金曜日は、蕎麦打ち仲間と行く栃木蕎麦紀行の第1日目、雀のお宿という隠れ宿に泊めて頂き、庭に生えてくる筍を掘るという企画、もう3年目になるのかな。締切時点での参加者は3名、車ではなくJRで行く予定でしたが、その後増え、5名になり、車となります。
その車はいつものI氏の車ではなく、川崎のHさんの車となります。Hさん、土曜日は仕事があり早帰りされるため、車となった模様。朝8時半荻窪駅集合となり、8時開店のはなまるうどん吉祥寺南口店で天ぷら1品無料のうどんを頂き、荻窪駅に向かいます。
と、ここで財布を忘れたことに気付きます。Mさん宅で掘った筍をお土産でもらうことになっており、リュックを大きなものにした際に移動するのを忘れたのです。定期券と小銭ははあるのでうどんを食べるのに支障はありませんが、旅行に行くのに財布なしはありません。
荻窪駅でスイカ機能付のクレジットカードで現金引き出しが出いないか、とATMで試行錯誤をしますが、どうやら出来ない様子。一人旅なら財布を取りに帰るしかありません。メンバーにお借り出来ることになりますが、財布を持たずに旅行に来るとは、と笑われます。
川崎から車で来るHさん、いつも荻窪駅に素直に入れたことがない、と言っていたのが、今回は素直に入れ、一番乗りだった模様。2番目に着いたのがSさん、私が3番目、荻窪駅から一番近いI氏が最後に着きますが、それとて定刻前、定刻に荻窪駅前を出発します。
外環から東北道、高速を降りて、道の駅ごかでトイレ休憩をし、一路結城のZ庵を目指します。これは昨年の栃木蕎麦紀行で立ち寄ったお店で、とても良かったので、今年も行こうとなったのですが、昨年欠席の私とHさんは初めて、かなり期待しています。
ここで今夜の宿を紹介してくれ、前日から先乗りしているMさんと待合せです。Mさんからかなり迷ってお店に着いた、という連絡が入り、お店近くに行くと、お店のある細い道の入り口で待っていてくれます。道が分かりにくいからというご配慮、ありがとうございます。
結城「Z庵」 2種もり蕎麦
お店に着くとまさに開店時刻11時の2分前、店前やお店の名前の由来であろうフェアレディZの写真を撮りながら、11時ちょうどにお店に入ります。席はL型カウンターとテーブルの2ヶ所で、箸セットはカウンターに4、テーブルに3が用意されていますが、カウンターを詰めて、5人で厨房を囲みます。カウンター前の腰壁上にはお酒の瓶がぎっしり、恥ずかしがり屋の店主の様子が見えないよう簾の役目をはたしているようです。蕎麦はお店のHPから予約が必要で、2種もり蕎麦が予約済です。5名中2名が運転手、お酒の注文はおろか、つまみの注文もせず、蕎麦が出てくるのを待ちます。まず、お茶が出て、蕎麦猪口上に薬味が乗って出てきます。薬味のネギの切り方が綺麗でしょう、とMさん。薬味皿にはZ庵という文字が刻まれており、器も特注、その皿に載っているネギ、多分真空切りをされているのでしょう、確かに綺麗です。そして、徳利に入れる汁は1つ1つデジタル秤で計量しながら注ぎ入れています。これもMさん曰く、60ML程度入るレードルがあれば、いちいち計量する手間が省けるので、プレゼントしようと探したそうですが、見つからなかったのだそう。そして、蕎麦茹でに入りますが、1度に茹でるのは3人前までで2回に分けて茹でるので蕎麦を出すのに時間差が出来ます、と店主からお断りが入ります。そして、水切りに時間を掛け、黒竹のざるへの盛り付けもとても丁寧、結果として、お店に入って1枚目の十割蕎麦が出て来たのは18分後、2枚目の全粒蕎麦が出て来たのが更に13分後、ととても丁寧な蕎麦茹でです。蕎麦はどちらも旨く、私が好みなのは十割蕎麦、蕎麦の香りは抜群です。ソバはご自身の畑で作ったものか契約農家から買ったもの、石取り、磨き、粒揃え、殻割り、製粉はいずれも手作業だそうで、蕎麦を茹でることにも時間を掛けているということのよう。今もレーサーをされており、レーサーも蕎麦屋も趣味の延長線上のこと、こだわるとこんな蕎麦屋が出来るということでしょう。我々が蕎麦を頂いていると、4名というお客さまがご来店、車を停める場所を聞いて、テーブル席が2席しか空いていませんのでウエィティングとなります。お支払いをしてお店を出て、ウエィティングの方々と世間話。ご近所にお住まいの方だそうで、よく来られるようです。こんな蕎麦屋は近くに1軒ほしいものです。
Z庵を出て、結城物産センターに寄る計画でしたが、高速を降りて国道4号線を北上中に気になった牡丹寺に行くことに計画変更。ここからは2台での移動、後続車が来ないのでしばらく待機。電話でやり取りすると、Z庵を南下したT字路で左右に別れた模様。
