■■蕎麦は人をよく繋ぐ
■■ この夏、たまたまフィレンツェの中央市場に行った。何処に行っても習慣で、面白そうなソバ関連品は無いかしらん?と歩き回っている。と、イタリア食材店で働く元気な日本人のお嬢さんが「何故そんなにソバ・ソバ、言っているの?」と。まぁ〜上手く説明できるような理由はなくって、シドロモドロしていたら「私の実家は、蕎麦屋なんですよ」と。「1〜2年イタリアで食材の勉強もして、日本で蕎麦屋をやろうかなと思っています」と。おぉ〜〜っ!蕎麦が繋いでくれる友よ。嬉しくなって食材購入のお世話を頂き、ご実家の屋号を教えてもらい、連絡先の交換を行った。
帰国後、まず教えて貰った場所のチェック。「えぇ〜と??長野県佐久市春日…」ググってみると、ふぎゃ。ゴールドペーパードライバーの私には、秘境だ。→ 誰か運転できる人に連れて行ってもらおうという結論に達する。
更に「何なに?職人館…」ググってみると、うわぁ。こりゃすごい。→ 断然!蕎麦好きの面々で行くのが楽しそうだ、という結論に達する。
そんな訳で、あちこちで蕎麦好きの仲間に経緯を話していたら、日頃尊敬する寺西女流名人が、「職人館北沢さんとは、イベントでご一緒したことがある」と。なんとまたまた、蕎麦のご縁が繋がった。じっくり詳しく話をお聞きすると、「行ったら、絶対楽しいよぉ」と。わぁ〜そりゃぁ、益々もっと早く行きたくなった。
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= 石臼の会で「行こう」と提案するべし。
懐広く菩薩のような石臼の会メンバーは、今回も私の提案を快く受け入れてくれた。そこで、信州蕎麦紀行12人で行くことに。
■■蕎麦6種
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16:20到着の我々12人は、早めの夕食? いや遅めのおやつ?を手繰るために、玄関の前に立った。潜り戸の上に「笑門」とある。なんだか勝手に嬉しい。
既に気配は、夕方だ。東京への帰りの事もあり、全部一気に注文する。ソバ粉は、村内産玄ソバ100%(信濃1号と在来種)の石臼挽き。蕎麦汁の他に、銀葉藻と塩を添えてくださる。
山ぶどうドレッシングのそばサラダ1575円
セロリや赤かぶ、青林檎や紫食用菊(もってのほか?)など色とりどりの野菜が蕎麦(1.5o)の上に乗っている。ほんのり甘酸っぱいりんごの風味を感じるオリーブオイルが蕎麦に絡んで、イタリアンな雰囲気。
そばの実と放し飼鶏卵のリゾット風 1575円
5年熟成のパルミジャーノチーズの深〜い旨味。とても美味しかった。米は芯のないふっくら具合。使う野菜は無農薬だそうだ。ソバの実は何処?
本日の創作そば
韃靼ソバ粉と地粉ゆめかおりを使ったパスタ。青トマトがアクセントになって、ヒラタケやムカゴの入った、ここでしか食べられない全くのオリジナルと思われる。食用菊の鮮やかな黄色が美しい。麺の色は黄褐色ながらも韃靼の苦味は殆ど感じない。苦味の少ない韃靼ソバ粉を生産している長野県小県郡長和町の「信濃霧山ダッタンそば」か? それとも、同じく苦味の少ない北海道「満天きらり」か? 或いは、ゆめかおりが主体で韃靼ソバ粉は、私達ソバリエの為に、ほんのすこしソバ粉をつかってやろうという心遣いか。
御前そば(更科)1575円
更科の透明感とほんのり甘い風味が味わえた。薬味の紫大根も美しい。
職人そば 890円
職人館のスタンダード蕎麦。種物はこれが台になっている。ミッチリと密度の濃い蕎麦。私は5種類の麺の中ではこれが一番好き。
十割そば1365円
最後に出たのが、ひきぐるみ10割。外皮の色が濃いが、細かく挽きこまれていてボソボソ感はなく滑らか。
たっぷりと大きな片口で供された蕎麦湯。大きさの比較のために蕎麦猪口、箸置きに使われていた唐辛子を一緒に並べてみた。
■■食とは!
