2015年08月07日

千住東「蕎麦 あららぎ」


718日(土)千住東「蕎麦 あららぎ」を、阿部淳子さんが満を持してオープンする!との報が入り、喜び勇んで伺って来た。


気温36度カンカン照りの昼少し前。待ち合わせをした北千住からの道を急げば、凛とした藍地に「蕎麦 あららぎ」と白の染め抜きが涼しげな暖簾が見えた。期待値が上がる。



認定証.jpg 




江戸ソバリエ協会は、オーナーが江戸ソバリエのお店を江戸ソバリエ認定の店[Edo Sobalier FriendlyShop]として選定登録している。そんな認定店がまた一つ増えたのだ。










品書き

「本日のお蕎麦は、夏の新蕎麦です。産地 豊後高田(大分県)」とある。必要十分な提案の中から、蕎麦の膳「せんじゅ」に即決。


まずは、よく冷えたグラスに注がれたプレミアムモルツ中瓶600円税込×2本で乾杯っ! ホッと一息ついて、小皿のナッツをつまみつつ、ほぼ満席のコンパクトサイズながらも品よく落ち着いた風情の店内をキョロキョロ。




かわいい蕎麦の膳「せんじゅ」  1800円税込

小箱の膳(卵焼き・蕎麦豆腐他)+天ぷら盛合せ

+せいろ or かけ蕎麦


かわいい蕎麦の膳「あずま」   1200円税込

小箱の膳(卵焼き・蕎麦豆腐他)+せいろorかけ蕎麦


かわいいせいろ蕎麦orかけ蕎麦   600円税込


かわいい天ぷら盛合せ       900円税込


かわいい蕎麦大盛り        200円税込





蕎麦の膳「せんじゅ」


美しい花番さん(阿部さんのお嬢さん)が、最初に運んでくれた「小箱の膳」。

この日は、蕎麦屋でつまみたいものの勘所を、キッチリと押さえて盛り込んである魅力的なラインナップ。

さぁ、この姿を見て日本酒へ。




北千住「あららぎ」小箱.jpg北千住「あららぎ」日本酒.JPG




「焼味噌」には、香ばしい胡桃や揚げ丸抜きが入り、旨味のコクと柔らかな塩味のバランスが優しい。「そば豆腐」は、粗く砕かれたソバの実が滑らかなそば豆腐の中に見え隠れする、ツルンと酷暑の中でも嬉し美味しいご馳走だ。茄子やオクラと小海老に添えられた甘目の蕎麦味噌は夏野菜にピッタリ。ほんのり甘い出汁巻玉子も、蕎麦屋の常道。


続いて、運ばれるのは「天ぷら盛合せ」と思っていたら…




北千住「あららぎ」天ぷら盛合せ3.jpg北千住「あららぎ」天ぷら盛合せ1.jpg




薄い衣をサクッと纏ったアスパラとサツマイモ。始めから天ぷらの全てをお皿に盛り込むのではなく、揚げたてをサッとつまんで順じ運んでくださるではないですかっ。(思わず、松翁さんの太い眉毛を思い出して、ちょっとニヤリ)



お次に、ぷっくりプリリンとした大きな海老をハフハフと口に頬張り「おいひ〜」となり、舞茸に椎茸、シシトウと続く。もぅ〜左手に冷たい日本酒、右手に天ぷらを運ぶ箸を持ち、夢中で至福の時を過ごすことに。気が付けば最後に残った敷紙に、油染みも残らない超絶カラリ揚げテクだった。天ぷらも素晴らしいっ。


北千住「あららぎ」天ぷら盛合せ2.jpg北千住「あららび」なみなみ注ぐ.jpg



結局、「東洋美人」「〆張り鶴」「阿部勘(※阿部淳子さんのお店だけに、阿部勘を、阿部さん自ら表面張力っ!まけまけいっぱいに注いでくださる姿に、おやじギャグ?!的な喜びも感じましたぁ)」を、我々ついつい杯が進む。




