まだ寒い2月末のことだったか、江戸ソバリエ協会ほしひかるさんから「菊谷さんが、いよいよ3月5日から対馬在来を打つそうだ」と情報を頂いた。対馬在来は数年前にマダム節子の新春蕎麦の会で手繰ったことがあるけれど、しかし、プロの打つ対馬在来はどんなかな?食べてみたいと思った。けれど、なかなか伺う機会に恵まれず、もぅ流石にないだろう…でももしかしたら?もしかするかもしれない…と、恐る恐る菊谷さんに電話してみた。すると「あぁ〜ちょうど明日、対馬在来を’吟‘で出そうと思っています」と。
さっそく伺うことに。
■■対馬在来種
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中国大陸雲南省あたりから朝鮮半島を経て、縄文時代後期に日本に伝わったとされるソバの実。
参考:希少品種・在来種について
- 現在、天保ソバも四方を海に囲まれている山形県の「飛島」で、交雑しないよう「天保そば保存会」が厳重管理中。(天保ソバ=天保時代、福島県大熊町大川原地区 横川助治郎さんは、子孫が飢饉に備えられるようソバの実を天井裏に残した。1998年母屋改築の際、その6俵のソバの実を発見。その後、山形県・鈴木製粉所 先代の鈴木彦市さんを中心とした関係者の努力の甲斐あって、160年余り眠り続けていたソバの実の発芽・栽培に成功。尚、福島県大熊町は、現在、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、全町民約11,500人が町外への避難生活を余儀なくされており、町役場についても約100km西に位置する会津若松市に移転をして行政運営をしている。)
- その他、鹿児島「大隅在来」、徳島「祖谷在来」、島根「出雲在来」、長野「奈川在来」「番所在来」「黒姫在来」「戸隠在来」、福井「大野在来」などが在来種として知られる。
■■蕎麦前
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まず、「多摩の恵み」ピルスナーとお通しの蕎麦チップ
くぅ〜〜〜〜っ美味しいっ!しっかり旨味。私好みのすごぉ〜く美味しいビールだったので、調べてみた、西多摩で作られていた地ビールを石川酒造がよみがえらせたもので、ドイツスタイルベースの下面醗酵。地下天然水で仕込み濾過も加熱処理もしていないものだそうだ。
菊谷さんでお馴染みの一皿
左上から時計回りに:鯖燻製 きんぴら 昆布と椎茸かえし煮 チーズのかえし漬け ぬか漬け
他には、
春きゃべつ 玉子焼き(中)
燻製の盛合せ 天ぷら盛合せ
鴨せせり・鳥砂肝 スナップエンドウ・舞茸
レバー 空豆・海老
■■蕎 麦
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いよいよ、唎き蕎麦。
1枚目 栃木益子産二年熟成常陸秋そば
1.5o太さのソバの香味のしっかり乗った美味しい蕎麦。バランスの良い常陸秋そばの味わいを濃縮した感じ。ストンと滑り落ちるのど越しも好きだぁ。
2枚目 栃木産 二八常陸秋そば
1.5o太さで、1枚目と品種は同じ。ほんの僅かに外皮と粒々感のある粒子が増えたようけれど、二八になった分で、のど越しそのまま。
対馬在来
やはり1.5o太さの美しい細打ちの蕎麦。色は前の2枚よりホンの少し濃い色。野趣あふれる香りが最初にフゥッと来ては直ぐサッと退き、まろやかな味とモチモチ食感が残る独特の蕎麦だった。想像していた濃厚さや荒々しさではなくて、寧ろやさしい円やかなイメージ。
数年前にマダム節子の新春蕎麦の会で手繰った対馬在来は、更科部分が多い微粉の粉だったので、色白のツルリとした蕎麦だった。そんな事もあるし、製粉の仕方もまったく違うこたった2回の体験で、対馬在来種本来の味がどうのこうのと言えるほどに、何か分かった事はない。
■住所豊島区巣鴨4−14−15■電話03−3918−3462■営業時間平日・土曜日・祝日 11:30〜21:00(中休み無し)ラストオーダーは20:30。売り切れ次第閉店。■定休日火曜日。但し、祝日や「4」のつく日は営業し、翌週の月曜は振替休業■アクセス都電荒川線 庚申塚駅徒歩3分 /都営地下鉄西巣鴨駅徒歩8分 /JR山手線巣鴨駅・都営地下鉄巣鴨駅 徒歩10分
手打ちそば「菊谷」HP
お店のブログ「蕎麦滑降」
※こちらは、石臼の会ブログ右端「気になるプロのブログ」カテゴリから、巣鴨地蔵通り「手打ちそば 菊谷」ブログという表示で、常時リンクをはっているところと同じ。