06月09日 10:48
nahoさま

コメント&トラックバック有難うございます。
「むとう」行っていらしたのですね。
あの湯棒、なんてことないと言えばそれまでなんですけれど、
私は結構便利だなぁ〜と思っています。

今後ともどうぞよろしくお願いします。
Posted by 笑門来福 at 2008年06月09日 15:45
ありがとうございま〜す!
Posted by naho at 2008年06月09日 16:25
nahoさま
こちらこそ、ありがとうございます。
Posted by 笑門来福 at 2008年06月11日 17:59
笑門来福 さんへ
「手打ち蕎麦 むとう」行きましたよ。何度も。
チョット値が張るのが玉にキズ。
しかし、蕎麦を手繰ってみれば納得。
出し巻き卵は、無理を言ってハーフサイズを注文。
これも極上でした。喉がゴクリと鳴ります。
笑門来福さんの記事は、あの無上観を思い出させて
また店に行きたくなる。チョット罪な記事です。
またの投稿を楽しみにしています。
今宵はこれにて御免。
Posted by 宵待庵 at 2009年01月20日 17:18
宵待庵さま

コメント有難うございます。
「むとう」何度も行ったとの事。いいですねぇ。
そうそう、ちょっとお高い!!のが難ですね。
昼、ランチの時間ならば「手繰って行こう」となりますが、
夜は、ちょっと財布と相談し「今日は、やめとこうかぁ」となることも。
ゆっくりできて、いいんですけどねぇ…このご時世ですし、ねぇ。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
Posted by 笑門来福 at 2009年01月21日 09:28
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日本橋の蕎麦屋「むとう」でランチ
Excerpt: 以前 1人晩御飯しようとこのお店に入ったらなんかわかんないけどお断りされちゃって ちょっぴり気分を害したので、行く気がしなかった店。 だけど、だんながお昼に行ってみてわかったのだが、夜は7000円コー..
Weblog: 旅好き美味いもの好き
Tracked: 2008-06-09 10:40

日本橋の蕎麦屋「むとう」でランチ
Excerpt: 以前 1人晩御飯しようとこのお店に入ったらなんかわかんないけどお断りされちゃって ちょっぴり気分を害したので、行く気がしなかった店。 だけど、だんながお昼に行ってみてわかったのだが、夜は7000円コー..
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Tracked: 2008-12-03 21:49