■■ 職人館のあれこれ
■CHEF'S KITCHEN IN AOYAMA
vol.4「日本古来の滋味の再発見」北沢正和
日時:2013年11月28日(木)
19時〜
会場:CAY 東京・青山 スパイラルB1
会費:10000円
(税・サービス料込、グラスワイン付き)
定員:80名(先着順)
「日本古来の味」。それを支えている生産者も一緒に、日本の食の原点である米や味噌についての話も有り。
当日の献立の中に、蕎麦メニュー1品「信州望月産石臼挽きそばと酥酪(チーズ)の冷たいパスタ風」有り。
申し込みは、ここへ
■秘境めし 1位
2013年3月17日放送、TV朝日「いきなり!黄金伝説。」特別編 絶品秘境めし--では、地元長野県佐久市野菜をたっぷり使い、その季節の食材次第でメニューも変わるという即興フルコース「野にきけ膳」が1位になった。
■こんな本も
「新・職人宣言 」
職人館調理場談義シリーズ
北沢正和/宮本憲一/吉川徹/窪島誠一郎著
「畑で野菜をつまみ食い」
-モノづくりに詩のこころ
職人館調理場談義シリーズ
北沢正和/谷川俊太郎/小室等 ほか著
「山里のごちそう話」
-食・詩・風土再考
職人館調理場談義シリーズ
北沢正和/谷川俊太郎/内山節 著
3冊とも、役場を辞め各地で修行した後「職人館」を開店した北沢正和さんと、共感する人と人、仲間たちによる対談など。地域や自然と一体となった生き方、人間が生きる本質的な意義とは何か、詩人、ミュージシャン、哲学者、経済学者、町長、有機農業を営むもの、そして職人として、それぞれの立場から考え語る。
で、職人館 北沢さんとしては、
健康は食べ物によって作り出されるという意味の「食養」という信念に基づいて料理をしているそうだ。食養のための食材は、「身土不二」・
「一物全体食」・ 「不飽常食」 の三つ。「身土不二」とは、良い土壌(自然の植物、有機肥料無農薬で栽培された物)に育った食材。「一物全体食」とは、一つの生命がまるごと入っているもの、その全体を食べるのがいい。(笑門来福「挽きぐるみソバとかだね。」)「不飽常食」とは、米などのように毎日食べても飽きない食材。(笑門来福「じゃぁ〜やっぱりソバもだ。」)
と、私が一絡げに書くと大雑把すぎる。興味がある方は、是非読んでみてください。対談が主なので、サラッと一気に読めます。ほんのチラッと出てくる染色作家兼女将 北沢啓子さんの本音も「そうそう」「なるほどねぇ」、と頷きながら読みました。です。はい。
■■蕎麦のご縁に感謝
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蕎麦の繋いでくれるご縁に、心よりの感謝。
「行ったら、絶対楽しいよぉ〜」と背中を押してくださった寺西女流名人にも、心からの感謝。12人で…は、先生の言葉が無かったら踏み切れなかったかもしれません。いつも本当に有難うございます。
また、私のこんな我儘に、遠い道のりにも係わらず、笑顔で「行こう」と言ってくれた石臼の会蕎麦仲間とのご縁にも、心よりの感謝。本当にいつもいつも素っ頓狂な私を優しく受け入れてくださり、有難うございます。
■住所長野県佐久市春日3250-3 ■電話0267-52-2010 ■営業時間11:30〜15:00 ※16時以降は予約制 ■定休日水・木(祝日・GW・8月は営業) ■アクセスJR長野新幹線「佐久平駅」から車で約30分/軽井沢から、車で小1時
いつもコメントを有難うございます。
乙女レポート…の間違いでは…???
だらだらと、長いレポートで恐縮です。m(__)m
何か 凄いですね・・・
この度は、コメントを有難うございます。
また、当日も長い長い運転を笑顔でお引き受け頂き
本当に有難うございました。心より感謝しております。
>何か 凄いですね・・・
ほんと、蕎麦のご縁って、何か凄いです。
私、蕎麦に繋がれてます。