2011年08月11日

第4回千葉県そば大学講座



平成23年7月30日(土)、「第4回千葉県そば大学講座」が開催された。(主催:千葉手打ち蕎麦の会、協賛:千葉県そば推進協議会、後援:全国麺類文化地域間交流推進協議会・千葉県教育委員会・習志野市教育委員会・日本大学生産工学部)酷暑の中、蕎麦フリーク200名が、日本大学生産工学・津田沼キャンパスに集結し、統一テーマ「そばを考える」に沿って一日蕎麦講座に浸った。




だしを考える
 丸勝かつおぶし梶@高橋千秋氏


千葉県そば大学講座.jpg



蕎麦に合うだしの旨味についての講義。美味しい蕎麦を打っても、しっかりとした出汁がなければ、本当に美味しい蕎麦は食べられない。カツオを筆頭に、マグロ、ソウダカツオ、サバ、ムロアジ、イワシの節について考える。

年間35万トンの漁獲高のあるカツオ。その内の5割弱がカツオ節になるそうだ。具体例を示して魚種の違う節で、蕎麦屋、うどん屋、ラーメン屋など業種によっても求める節の性質や種類が違うことを聞いた。蕎麦屋では敬遠される節が、ラーメン屋にとっては重宝して扱われたり、また地域によっても好まれる出汁が随分と違って面白い。




石臼碾きを考える
 蕎麦屋八兵衛 町塚延夫氏


蕎麦の命である石臼碾き蕎麦粉を考える。
講師は、故片倉康雄の内弟子として修業後、現在、静岡県藤枝市で「蕎麦屋 八兵衛」を展開、昭和51年から自家製粉の店として先駆的で独自の碾き方を実践している。
 

石臼碾きといえば、ソバの丸抜きを石臼で碾くのが一般的であるが、「蕎麦屋 八兵衛」では、押し碾きである。つまり、入念に磨きこんだ玄ソバを、外皮を剥かずにそのまま直ぐに石臼に掛ける。すると、その堅い外皮が上臼と下臼の間の隙間を押し広げ、甘皮部分を必要以上に碾き込まないという。これによって、澱粉質の多い、透明感があり、歯ごたえ・喉ごしの良い蕎麦を狙っているという。

こうして作った「蕎麦屋 八兵衛」の一番粉は、澱粉質が中心のサラサラとしていてギュッと握れば「キュッキュッ」と鳴き、その形を保っていない。直ぐに崩れる砂のよう。二番粉は、多少しっとり感はあるもののやはり澱粉質を感じるものだという。蒸篭は、これらを使って打つが、タンパク質が少ない為に繋がりがとても悪く、状況によっては割り粉(中力粉)を最大限28%位まで混ぜ込むこともあるそうだ。

今まで私が「良いソバ粉」を見分ける方法の一つとして見知っていた、「握って一定の形を保つかどうか」は、真向から否定された。とてもとても興味深く聞いた。

参加者全員に、講義のソバ粉(二八で500g)をくださった。さぁ〜て上手く繋がるのかどうか。どんな蕎麦に仕上がるのか、楽しみなような、怖いような…。甘皮をたっぷり挽きこんである、握れば形を保つソバ粉を「好き」と感じていた私だけれど、それは唯の盲信だったのか、今日の粉を美味しい蕎麦に仕立てられるのか。私には技がないから、この粉を生かせるのかどうか、心配でもある。



プロのそば打ちに学ぶ
 蕎麦屋八兵衛 町塚延夫氏

2.5sの大玉のじっくり打ちと早打ちに学んだ。「先生と呼ばれる程の人間じゃない。でも親方と呼ばれるのは、大好きなんですぅ。」などと、爆笑を誘う口八丁手八丁で、押し碾き自家製粉「蕎麦屋 八兵衛」の繋がりにくい粉を、すいすいっと打っていく。見た事もない珍しい場面はなく、基本に忠実で確実な作業。一見簡単そうに見えるものの、大量の蕎麦を毎日打つ、合理的で無駄のないプロの蕎麦打ち。蕎麦打ちで一番のカンどころは、水回し。分量の水の9割以上を一揆に加水し、後、調整しつつ…も、一般的な方法だ。


全講座終了後、任意参加の懇親会で、この時に打った蕎麦を頂く事が出来ることになっていた。私は不参加で手繰れなかったので、残念っ。 




漫画で描くそば
 千葉大学非常勤講師 さとう有作

漫画家はらたいら の弟子であった講師が、師匠の「遊び心」の逸話を披露。


そばの力を考える
 立川中央病院 田中照二氏

講師 立川中央病院 田中照二氏は、江戸ソバリエ・ルシックの講師でもある。

低GI(=グライセミック・インデックス)、「蕎麦は血糖値を上げにくい食べ物である」という観点から、蕎麦の栄養素と健康についての講義。
蕎麦打ちを趣味にしている我々が、どんな人に積極的に打った蕎麦を食べて貰ったらよいのか。かなり多くの中高年男性、つまり生活習慣病の是正が求められるような方々にこそ、積極的に蕎麦を手繰ってもらいたい。


 ひらめき昨年江戸ソバリエ・ルシック、江戸ソバリエ協会、日本蕎麦協会理事、などの有志が被験者として協力した論文「 Glycemic Index」が、「第8回 日本Glycemic Index 研究会」の記録誌に掲載されております。



おまけの写真
 

日大ヘリコプター.jpg
津田沼キャンパス正面にあるヘリコプター(ヘリ
詳細説明は、日本大学のHP日本大学は、理工学部・習志野キャンパスに滑走路をもっているらしいし、なんだか良く分からないけれど航空力学?とか?に力をいれているのであろうか?本物がなにげにさり気無く置いてあるなんて、凄いなぁ。それにから、ニュートンのリンゴの木ってのもありましたよ。女(男?)のロマンを感じるうぅ。


  
posted by 笑門来福 at 13:55| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ■「耳学」いろいろと薀蓄を | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック