― 「蕎麦の香り」について ―
「蕎麦の香り」というように,蕎麦は麺類でただひとつ香りを大切にするといわれております。確かに蕎麦を打つ際,蕎麦粉に水を含ませ,粉を混ぜたとき心地よい香りが漂ってきます。これは,蕎麦粉が水によって生き返り,香りの粒子を撒き散らす結果なのでしょう。このような粉の場合は,香りの粒子が宙に舞い,鼻粘膜に達するのは当然だろうと思います。
問題は,茹でた蕎麦に香りがあるのかということです。よく雑誌などには「ここの蕎麦はほのかな香りがする」などといった表現が随所に出てきます。
私も,蕎麦の食べ歩きに出かけますが,いまだに蕎麦を打ったときのようなあの香りがする蕎麦にお目にかかったことがありません(努力不足なのかもしれませんが・・・)。
上野藪そばの鵜飼先生は,昨年の江戸ソバリエの講演で「少々時間を置いた蕎麦に,盃に残った酒をちょっと垂らすと良い香りがします。また,蕎麦をのどに含ませ深呼吸をすると鼻の奥で蕎麦の良い香りがします」といった内容の話をされました。少し乾いた蕎麦に酒を少量垂らすことは,蕎麦粉に水を含ませることと同じなので納得がいきますが,蕎麦をのどに含ませて深呼吸をすることは相当の訓練が必要ではないかと思います。まかり間違えば,蕎麦が気管に入ってしまい,涙ものになってしまうのではないかと恐れています。
そこで,蕎麦の香りを嗅ぐにはこうすればいいとか,自分はこうしているとか,蕎麦の香りに関する薀蓄を教えていただける方がおりましたら,是非ともコメントをお願いします。
其れとは逆にそばを手繰る時に、そばと空気が同時に(一緒に)咽喉越しで吸い込まれます、その空気を鼻のほうに抜く時に、鼻の奥の嗅覚で感じ摂ると言う事ではないでしょうか。
私の場合 その様な感じでそばを食していますが、他の意見の方もおられましたら、是非お教え下さい。
いい課題を出してくれて有難うございます。
「ソバはね、のみこむ時に鼻の奥で香りを味わえといいます。日本酒を舌でころがした後、少量のソバを食べると鼻にソバの香りが抜けますよ」香りを味わうため、ソバは噛まずにのみこめとされる。しかし、噛まずにのみこもうとしてもなかなか喉をとおらないし、鼻の奥で、これがソバだという香りを感じることも難しい。
「ソバも、本当は箸でほぐれる程度の、ひと水きれた状態がうまいんです。香りがでてきますからね」
鵜飼さんがおっしゃると唯それだけで、凄いことを聞いた気になります。うぅ〜〜それにしても、やっぱり日本酒と蕎麦はセットなんですねぇ。上野藪のお蕎麦が食べたくなりますぅ。