都内某区の文化財係が、ある文化財屋敷の庭の畑を使って育てたコムギを、石臼を使って製粉し、饂飩を打つ体験教室を開くという。その畑では夏〜秋の間にソバを育て、冬〜初夏にかけてコムギを育てているらしく、土作りから種蒔、雑草取りも含めて、収穫までの全てをボランティアが請け負い、その収穫を活用する企画だ。
今回募集の製粉と製麺は、土日2日間であるが、朝から夕方まで時間が確保されており、お誘いの文章がなんだか本気のよう。“とことん石臼を挽く”らしい。

だから、とことん石臼で手挽きするらしい今回のコムギの企画に興味がわいて、即参加することに。たぶん、ひっくり返して裏を覗く事ができるだろう。
で、すぐにチャンス到来ひっくり返した。
というか、隣のチームが目詰まりしきたから、「掃除しよう。開けてみよう」と言う時に、覗かせて貰った。

今回御目にかかった直系35cm程の石臼は、オーソドックスな6分画だ。写真では、良く分からないようだけれど、かなり大胆な彫りで、溝が深く8mm〜1pあるところも。その溝は横から見ればこんな形 凵 。溝の幅も8mmくらい。とにかく豪快というか、大胆というか、武骨な感じ。今まで私が見たものは、V字型の溝で、右の傾斜と左の傾斜の角度が違っていたり…だったので、始めてみるタイプ。
主催者に、どこで手に入れた石臼か、石の種類やこの豪快な目立ての狙いを聞く。「…」コムギの品種を聞く「…」う〜〜ん、

やはり綺麗な粉になって出てくるものは少なく、殻と一緒にたっぷり白い胚芽部分が残っているフスマが、沢山でてくる。もったいないのでそれを二度挽きし、篩って使うという。なるほど。でも…。といいつつ20人の参加者と、半日頑張った。
コムギ色の肌という健康的に日焼けした肌の色を表現する言葉があるが、その通りの色。コムギ色の粉が出来上がった。触って見ると、粗くザラザラしている。
私にとってここまでがメインであったので、2日目の饂飩打ちは唯「打った」という事で、詳細は書かない。歴史的建造物の庭で、昔からの作物の栽培に主眼をおいている主催者側には、饂飩打ちの豊富な経験者が、ほとんどいないと言う具合だった。そしてこれが2度目の体験教室開催と言う話だ。昨年の蕎麦打ち体験では繋がらず大失敗だったと。「そりゃぁ〜ね。」
やっぱり饂飩の味は……厳しいもの…皆さまお疲れさまでした。