2010年08月03日
「蕎麦春秋」Vol.14
リベラルタイム社
2010年7月26日号
500円税込
「蕎麦春秋」Vol.14 今号から、始まった新連載「暖簾めぐり」。第一弾は、「長寿庵」である。しばしば「長寿庵系」という言葉で言い表される日本最大(現在223店舗だそうだ)の蕎麦屋のれん会「長寿庵」のことを、今の状況をきちんと調べて書いたものが、大変少なかった。今まで散見された資料や文章は、10年以上前のものだったり、その歴史の全体像を見ずに書いたものが多かった。ということで、筆者 ほし ひかる さん(江戸ソバリエ認定委員)は、原稿依頼を受けるにあたって、創業者生誕の地へ赴いたり、系図を追ったり、その時代時代の事柄を、まず検証する事から始めたと聞く。つまり、きちんと裏をとって?書かれた「長寿庵」物語である。挿入された「長寿庵のれん会」4会派の系統図も、分かりやすく有難い。老舗などの歴史に興味のある方には、嬉しい新連載の登場ではないだろうか。
また、特集は、片山虎之介さんの 鉄道で訪ねた 悠久の出雲蕎麦。
野趣溢れる「黒蕎麦」と、上品な「割子」。二律背反を調和させた「神々の蕎麦」の歴史と精神を旅する――出雲大社の門前蕎麦屋「荒木屋」、駅舎が蕎麦屋「扇屋」、東京で味わう出雲蕎麦「日本橋元禄」「出雲そばいづ味」の、写真や文章も夜行寝台の旅気分を味わえ素敵だ。
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