2011年02月12日

牛込神楽坂「巽蕎麦 志ま平」


 

この日は、我が家の筆頭飲兵衛組頭の誕生日である。祝われる本人が朝起きるなり、今夜は大好きな神楽坂「伊勢藤」で一杯やって、美味しい蕎麦屋で〆たいという。どうも昨夜から、この計画をつらつらと考えていたようだ。江戸ソバリエとして界隈から、この心地好い流れにぴったりの蕎麦屋を推薦してくれろと言う。


まったくもって「はぁ〜。あぁ〜そう」だ。しかしまぁ〜〆は蕎麦屋希望ということでもあるし「そりゃぁ〜、なかなか粋だねぇ」と答えておく。伊勢藤の先代が亡くなって、3代目があの囲炉裏の前でどんな所作で燗をつけているのか、私は知らない。でも、まぁ〜あの雰囲気は、きっと変わらないのだろう。ということで、蕎麦屋激戦区神楽坂の中で今日にぴったりの…と直ぐに浮かんだ牛込神楽坂「巽蕎麦 志ま平」に電話、席の確保をお願いした。


ほぼ満席の神楽坂「伊勢藤」では、例の特等席?囲炉裏端に通された。やはり取り分け静か。すると隣に居合わせた常連とおぼしき方と、3代目がひそひそと「江戸一の…大旦那が……」…コショコショ…と。兎に角まわりも静かだから、ひそひそ話しが聞こえてしまうのだ。おやまぁ、筆頭飲兵衛組頭と顔を見合わせる。大塚「江戸一」には、私もこの年末に伺ったばかりで、大旦那も店の奥に腰かけていらしたのだが…である。失礼ながらと話に加わると、3代目江戸一にちょくちょく行くらしいし、隣の御常連と筆頭飲兵衛組頭は、もぅすっかり?その話で、ひそひそコショコショと意気投合してしいる。なんとまぁ。どちらも決して広い店でもないし、同じような店に同じような面々が、知らずに知らずに隣り合わせているのだろうか。はぁ。恐るべし、飲兵衛たち。


とまぁ、更けゆく宵の神楽坂をぶらり(ふらふら?よろよろ?かな)と移動。いよいよ「巽蕎麦 志ま平」である。



蕎麦前
 基本的には、前日までに予約のコース料理(6000円より)が、夜の「志ま平」を堪能する順当なものだろう。でも、「行こう!」となって電話で席を確保したのが、そもそも当日14時過ぎと言う時間だったから、店主さんには「おまかせで、この日出せる物を」と、お願いした。

志ま平酒器.jpg
まず、生ビール。

次の日本酒は、燗酒に「白鷹」500円。冷酒は、「影虎」「真澄」「獺祭」など。筆頭飲兵衛組頭にとって、思い入れのある神楽坂「伊勢藤」の絶妙な燗も、大塚「江戸一」の贔屓の燗も「白鷹」であるからして、この日はこちら「巽蕎麦 志ま平」でも、「白鷹」の燗酒を何本もいただき、筆頭飲兵衛組頭誕生記念、夢の白鷹燗比べ?と相成った。


燗つけの頃合いの良さに、筆頭飲兵衛組頭は、“錫のちろり”を我が家にも用意しておけと言う。ワタシャ“道具”じゃなくて、“技”だと思うけど、聞いておきましょね。



志ま平 蕎麦前.jpg





小さな器に4品、日本酒がすすんでしまいそう。








志ま平スープ.jpg


蕎麦の実のスープ

裏ごししたソバの実と牛乳+技、そしてトッピングにソバ茶。濃厚な旨みにバランスのよい塩梅。あぁ〜美味しい。もぅ少し欲しいっ!と絶対になるんだなぁ、そして、次への楽しみが“ふわぁ〜”と膨らんでくる。








志ま平 蕎麦前2.jpg
思わず歓声を上げてしまう、仕事をしてある肴が並ぶ一皿


この美しい一品一品を見る時、鮮やかなエッジを感じる包丁の技、繊細な下ごしらえなどから、和食料理人の職人仕事を想像するのだけれど、こちらのご主人は、「いわゆる和食の修業をした事がないから、これは蕎麦職人の仕事なんですよ」と。




志ま平 蕎麦前3.jpg


和食料理人と、蕎麦職人の料理の違いを更に続けて説明してくれたのだが、なんとも失礼な事に、酔った私はそれをここに書けるほどには、詳細に覚えておくことが出来なかった。あぁ〜失礼。申し訳ない。蕎麦屋では味付けのポイントになるのが、“かえし”だからという言葉が、朧な記憶にあるけれど、その“かえし”のことを「○●水」と言っていたような…、それに私「へぇ〜♪なるほど♪」と言ったような…。





志ま平煮こごり.jpg
だから次回は、飲まないでご主人のお話を伺いたい。あぁ〜でも、こちらのお店で夜飲まずにいる事は、ちょっと私には…難しい…いや…絶対にできない。無理だなぁ。



まぁ〜どちらにしても、どの蕎麦前も、簡単に素人が真似をしようと手を出せない領域にある。







蕎麦
 



「おせいろ」900円は、二八。細打ち蕎麦の表情は、洗練された喉越しといい軽やかな香りといい、江戸蕎麦の原型。もう一方の「深山」1000円は、やや太め。粗く挽かれたソバ粉の、しっかりとした旨みや甘みを堪能できる蕎麦だ。

志ま平 2色せいろ.jpg





今回私は、この二八と深山の両方をいただける「二色せいろ」1100.円を。
薬味は、ねぎ と 山葵。







志ま平 鴨汁せいろ.jpg


筆頭飲兵衛組頭は、鴨汁せいろ1200円。
薬味に青ネギ。

こくのある鴨の旨味汁の深み。熱々なところが、これまた堪らない冬のご馳走だ。









蕎麦後
  


志ま平 デザートアイス.jpg




バニラ♪アイスクリーム
トッピングにソバ茶



味わいのあるこちらのご主人は、市川「一茶庵」で蕎麦の道に入られ、ご自身の越谷せんげん台の店を経て、こちら牛込神楽坂でも確かもぅ既に4〜5年は経っているんじゃないかなぁ〜。と、帰り道「よかったよぉ〜。いい店だなぁ〜又来よぉ〜」と連発する筆頭飲兵衛組頭に話せば、「どぉ〜りで、なんだか蕎麦や汁がしっくり馴染んだよぉ」と言う。筆頭飲兵衛組頭が、さんざん通った市川「一茶庵」出身というところにも、グッときたようで、もぅ「次は○○さんと来よう」と手帳を開いていた。





■住所新宿区納戸町33■電話03-5261-8381■営業時間12:0014:0018:00ぐらい〜蕎麦売り切れまで■定休日■アクセス都営江戸線牛込神楽坂駅徒歩5分、東京メトロ有楽町線・南北線市ヶ谷駅徒歩7分、東京メトロ東西線神楽坂駅徒歩9



    次項有お店のHP
posted by 笑門来福 at 18:02| 東京 🌁| Comment(8) | TrackBack(0) | 新宿・豊島・渋谷区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。

志ま平さんの蕎麦前はいただいたこと無いんですが、
大好きなお店です。
特に深山がお気に入りです。

以前からブログ参考にさせていただいてたんですが
志ま平さんが紹介されてて何だか嬉しくて
コメントしました。

これからもお邪魔させてください。
Posted by まゆたん at 2011年02月14日 16:28
まゆたん さま

この度はコメントを有難うございます。
更に、時々読んでくださっていたとの事、とても嬉しくなりました。
有難うございます。


>特に深山がお気に入りです。
ほんと!志ま平さんの「深山」美味しいですね。
私も大好きです。
志ま平のご主人のお人柄が、よく表れていると感じます。
今こうして書いていると、思い出して食べたくなってしまいます。


それから、
「蕎麦女まゆたん」素敵なブログですね。
頻繁に更新なさっていて、凄いなぁ〜と頭が下がりました。
お母様は勿論!お父様も実は御蕎麦好きなようですし
彼も蕎麦好きとあらば、今後も益々楽しくドンドン記事が増えますね。
私たちも、まゆたんさまを見習って頑張らねばっ!


お蕎麦が繋いでくれるご縁と思って、どうか今後も細く永〜くお付き合いください。
よろしくお願いします。
Posted by 笑門来福 at 2011年02月14日 20:19
笑門来福さまへ。

ご丁寧なお返事ありがとうございます。
私のふざけたブログなんかを読んでくださったみたいで、
とっても嬉しいです。

こちらの記事を読ませていただいたこともあり、
深山が恋しくなって、昨日志ま平さんに行っちゃいました。
相変わらず満足な時間を過ごす事が出来ました。

こちらこそ、これからもよろしくお願いします、です。
Posted by まゆたん at 2011年02月15日 22:04
まゆたん さま

この度は、コメント有難うございます。

>深山が恋しくなって、昨日志ま平さんに行っちゃいました。

わぁっ!いいですね♪
志ま平ご主人の蝶結びの襟元は、元気でしたか?
「ときそば」の次に、今日にでも
ブログ「蕎麦女まゆたん」にアップされるのでしょうか?
読ませて頂くのも楽しみにします。

巻き爪、ご自愛ください。
Posted by 笑門来福 at 2011年02月16日 07:30
ごめんくださいませ。
道楽そばの道楽息子でございます。

先日、興味深々さんと神楽坂の蕎麦屋へ行ってまいりました。実は半日の仕事で皆様には内緒で・・・、神楽坂はなかなか興味がそそられます。
その日は秋にお邪魔した「祈年」へ行って挨拶を・・・まあ夏の野菜の営業なんですけど!!!
東京に行った際には、神楽坂散策、そば探訪などを計画しております。
その節にはよろしくお願いいたします。
それまで、体を絞込み、食に対する欲求を満たすべく肉体と精神にしておきます。

またの蕎麦屋情報楽しみにしております。
Posted by iwana at 2011年02月16日 17:20
iwanaさま

いつもコメント有難うございます。
お父様のお加減はいかがですか?お元気になられていると良いのですが。

>興味深々さんと神楽坂の蕎麦屋へ行ってまいりました。
そうだったのですか。神楽坂のどちらへ?
お二人揃ってという事は…オヤマボクチ(雄山火口)の「まろうど」でしょうか?
それとも、「喬楽亭」?
何処で何を召し上がったのでしょう。美味しかったですか?
Posted by 笑門来福 at 2011年02月16日 20:20
え〜、その日は「生粉てうち 芳とも庵」でした。
美味しかったですよ。
東京はいろいろな蕎麦屋があっていいですねえ〜。
これぞ蕎麦道楽!
Posted by iwana at 2011年02月18日 19:21
iwanaさま

いつもコメント有難うございます。

あっそうかぁ、「芳とも庵」さんですか。
そう言えば、そうですね。
興味津々さまは、「芳とも庵」さんのお馴染さんというかぁ、顔というかぁ、
ホームというかぁ、縄張りですものね。
興味津々さんと一緒なら、特別な美味しいものも出たんじゃないですかぁ?きっと。


ちなみに
「志ま平」さんは、「芳とも庵」さんの直ぐ前です。
Posted by 笑門来福 at 2011年02月18日 21:06
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