2010年10月25日

長野 北志賀竜王高原
「石臼挽き蕎麦香房 山の実」




この日目指したのは、北志賀竜王高原。冬期はスキー場のゲレンデの中にあるレストハウスで、春〜秋の土・日・祝祭日に、期間限定で蕎麦を食べさせてくれるお店だ。この度は連休明けの火曜日に、予約を入れてもらって伺った。


急な坂道をグイグイと上った車が辿り着いたのは、シーズンならばリフト降り口、素晴らしい眺望が広がる場所だ。ひんやりと澄んだ空気に思わず深呼吸し、下界を見渡す。お店の入口階段や店内は、雪が積もればスキーブーツを履いたまま、ガッガッガッと上がってこられるよう、頑丈でゆったりと作られていた。すぐ目に飛び込んで来たのは、暖かな火の揺らめく石釜で、いかにも美味しいビザがでてくるぞぉ〜っと、否応なく期待が高まる。






3つのソバの楽しみ方
 いくつかある平日のランチセット(要予約)の中で、山の実 ¥2000-は、蕎麦 + 手挽き蕎麦掻き + 石窯焼き蕎麦Pizzaの3つを楽しめるお得なセットメニューである。品書きでこれを見て、「2000円は…安いっ! 多分、一つずつの量が極少なんだろうなぁ…」などと失礼ながら思った。
ところが、これがどうしてどうして凄いっ!のだ。質・量ともに素晴らしい。余りの美味しさに、お腹がいっぱいになりながらも、更に追加オーダーをするという暴挙にでてしまった。


101012志賀高原「山の実」蕎麦粥.jpg



蕎麦粥

丸抜きと優しいお出汁のバランスが心地よい。滋味深いソバの実の恵みを、余すことなく美味しくいただけることに感謝。






101012志賀高原「山の実」 (9).JPG


手挽き蕎麦がき

写真に収める事が出来たのだろうか、美しい薄緑色の粒々。
玄ソバの質、挽き具合、甘皮の様子、吟味したソバの丸ごとの美味しさを、そのままの形で全部出そうという店主の意思を感じる。添えられたのは、塩と山葵。これはもぅ、本当にご馳走っ。





101012志賀高原「山の実」須賀川そばピッツァ.jpg
須賀川そばピッツァ

自家製粉ソバ粉をベースに、極々薄〜〜くのした(甘皮を打粉かわりにつかっていた。これがまた凄く良い)ピッツァ台を拵え、信州白味噌とチーズ、ねぎ・えのき・ソバの実をのせて、石窯でカリッと焼いたもの。薄く香ばしいソバ粉のピッツァ台が、絶品。
これは、もぅ何枚でも食べたいっ!ということになって…。







101012志賀高原「山の実」秋映えりんごのそばピッツァ.jpg


秋映えりんごのそばピッツァ

を、追加オーダー。
ご近所で育てているのか?もぎたての“秋映え”を薄くスライス。先程と同じソバ粉のピッツァ台にのせて、カリッとね。
これを最後にいただいたので、リンゴの甘みがちょうどデザートのようになり、満足満足。







生粉打ち蕎麦
 長野県下高井郡山ノ内町須賀川(自家栽培)・富山県南砺市城端町蓑谷・茨城県猿島郡三和町などで育てられたソバの実を、その日の朝自家製粉し、北志賀の湧水のみでつないだ、生粉打ち蕎麦を出す。



北信州のこの界隈では、オヤマボクチ(雄山火口)を繋ぎに使う歯ごたえや喉越しを重んじる蕎麦が、郷土の蕎麦であり、北信州の観光情報を発信しているサイトなどでも、
地域が大切に伝えてきたオヤマボクチ(雄山火口)の蕎麦打ちの体験企画をしたり、情報発信している程なので、この辺りでは例外的な蕎麦屋なのかもしれない。




ということで、生粉打ち蕎麦。

101012志賀高原「山の実」生粉打ち.jpg101012志賀高原「山の実」生粉打ち麺.jpg


昨年度の玄ソバを使っており、朝から挽いたと聞いた。しかし、その美しい薄緑色は、まるで新そばのように初々しく鮮やかだった。澄んだ空気の中、清冽な湧水で打った蕎麦らしく、ほんのりとした甘みと、品のよい穀物の香りで、軽やかな印象。上のような地域的事情から?長〜い蕎麦が好まれるのであろうか?こちらも、長〜く整えられた細打ちだった。


ごちそうさまでした。




東京に帰ってから、ちょっと忙しい日が続き、信州関連の記事アップが遅れた。やっと一息ついて写真を眺めていたら、「山の実」の蕎麦コースの美味しさを思い出し、また食べたくて堪らなくなった。あの山の中にあって、スキーのオフシーズンだからこそ、あの数々なのだろうが…ご近所にあったら、どんなに良いか…。 ゴールドぺーパードライバーの私には、遠すぎるぅ もうやだ〜(悲しい顔) あぁ〜どこでもドアが欲しい。




    
■住所長野県下高井郡山ノ内町竜王高原■電話0269-33-7577■営業日 春から秋(凡そ4月末〜11月中頃)の土・日・祝祭日 ※平日は不定休のため要予約で、日時は応相談 冬期は北志賀ホリデーインのスキー・ゲレンデ併設レストランとなり、蕎麦は品書きから外れる。■営業時間 11301430売り切れ御免■アクセス北志賀ホリデーインHPアクセスのページをご覧いだだくのが便利。



       次項有お店のHP



posted by 笑門来福 at 10:03| 東京 🌁| Comment(4) | TrackBack(0) | ⇒長野・新潟・山梨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ホームページを拝見、蕎麦に対しての玄蕎麦の管理 自家製粉 そばになるまでの取り組み方、澄んだ水と空気で育ったそばを北志賀高原の湧き水でのそば打ち 湧き水での茹でたてそば! タッマリマセ〜ン。あの場所だから あの環境だから ですかね・・・。
Posted by 興味津々 at 2010年10月27日 06:02
興味津々さま

ですよね。本当に!
美味しかったですね。
特にあの蕎麦掻きの衝撃が、忘れられません。
また、食べたくなっていますが…簡単に行けない。
行けないと思うと余計に、また食べたい。
身軽にバイクを駆って出掛けられるライダー興味津々さまが羨ましいです。

でも、今朝は北海道で雪が降った位冷えてますから…
そろそろ、「山の実」付近もスキー場になっちゃって
蕎麦は、来春までお預けですかね?
Posted by 笑門来福 at 2010年10月27日 08:35
須賀川そばピッツァ、秋映えりんごのそばピッツァ、魅力的なメニューです。前者は、日本酒のつまみに最適。後者は、〆の蕎麦を頂いた後のデザートですね。(笑)
蕎麦粥は、芝大門の更科布屋さんで時々頂きます。とても美味しくて、いつも感心しながら食べます。蕎麦の色々な食べ方、楽しいですね。♪
Posted by 華麗麺麭 at 2010年10月28日 09:43
華麗麺麭 さま

いつもコメント有難うございます。
はい。とても魅力的なメニューでした。
山の実のご主人に、レシピを教えて頂いたのですが
美味しさのポイントは、
玄ソバの美味しさ・製粉の妙、水や空気、そしてあの若いご夫妻っ!、
にもあるように感じたので、
簡単には、味を再現できそうにありませんでした。

それから、
そうなんですか。蕎麦粥を、芝大門の更科布屋さんで。
美味しそうですね。今度行って頂いてみます。

情報を有難うございました。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
Posted by 笑門来福 at 2010年10月29日 08:39
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