自宅近くで蕎麦打ち同好会がないかとネット検索をしたところ「NPOそばネット埼玉」のサイトを発見,「手打ちそばを愛する人と団体を結ぶ」というキャッチフレーズに惹かれ,サイトに潜り込んだ。
そこには「5 月21 日に第1回通常総会と第1回そば打ち技術交流会が開催される」とあり,これを見たのも何かの縁と考え,早速会員申し込みのメールを送信した。
夕刻,そばネット埼玉の代表から「明日交流会があるので,是非とも参加してください」と電話が入り,心良く引き受けた。
その日の夜は,遠足前日の子供のように期待に胸を膨らませ,良く眠ることができなかった。
午前中は,いつものとおり太極拳の練習会に参加し,その足で赤羽駅まで南下,JR宇都宮線に乗車・北上し,午後1時少し前に土 呂駅で下車,東口から5分程歩くと会場の「見沼グリーンセンター」の公園に到着した。
ここは,都会からちょっと離れただけなのに畑が点在し,木々もいたるところに生い茂り,小川のせせらぎが聞こえる心安らぐ場所であった。
そば打ち技術交流会は,その公園内の建物の2階で行われており,麺棒や鉢などを持ってうろうろしている人がいっぱいいた。
受付で,鉢巻をしたおじさんから「奥でそばを振舞っているから,まず腹拵えをしてくれ」とのこと,奥ではこの会に参加したそば打ち会のメンバーが厨房でそばを湯がいていた。
並んで,蕎麦を一枚もらい食した。そばの器は板,その板には「埼玉そば打ち倶楽部」の名が刻まれていた。中細でなかなか腰のあるそばで,すきっ腹には非常に美味しかった。
そば打ち会場では,10台のそば打ち台が設置されており,参加者がそれぞれに道具を揃えたり,水桶に水を汲んだりしていた。ギャラリーは40人から50人くらい,みんな始まりを心待ちにしていた。そば打ちは10人を2回に分けて行う。
初めに,福島県会津若松市の会津桐屋の店主唐橋宏先生と特別参加の「うの会」の寺西恭子先生の紹介があった後,そば打ちが始まった。そば打ち人は,素人そば打ち三段や二段の人に混じって初段や今度初段を目指す人などいろいろ,腕の差もそれぞれであった。三段の人は,麺棒や包丁は言うに及ばず,鉢や切り板までもキルティング生地の手作りの取っ手つきの入れ物で持参するなど,その意気込みは並大抵のものではないなと感心させられた。
私は,最初はみんなの肩腰からそば打ちを見ていたが,唐橋先生らが一人一人回って指導をするので,ギャラリーが先生のいる台を取り囲むようになった。私も先生の話を聞き漏らすまいと輪の中に入り込んだ。
先生は次々と台を回り,ギャラリーも先生にくっついていく。その様は,まさに金魚のふんか雲霞の移動のようであった。
今日はギャラリーが多くて,そば打ち人としては非常にやりにくかったようであるが,それぞれに個性が出ており,ギャラリーにとっても「ここはこうすべきだ,あそこはこうしてはだめだ」など自分の打ち方を検討するうえで,非常に参考になった。20人のそば打ち人と先生らに感謝します。
唐橋先生の指導で,新たに学んだことは次の四点
@ そば粉と水をなじませるために,鉢の底のほうから粉を揉みあげるが,決して手と手で揉んではならない。
A 括りの後半は,そばに愛情を込めて括る。決してそばを乱暴に扱ってはならない。そぱは生きている。B 括ったそば玉を半分にして,一つの玉を揉み,水加減を調節し,ちょうど良い硬さになれば残りの玉と一緒に揉む。この方法は失敗することが少ない。
C 麺切りの切る際に,打ち粉は必要以上に振らない。
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そば打ち技術交流会は3時過ぎに終了,その後,簡単な懇親会があった。同じテーブルに着いた人は加須市のそば打ち交流会の面々で,2人は第2回江戸ソバリエを受講した方で,そばの打ち方の話 が盛り上がった。
今回の見学では,どこにでもそば打ち愛好家はいるものだなあと感じいった。
(注) そば打ち技術交流会等の様子を見たい方は下記へリンク(コントロールキーを押しながらクリック)してください。http://members3.jcom.home.ne.jp/sobanet/news.htm