2015年10月28日

松江「中国山地蕎麦工房 ふなつ」


蕎麦で繋がる諸先輩に「出雲蕎麦を手繰りに行きます。絶対に外してはいけないお店を教えてください。」と伺ったらば、皆さん詳しい詳しいっ!次々ポンポンお店の名前があがった。それらのお店中で、取り分け熱心に熱く語られたのが、こちらのお店。小学館・山本おさむ漫画「そばもん」にも掲載されている。


1638年信州松本から国替えで移封した折に、この地に蕎麦切りの技術を伝えたと言われる初代松平直政から、大の蕎麦好きとして茶会席の一品に蕎麦を用いたり、蕎麦を題材とした俳句を詠んだりした7代治郷(不昧公)を含め、9代斉貴までの松江藩主松平家菩提寺である「月照寺」は、蕎麦の旅なのだから取り分け是非寄ってみたいと思っていた寺だ。そこから歩いて数分のところに、「ふなつ」があると知り、「月照寺」周辺散策とセットで計画、約一か月前からお店を予約して伺った。



蕎麦前

予約時間の10分前に到着。私たちに用意してくれたテーブル以外は、40席はあろうかという店内が、ほぼ満席。入店時行列はできていなかったけれど、ランチ時のサラリーマンと思しき人たちが席を空けると、すぐそこに次のお客が来てはササッと割子蕎麦を手繰って去り、客の回転が非常に良い。


そんな忙しい蕎麦屋さんで、昼から蕎麦前をいただいていいのか…少し迷ったけれど、渡された品書きを見ると「そば前に」と、わざわざカテゴリ分けしてある中に4種類の料理名があり、更に地酒などの提案もあるっ!!!

ほぼ昼時しか営業していないこの地方の蕎麦屋(伺った店、調べた店)さんでは超珍しく?いや正確に言うと伺った中で初めて酒を前提としていると感じる品書きだ。更に更に「どうかそばで幸せな時間を!」とまで書いてくれているではないかっ。

一応 酒も置いてますけどね、それはね、ね、わかるでしょ的な夜の早い蕎麦屋生活3日目の私は、これが心底嬉しかった。


そんな風に言ってくれるのだから御厚意に甘えて、蕎麦前もいろいろ頼んでサササッと手繰ろう。


松江ふなつ 地ビール.jpg






 松江地ビール

 「ピルスナー」

 「ヴァイツエン」

  各¥550.-×2





ついついグビッと飲んじゃって、写真が後に…なのでグラスがほぼ空。

もぅちょっとビールを飲みたい者もいて、キリンラガー中瓶¥550.-も。



松江ふなつ 揚げ蕎麦掻き.jpg




 「揚げそばがき」

  ビールのお通し







外側サクッと内側もっちり、柔らかさも丁度いいっ。揚げられて濃くを増したソバの味と添えの大根おろしと合いまった美味しさも堪らない。


嬉しくなって「そば前に」のカテゴリの中の全種類×4をオーダーしちゃう。




松江ふなつ 玉子焼き.jpg 


蕎麦屋の「たまご焼き」¥450.-

ほんのり甘い出汁の効いた玉子焼き。乗せられた大根おろしが嬉し美味しい。






松江ふなつ 王禄.jpg松江ふなつ 豊の秋.jpg


すぐ、超辛口無濾過本生純米酒「王禄」\950- 300ml×3

あのねぇ、上撰「豊の秋」も美味しいですよ。美味しい、でもね、今日まで3日間、どこの店でも(蕎麦屋も居酒屋も)すべての店で甘〜い「豊の秋」だったので…。私が「王禄、嬉しいっ」と言ったら、女将が「どこから来てくれたの?」「地元の人より東京の人の方が良く知っている銘柄かもしれないわねぇ」と笑っていた。

次に銘柄指定せず「燗¥550.-をお願いします」と言ったら、出てきたものがまたまた上撰「豊の秋」だったので、もう一度「王禄」に戻って、結局「王禄」×3になってしまったという訳。「豊の秋」美味しいですよ。美味しいですけど、やっぱり今回飲み過ぎましたぁ






松江ふなつ やわらかとうふ.jpg


しろうさぎ三上さんの「やわらかとうふ」¥350.-

しっかりとした大豆の風味。木綿豆腐の甘やかな大豆風味を持っている絹ごし豆腐って感じ。旨っ。国産丸大豆100%と国産天日干し塩のにがりで作った豆腐との事。






松江ふなつ 鴨.jpg 


「鴨のオイル焼き」¥950.-

大好きな鴨だから、美味しいのは当たり前なんだけれども、添えられた野菜にも鴨の旨味や油が染みて、う・し・し。




松江ふなつ マイタケと穴子天ぷら.jpg 


奥出雲の「マイタケと穴子の天ぷら」¥850.-

舞茸は勿論、穴子、海苔、薩摩芋、紫蘇などボリューム満点。


どれも パクパクっと食べ、グビグビっと飲み、のんびりはしなかったけれども大満足。我が家の第二の胃袋達(万が一にも注文したものを食べきれないような事があれば失礼なので、全てをペロリと平らげてくれる息子達を旅の道連れにした)は、こういうガッツリスピーディーな飲み方の方が嬉しいようだ。







蕎麦

悪天だからか店の前に行列は現れない物の、店の入り口に混み具合を覗きに来る人が度々いるので、余りゆっくりしていては申し訳ない。そろそろ〆蕎麦へ進むことに。


店内にソバの詳細が貼ってあり


「今日の製粉」

氏名:橋本○○

地域:奥出雲街大谷

品種:常陸秋そば

色:黒色

玉太り:中

粒揃い:b

含水率:14%前後


だそうだ。






松江ふなつ (28).JPG


割子蕎麦¥1500.-







松江ふなつ 千鳥割子.jpg


千鳥割子蕎麦¥980.-






松江ふなつ 釜揚げそば.jpg


釜揚げ蕎麦¥750.-






松江ふなつ 麺.jpg


むほほほほ。繋がっていなくとも味わい深い蕎麦の香味を大切にするご主人渾身の蕎麦だけに、味が濃い。脱細く長くの製麺。特に特に、釜揚げ蕎麦っ!美味しい〜〜癖になっちゃうぅ。



ランチに漏れなくついてくるソバスイーツも魅力で、この日は大福のような「蕎麦ぜんざい」が。

蕎麦猪口に予め注がれた蕎麦湯は、蕎麦と一緒に運ばれる。





■住所島根県松江市外中原町117-6■電話0852-22-2361■営業時間11:00-15:00(こちらも売り切れ御免。早めの訪問が吉)■定休日■アクセス松江市営バス北循環線外回り 月照寺入口下車すぐ。/松江レイクラインバス 四十間堀川下車数分。


posted by 笑門来福 at 17:41| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ⇒島根・鳥取 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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