はぐれた時は原点に帰る、ということでそのT字路に戻リますが、合流出来ず。近くにある工場の名前を聞いて、グーグルの地図で検索、そこで待っていてもらって、ようやく合流。後続車をちゃんと確認せずに進んだ先頭車が良くない、ということになるのでしょう。
程なく牡丹寺に到着。それほど期待せずに駐車場に車を停め、案内看板もない中、境内に向けて歩いて行くと牡丹らしき花が見えてきます。西国四十四ヶ所巡りを意図した石標の並んだ石の道が見えてきます。いろんな色の牡丹が満開、それにも増して石道、庭が素晴らしい。
本堂も立て直したふうだし、お墓も改装しているようで、よくある苔むした墓石が見当たりません。中でもルイビトンを模した石の物入れにはびっくり。樹木の新芽の緑も鮮やかで、何より夏日となっている好天がありがたいことです。30分程の滞在で次へ移動。
メインは蕎麦屋と筍掘りですが、酒屋にも寄りたいもの。どこかいい所がないものか、と探して、水曜日の朝メンバーに候補として連絡した小山駅近くの西堀酒造へ向かいます。ネットでの酒蔵見学予約が期日間近で出来ず、I氏が電話予約をしてくれています。
駐車場に車を停め、小用を済ませ、売店で酒蔵見学セット(ヘッドカバー・靴カバー・試飲用の蛇の目・リーフレット)を購入、定刻に貸し切りの酒蔵見学がスタートとなります。案内してくれるのは時が来れば6代目となるであろう西堀酒造の御曹司のイケメン。
醸造科出身かと思いきや何と文学部出身。門を入ってすぐの瓶詰め場、英国からスレートを輸入して作った新造蔵、関東大震災でひび入った煉瓦造りの煙突に始まり、創業145年、創業当時からある木造蔵を巡ります。蒸し場に入ると日本酒のいい香りがご挨拶。
もう仕込みは終わっていますが、湯を沸かし、これから絞るための吊るし用の袋を煮沸殺菌している様子。宮水は創業当時から変わらないもので、中硬水だそうです。フィルターを3つ通して酒造用に使っているそうです。この水を汲みに来る方もいるそうです。
ここからはヘッドカバー、靴カバー着用となり、醸造蔵に入ります。そこはひんやりとしていて、琺瑯の大きな樽がズラリと並んでいます。中に冷水を通す腹巻きがしてあり、表面が結露している樽があり、中身が入っていて、貯蔵中ということのようです。
麹室、酒母室は今醸造年度の作業は終了。急な階段を登り、今醸造年度最後の発酵樽を上から覗かせてもらい、ヤブタの絞り器周りには酒の粕がそこかしこのパレットの上に山積みになっています。ということで酒造りの工程を分かりやすく丁寧に説明してくれます。
酒造りのことも気になりますが、彼女がいるのか、何故蔵に入ることになったのか、とか他に聞きたいことはあるのですが、聞くことは出来ないまま見学は終了。売店に戻って、お楽しみの試飲です。キットの蛇の目は使わず、プラカップでの試飲となります。
5名中2名が運転手、飲んで旨かったお酒を運転のお礼として買うことをお約束して、門外不出の純米吟醸から味見をします。香り、味共私の好きなお酒です。次が西堀という愛山錦を使ったお酒、これも旨い。次が同じ西堀ですが、短稈渡船という珍しい酒造好適米。
次が門外不出の純米大吟醸、これは2杯しか取れず、最後はおりがらみとなります。酸化は進んでいるはずですが、ひね感はありません。最後の日本酒は愛米魅金の純米という黄金色のお酒、後は日本酒ベースのゆず酒、うめ酒、これも悪くはありません。
試飲した3名でお礼のお酒、今夜飲むお酒を選び、清算をするとかなりの予算オーバー、自分のお土産用に買う方もいて、かなりのお買い上げとなり、西堀酒造を後にします。当代5代目のお話を聞くためにはもう一度来たいし、何よりも6代目のことが気に掛かります。
旧4号線を南下、本日2軒目の蕎麦屋わたなべさんに向かいます。店主の渡辺さんとは先日の蕎麦会でお会いして、今回エントリーしたお店。ただ経路、お腹の都合で割愛するかもしれないとしていましたが、1軒目が蕎麦だけなので寄ることになります。
野木「わたなべ」 生粉打ちせいろ・せいろ・玉子とじそば
昼に蕎麦を食べ、夜にはバーベキューが控えていますので、ここも蕎麦のみ。生粉打ちせいろ2枚、せいろ2枚、温かいのも1つと玉子とじそばも注文します。空の蕎麦猪口を1つ頂いて、せいろをシェアします。本日の蕎麦粉は茨城桜川産の常陸秋、私は生粉打ちの方が好みです。空いた蕎麦猪口で玉子とじそばもシェア。温蕎麦も悪くはありませんが、蕎麦だけとはいえ、全てを食べきるのは至難です。11時から19時まで中休みなしの通し営業、お客さまの少ない時間帯となったため、帰り際にご主人と少しお話をし、店を後にします。