いよいよ、〆の蕎麦。

品書きには「せいろorかけ蕎麦」と選べることになっている。

ということで、4人で伺ったこの日は、せいろ2枚 と かけ蕎麦2杯をお願いし、シェアすることにした。





まず、せいろ。

本当に丹精で美しく1.3oに揃った粋な姿。のど越し爽やか、江戸前の蕎麦。蕎麦猪口を4つ頂き、仲良く手繰る。



北千住「あららぎ」せいろ.jpg





北千住「あららぎ」せいろ2.jpg



この軽やかな蕎麦の姿も勿論だけれども、辛汁も「上野藪蕎麦」の流れを感じる濃くやや甘で、円やかに調和したものだった。開業10日目のお店のものとは思えないしっくりとした安定感。修行を積んだ人の丁寧な仕事が、隅々にゆきとどいている。






続いて、かけ蕎麦。

2人前を4人で分けると知って、小丼4つに分けてくださった。本当に有難うございます。



北千住「あららぎ」かけ.jpg



同じく美しい細打ちの蕎麦は、熱々のお汁にもまったくヘタっていない。三つ葉のトッピング、柚子皮の香り、旨味のしっかりとした江戸前の甘汁も、あぁ〜美味しい。なんて素晴らしい。






北千住「あららぎ」ソバシャーベット.jpg




最後に嬉しい 蕎麦後(そばぁ〜と・でざ〜と)に、ソバシャーベットを出してくださった。


ソバの香ばしいさもあって、サクサクさらり、さっぱりすっきり美味しいぃ〜っ。


 



ご馳走さまでした。






鵜の会の生え抜き

実際にこの細打ちの美しく整った蕎麦を手繰れば、歩んだ道筋に合点がいって、ナルホドねぇと思わざるを得ない洗練されたものだった。経歴が生んだ味だから、やっぱりその事もチラッと書かせて貰いたい。


サラリと「蕎麦打ちは…20…●年前に始めました」と仰る。江戸流手打ち蕎麦 鵜の会に所属していた阿部さんは、ついに2010年福井大会で全麺協4段位に認定された。そば打ちを職業としない「素人」を対象にした段位取得の道から、やがて開業をめざすプロとして修行の道を選ぶことになったのは、もともと日本料理の先生で、美味しい蕎麦前を作る技量も持ち合わせていたからかもしれないと想像した。


始めの修行先はプロ養成の手打ち蕎麦教室もある「梅島藪重」。江戸流手打ち蕎麦「鵜の会」顧問であり師範の石井啓之さんのお店だ。次の修行先も鵜の会最高顧問 鵜飼良平さんの「上野藪蕎麦」。ここまでくると、鵜の会の生え抜きの店と言ってよいのでは?


そして、この日実際に手繰って感じたのが、お人柄。厳しさに対ししなやかに構えながらも、きっちりと自信と責任を持って、誠実な仕事をする方だという事が、出された蕎麦から伝わってきた。

だからこそ、オペレーションを考えたうえで、品書きの提案はミニマムに、営業時間も短く、まず自分で満足できる水準を守れるスタイルにしているようだ。






打ち場を見せて貰う

「蕎麦打ち場も立派だっ!」と江戸ソバリエ仲間から時前情報を貰っていたので、恐れながら…と手の空いた頃合いの阿部さんにお願いしてみた。すると優しく「粉だらけですけど、どうぞ。どうぞ。」と、2階へ案内くださった。


ほんとに立派っ!広い。立派な鉢が2台。壁に掛かった麺棒が20本はあるだろう。



北千住「あららぎ」麺棒.jpg




その中で「仙千代」の麺棒を見つけて、「おぁ〜やっぱり、かっこいい」「写真を撮ってもいいですか?」とパチリ。



北千住「あららぎ」仙千代麺棒.jpg



2台の延し台と、2枚の切り板も、全てが超本格仕様。何故2セット?と思っていたら、「もしかしたら、その内に蕎麦教室もするかもしれない」と優しい阿部さんは、ニコニコ笑っていろいろ説明してくださった。


いやぁ〜本当に美味しかったし、楽しかったし、家に近かったらランチに日参してしまう、きっと、いや絶対。




■住所足立区千住東2-19-16■電話03-4296-9458■営業時間(暫くの間)11時〜16時(※蕎麦無くなり次第終了・ラストオーダー1530分。)■定休日(暫くの間)水木■アクセス京成「関屋」徒歩3/東武スカイツリーライン「牛田」徒歩3/水上バス「千住」徒歩6/東京メトロ日比谷線・千代田線東武鉄道・つくばエクスプレスJR「北千住」徒歩7



posted by 笑門来福 at 16:32| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 荒川・足立・北区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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