昨年、同じ目的の旅の前日になってインフルエンザに罹患し、ドタキャンした前科の持ち主である私。「なんとかリベンジしたいっ!」と待ちに待ち「今年こそはっ!」の気持ちで、小学生の遠足前夜のように高ぶって眠れず…当日朝、予定よりもずっと早く5分咲きの桜に見送られるようにして東京駅に向かった。
さて、無事参加者と合流できて、蕎麦好き同士の楽しい旅の始まり。全ての段取りをしっかり組んでくれている mさんに、ハグレないようについて行けばモレナク美味しい蕎麦に有りつけるのだ。まずは、今年3月14日に開通したばかりの上野東京ライン 東海道本線小田原行きに乗り込む。車窓に流れる景色を楽しみ、蕎麦談義に花を咲かせつつ何度か乗り換えて、無事藤枝に到着。
天気予報通りの花曇り? あれよあれよと雲行きが怪しくなってきて、駅から徒歩25分程の「ながいけ」への道を急ぐ。
我々の到着を待って、ご主人が暖簾を出し店を開けてくださった。
■■蕎麦前
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すぐに運んでくださったのは、ほうじ茶、小鉢の蕎麦味噌と角皿の5点盛り。それから、こんにゃく。これに、静岡「志太泉」吟醸をお願いした。
■■蕎麦4種
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さぁ〜いよいよ2年越しの蕎麦。少し前のめりになって、運んでくださる花番さんを待つ。
卓上に、「召し上がり方」の表示。
其の壱…何もつけないで一つまみ
其の弐…塩(モンゴル岩塩)をつけて一つまみ
其の参…そして、いよいよ汁を少々つけて召し上がれ
超粗挽きせいろ
手挽き石臼粗挽き粉に、コーヒーミルで挽いたツブツブの“蕎麦粒”をブレンドして打った蕎麦。モチモチネットリとした、ソバの粒を叩いて叩いて叩いた時に出る粘りが感じられ、それを手繰った時には、プチプチツブツブが口の中で弾けて、ソバそのもの穀物の味が濃醇に伝わってくる。わぁ〜いソバの実の味だ。これが食べたかった!そしてまた、これが繋がって麺になっているのが、凄い。
※曜日限定(予約優先)。別途2日前までの期日指定の要予約。
粗挽きせいろ
外皮付きのソバの実を石臼で粗く挽いた粉で打ち上げた蕎麦。外皮の色が麺に反映されて、ちょっと色黒で野趣豊か。外皮の苦手な私が、時に気になるモソモソ感は無し。
粗挽き十割せいろ
石臼で手挽きした丸抜きの極粗い粉のみの十割。ソバの実の美味しさがしっかり前面に出てきて、とてもすばらしい麺に仕上がっている。素晴らしく美味しい。
※予約を覗き、数量限定。
手挽きせいろ
十割せいろと同じ粗い粉に、つなぎを加えてやや細めに打ったすべらかな食感のせいろ。のど越し良く、手繰るとするりと落ちる。
※予約を覗き、数量限定。
こちら「ながいけ」さんで、昨年私たちは DVD+教則本を合計18セット購入した。(今年は1セット。) 実際にデモ打ちしているのを東京で見せて頂いたり、或いはこのDVD映像を見て、打ち方を知識としては知っているのだけれど、私には同じように打てそうにない。この粒々が細打ちの麺として繋がっていることに溜息がでて、「凄い」と呟いている。
直ぐにこんな蕎麦を自分で打てるようになれるとはユメユメ思わないのだけれど、是非とも度々食べたいと願うので、身近な石臼の会会員の誰かが技術習得をしてくれたらなぁ〜なんてムシの良い事を考えたりも。
■■蕎麦後
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そば豆腐
左:そば豆腐 +フルーツソース
(ソースは日替わりで、この日はベリー系)
右:そば豆腐 +山葵・醤油
日替わりフルーツソースの乗せられたものは、デザートにピッタリ。山葵と醤油のものは、蕎麦前にとても気に入った。クリ―ミーな食感で、しっかりとした大豆の風味を感じる豆腐+ほんのりとしたソバの風味が、とても美味しい。
今回、蕎麦掻が食べられなかったのは残念だけれど、自宅でこのそば豆腐の美味しさを再現できればと、レシピについてアレコレ談義しながらお店を後に、次の目的地 静岡「たがた」へ向かう。
ご案内くださった mさま
Kさま Oさま 本当に有難うございました。
また、次の蕎麦旅もご一緒させてください。
藤枝「ながいけ」
■住所静岡県藤枝市志太5-9-2■電話054-644-8518■営業時間11時30分〜14時30分 ※そばは売切れ次第終了/夜間予約制■営業日木〜日(木は4種類の粗挽きそば中心のメニュー。要予約)■定休日月〜水(月は祝日の場合営業。火・水は蕎麦打ち教室)■アクセスJR東海道線藤枝駅 徒歩20分強
春・夏・冬の利用期間が決められているものの、JR線の普通列車が1回あたり2,370円で1日乗り放題。1人で5回分、または5人までのグループ利用ができる。詳しくは、当該JRのHPで。