次はバーベキューの食材探しで道の駅に寄ります。まず鮎屋さんに寄り、人数分の鮎の塩焼き+1を発注。焼き上がる間に買い出しです。売り場には野菜は豊富ですが、肉類は少なく、お茶も2リットルはありません。Mさんの買い物メモを見ながら、買い進めます。
あれも食べたい、これも食べたい、とリストにないものを買い過ぎないように注意します。会計をして、もう焼けたか、と鮎屋に戻りますが、まだもう少し時間が掛かる、というので、屋外にある園芸コーナーで鉢植えの花を見ながら、時間を潰します。これもまた楽し。
鮎屋で最後の1尾が焼き上がるのを待っていると、Mさんが来て、稚鮎の唐揚げ2袋を自費て買って世間話。売れ残っていた稚鮎の唐揚げをプレゼントしてもらいます。もう店を閉める時間だったせいもあるでしょうが、巧みなMさんの話術がなせる技です。
買ったものをMさんの車に入れて、他の4人は近くの温浴施設に移動します。シニア割引があるのでここは個別払い。銭湯より安い価格で手足を伸ばして湯に浸かり、汗を流せるのは格別です。早めに上がって、1Fの売店でレモンサワーを飲みつつ、みんなを待ちます。
ここまでの支払いと残高の確認、ぴったりと合うとレモンサワーが余計に美味しくなります。I氏が出てきて、そんなのあるの? ほらあそこに。いつもは運転手ですからここで飲んだことはなかったのですね。風呂上がりの1杯を飲み終わる頃、みんなが揃います。
日が落ちる前に雀のお宿という隠れ宿に到着。宿のご主人が先程までいらしたそうで、もう少し早ければお会いしてご挨拶が出来たのにねえ。日が落ちる前に刺身用、焼き用の筍を掘り、バーベキューの準備です。火は先に着いたMさんが起こしておいてくれます。
焼くのに時間が掛かりそうな骨付きソーセージから焼き始め、ピーマン、椎茸、グリーンアスパラが並び、焼き上がっている鮎の塩焼きはそれらの上で温めます。Hさんが持ってきた家に転がっていたというシャンパーニュで乾杯します。銀杏は封筒に入れて電子レンジでチンします。
先にペンチで割っておくと弾けることはないのですが、どこにあるか分からない、とおっしゃるので弾けるタイミングが焼き上がり時です。一部はバーベキュー網上で焼こう、かとも思っていましたが、全部を電子レンジを使って焼き上げ、紙皿の上に出します。
猫が2匹、私達も混ぜて、と猫なで声を上げながらすり寄って来ますが、Mさんから餌を与えないように注意されます。つまみは筍の刺身、えぐみはありますが、これが春の恵み、えぐみを楽しみましょう。稚鮎も紙皿の上に出ていますので、公費で買えば良かったようです。
焼き筍は網上から火の横に下ろし、網上のスペースを広げます。のらぼうのお浸しはMさんのお手製。鮎の塩焼きも温まったようです。美味しいので食べたくはありますが、値段的には高価です。道の駅ではなく、スーパーであれば安く買えそうな気もします。
昼間西堀酒造で買ってきた日本酒も開栓、25年度古酒で限定12本のうちの1本で、ちびちびとやるにはいい酒です。お燗をすると燗上がりがしそうな予感がありますが、それはお預けです。ピーマン、洗っただけのそのままですがタネがないのは不思議です。
5本セットだったのが決め手で買った骨付きソーセージもいい焼き上がりです。空いたスペースにはMさんが道場横のうかいの豆腐屋さんで買ってきた油揚げ、コースでしか出ない品物を特別に分けてもらったものを焼き、ゆず味噌を付けて頂きます。これは旨い。
いつもの例会でおぼろ豆腐の代わりに買えるのなら買ってほしい1品です。椎茸、グリーンアスパラが焼き上がり、玉ねぎや長ネギを焼き、10枚入りだった豚肉の生姜焼きも焼き始めます。Mさんが買っておいてくれたビールも頂きます。珍しいビールでしたが写真がありません。
安納芋、椎茸の軸もいい焼き上がりです。管理人の奥さまが作ってくれた寿司が配られ、焼き筍も剥いて、切り分けて頂きます。これは抜群に旨い。最後の日本酒も開栓して、飲み干したのかどうかは分かりませんが、21時半頃にバーベキューは終了となったはず。
その後屋内に入っていろいろと話したであろうに、これも記憶がありません。多分電池が切れて、うたた寝モードになったのでしょう。携帯にあるのは23時半頃の写真が2枚だけ。その後敷いて頂いた布団に移動し就寝、翌朝は7時に起床、二日酔いではないようです。
highland記
参加できなかったけれども、楽しませて貰いました。
あと、西堀酒造さんの記述が詳細で面白かったです。
私としては、6代目の御姿写真も拝みたかったですぅ。
西堀酒造さんの御酒、買うならどの銘柄がおすすめでしょうか?
写真はもう少し充実させたいと思っています。
西堀酒造の6代目イケメンもその時までお待ちください。
来年は是非試飲され、お好みのお酒をたくさんお買い上げください。