一瞬映った蕎麦
おや?日曜庵の「粗挽きせいろ」でしょ?
観た途端に、画像が目に焼き付き、食感や香りが思い出されて、どうしても手繰りたくなった。それに、なんの巡り合せか好都合なことに、今日は金曜日だし!兎に角限定数に間に合う為には、即出発だ。
ということで、
走って に乗り…気持ちは、はや柴又。到着は12時少し前。目当ての1日限定12食「粗挽きせいろ」に、間に合ったか?と、お店に駆け込む。
先客は、1テーブル2名のみ。
く・ふ・ふ ♪ う・しっ・しっ♪♪
■■蕎麦前
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あの粗挽きを!と思って走ってきただけで、蕎麦前の事は考えていなかった。
でも、
でも、何故かニコニコ笑顔の女将(=風貌は、女将というよりも「マダム」です)が、これを運んで来てくださった。「どうぞ。どうぞ」と。何故?暴風雨の日に来た人にサービスかしらん??ご厚意に甘えていいの?
5種類のきのこの小鉢
美味しいなぁ、優し〜い美味しさ。冷たいしっかりとした出汁、火の通り具合の絶妙なきのことお揚げの旨味、秋の食材が素晴らしく洗練されて小鉢に入っているぅ。こりゃぁ…1合…うぁあぁ〜〜〜っと、心が揺れた。
この後、人と会う約束があったので、なんとか踏みとどまるも、心中-残念-ざんねん-残念。
ところで、
映ったあの蕎麦が、こちらの店のものと確信はあったけれど、間違っている可能性も「ゼロ」ではないから、女将(=クドイようですが、風貌は、女将というよりも「マダム」です。でも、マダムというのは、紛らわしいし、花番さんというのも…なので。)に美の壺の話題を振る。「予告?先日放送されたようですね。それを見て来てくださったのですか?」と。ネットの動画で予告チェックをした旨を伝えると「?」な具合だったけれど、撮影時の様子…じつに2日間かかって丁寧に撮っていったとか、話しが膨らんで、11月1日(金)19:30〜 NHK BSプレミアムで放送予定であることも確認できた。
■■蕎麦
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嬉しいっ!
蕎麦を入れた蓋付きの蒸籠、薬味を乗せた錫の小皿、汁徳利といい、これまたお洒落ですねぇ〜。
ほら、やっぱり。これです。
「粗挽きせいろ」1200円
まず、水蕎麦から。
えぇ〜とぉ、もう少し細いかと思い込んでいたけれど、またまた登場のサイズ棒で測ってみたら、綺麗に均等な2o…やや強。しっかりソバの粒が見て取れる。口に運ぶ直前まで水に浸っているからか、太さの割にするりとすべり込む喉越し有り。後から仄かなソバの香りがフッと鼻に抜ける。
続いて、せいろ
水蕎麦と同じ蕎麦だろうな、挽きこまれたソバの甘皮やら粒々が、はっきり見える。2o…やや強。水に浸っていない分、蕎麦の淡緑色が美しい。
そのまま手繰れば、ゆっくりと品よく熟成した穀物としてのソバの香味がふんわり。するりと飲みこむのではなく、香りと味も楽しみたい蕎麦。
現代の下町気質が垣間見える濃く甘みの丸い辛汁につけると、また別の蕎麦の旨味を感じる。良いなぁ〜。
最近流行の「熟成蕎麦」という言葉?考え方?をチラリと。
前にも何度か石臼の会ブログに書いたような気もするけれど、蕎麦の麺に仕立てた後に1〜3日熟成させ、茹であげる熟成蕎麦と…。ソバの実の状態で熟成させて、打った後はすぐ供する蕎麦の2種類ある。
こちらのお店は、熟成蕎麦という言い方はしないけれど、ソバの実を低温貯蔵して年単位(2年以上)で寝かせ、ソバ本来の香りや旨味が乗ってから自家製粉し、打って出す方法をとっているという事で、分類するなら後者に属するのではないか。農家に赴いて入手した手刈天日干の玄そばを、自宅の庭に設営した低温貯蔵庫で保管し、風味を楽しむのが日曜庵流。麺に仕立てる前にも後にも、時間と手間がたっぷりと掛かっている。
そして、この粗挽きなどは、麺に仕立てる為に、教科書で習うような普通の打ち方ではない、工夫がある…ハズ。
(実は石臼の会では、粗挽きの打ち方の勉強会もしたことがある。石臼の会会員には、超超粗挽きをきっちり麺に仕立てることが出来る者有り。万年初心者の私にだって、粗挽きは上手く繋がらない!ということ、普通には打てないということが、勉強会で分かった。)
■■蕎麦湯
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円やかでどこまでも柔らかいソバの旨味をトロケルような舌触りにした滋味深い熱々の飲み物。これもまたご馳走。
東海道中膝栗毛の弥次さん・喜多さんに、この蕎麦湯を飲ませたら…何と言わせた? ねぇ、十返舎一九さん。
石臼の会ブログ内 別の日の 葛飾柴又「日曜庵」 記事
■住所葛飾区柴又7-13-2 ■電話03-5668-0084 ■営業日金・土・日・祝 ■営業時間11:30〜18:00(売り切れ仕舞い) ■アクセス京成金町線「柴又駅」下車徒歩5分。北総公団線「新柴又駅」下車徒歩15分。JR小岩駅より京成バス(金町行)に乗り20分程、「柴又帝釈天」下車徒歩3分。
JR金町駅より京成バス(小岩行)に乗り10分程、「柴又帝釈天」下車2分。目標となる柴又帝釈天裏の駐車場から、道を渡った路地2軒目。