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昨年,文京区本駒込の蕎麦屋「藪蔦」で,自宅新碾き蒸篭(1,300円)を注文した。ここの店は,早朝に店内の石臼で北海道,福島,新潟産などの玄蕎麦を殻ごと挽いたものを用意しておき,お客さんが来た都度,水回しから始めるようで,出てくるまでに10分程度待つことになる。店内に「本手作りお待ちいただきます」の木札が掲げられていた。蕎麦は黒めの10割,きしめん風の平うち麺でボリュームがある。食すと,若干ぼそぼそ感があった。また,食べた後のえぐみ(渋み)が非常に強かった。これが江戸時代の蕎麦なのだろうか。
店主(おばさん)曰く「今日は北海道産の玄蕎麦です。ここでは昔からの蕎麦を出しています。藪系の蕎麦は,本来平うち麺なのです。」
これまで食した蕎麦の中でも,食後にこれほどまでに口の中にえぐみが残る蕎麦を食べたことはなかった。強い印象を受けた。
その後,この味が忘れられず,つい先日もここの自宅新碾き蒸篭を食したが,前回ほどの強烈な印象はなかった。
このえぐみのある蕎麦を出す店は他にないかと蕎麦屋巡りをしたところ,東池袋の「ここのつ」の信州産自家製粉手打ちざる蕎麦(600円)がかなりえぐみのある蕎麦であった。
ところで,蕎麦のえぐみとは何なのであろうか。
ものの本によると,三番粉や四番粉は甘皮を含むので黒っぽくなるが,この甘皮など殻に近い部分は栄養が豊富で香りが高いが,渋みがあり,ぼそぼそとし,食感が悪くなる。そばのえぐみは,この甘皮に由来するものだと言えよう。
それでは,甘皮とはどこの部分を指すのであろうか。
皆さん,蕎麦の種子は外側から殻,アリューロン層(ぬか),種皮,胚乳,胚芽の順になっていることはお分かりだろうと思われるが,蕎麦に関する書物などを見ると新そばの季節に緑色になる種皮が甘皮であるとしているものが多い。しかし,甘皮をたっぷり使って真っ黒い蕎麦を打っている蕎麦屋の店主に言わせると「種皮は胚乳を覆っているもので,甘皮ではない。栗の渋皮は実の方につくが,蕎麦の甘皮は殻の方につく。香りはこの甘皮から出るので,三番粉と甘皮を混ぜているので,香りが良いが,色は黒い蕎麦になる。」とのことである。ここの黒い蕎麦には,えぐみはなかった。
どちらにしても蕎麦のえぐみが甘皮からくるとすれば,玄蕎麦あるいは丸抜きの挽きぐるみで打った蕎麦は,すべてえぐみのある蕎麦になるはずなのに,そうでない蕎麦もある。これはいったいどういうことなのか。
種皮が甘皮なのか,殻の内側が甘皮なのか,殻・アリューロン層・種皮全体を甘皮と称するのか。甘皮とえぐみの関係について,よくわからないことばかりである。
どなたか教えてください。
ところで,highlandさんは,小さな石臼を赤羽で買ったといっておられましたが,場所を教えてください。
「手打ちそば志茂部」というお店なのですが、以前はあったHPがなくなっています。閉店したのかなぁ。
グーグルで「石臼 販売」で検索したら、http://item.rakuten.co.jp/meicho/0284-0902/というのが出てきました。確かに激安です。
私の思い込みでは、勿論前提としてソバの品種や個体差がありますが、外皮(果皮)から渋〜〜い味がしているのかと思っていました。甘皮からは甘味や旨味を感じてます。だから黒い蕎麦というのは、丸抜き+玄ソバのなかで、玄ソバ混入率が多い・・・で、エグミがある、そしてボソボソ感・・・と、思い込んでいました。
昔は玄ソバのまま石臼で挽き篩でふるって、殻を取り除いていたわけですから、本当の挽きぐるみですよね。今、普通は「挽きぐるみ」言っても、丸抜きにしたものを挽いています。玄ソバを僅かに混ぜて挽くから、この玄ソバのところにエグさの元があるんだと、想像していた訳です。
昨年新蕎麦の頃だったと思いますが、例の「野島」で、今は作っていない長野の古い品種(品種名は分からないそうです。)という痩せた玄ソバを20粒くらい貰いました。とてもとてもレアな貴重品だそうです。店主さんは、畑つくりができる時が来たら植えると言っていました。そのレア物を貰って(今も自宅に小さなビニール袋に入れて保存しています。)そのまま噛んだら、これがもぅ〜〜エグかったんです。その前に、少し違う丸抜きを50粒くらいモグモグ食べた時は、ソバの香りと旨味が口いっぱいに広がりエグミは皆無でした。これは、品種の違いかもしれませんが、歴然と違っていたので、てっきり外皮(果皮)から渋みがでているのだろうと思った訳です。
ほんとのところは、どうなんでしょう?
きっと正解は、M先生がご存知のはずです。
この書き込みを読んでいらっしゃらない可能性があるので、メールで問い合わせしてみます。
あとぉ、疑問に思った時が良い機会なので、次の道場蕎麦打ちの時にでも、ハイランドさんかお持ちの方に石臼を持ってきてもらい、M先生に玄ソバと丸抜きをご用意いただき、実験させて貰えるよう頼んでみませんか?面白そうだと思うのですが・・・いかがなものでしょうか?
「ヘタ」とは,抜実でいうとガクがついていた周辺の茶色いものということですが,蕎麦の植物としての生態が良くわかりません。今後は,蕎麦の生態や種子の状況を勉強したいと思います。また,もう少し蕎麦の種子を観察してみたいと思います。
石臼の件,ありがとうございました。いずれ購入したいと思います。
笑門来福さん
「藪蔦」の蕎麦は,まさに「玄ソバのまま石臼で挽き篩でふるって,殻を取り除いた」という昔ながらの方法でやっていると言っておられました。(ここは,かなり古い店でした。)
私も「野島」で,店主から戸隠の玄蕎麦を一掴み渡され,そのまま口に含みましたが,えぐみはありませんでした。また,玄蕎麦を挽いた十割蕎麦(戸隠ではない)もまっくえぐみはありませんでした。
えぐみはどこにあるのか・・・。
ご提案の道場で実験してみるのも,いいかも知れませんね。
清酒ブランドになったM先生の道場には既に立派な石臼が設置済です。先日もそれで自分で挽いた丸抜挽きぐるみを通常の二八ブレンドに追加して外二で打ちました。次回の目玉にしましょう。それと蕎麦侍さんの透明蕎麦もね。
たけじんさん
自家製粉に向けて石臼の購入、研究の幅を広げるためにもご検討ください。蕎麦以外にもいろいろと挽けますよ!
>「エグミ」について。ご自分で玄そばと丸抜きを石臼挽きにしてから・・・
実験+検証 そして回答解説は、道場で行ってくれるそうです。蕎麦侍さんの透明蕎麦といい、(植物の種子としての)ソバについて勉強できる機会は少ないので、とても楽しみです。
ところで,昨日と今日,大宮市で開催された全麺協素人そば打ち段位認定さいたま大会の見学をしてきました。全国各地から100人以上の方が参加され,40分以内で後片付けまですべて完了するというものです。皆さん,すばらしい腕前でした。