2010年08月02日

第3回千葉県そば大学講座

7月31日(土)、千葉手打ち蕎麦の会主催「第3回千葉県そば大学講座」が開催された。酷暑の中、蕎麦フリーク168名が、日本大学生産工学部・津田沼キャンパスに集結し、統一テーマ「そばを科学する」に沿って、一日蕎麦講座に浸った。



蕎麦粉を科学する
       (有)黒子商事 黒子恭伸氏

 蕎麦粉の粒度分布などを科学的側面から講義する

黒子商事講座.jpg ソバ品種の話から、畑の状態、製粉の話まで、製粉のプロの話。ロール挽きの話が、面白かった。手打ちで趣味蕎麦を打つ人は、今まで見向きもしなかったであろう粉についての話しも、使い方によっては特性が生かせると聞き、面白そうだと興味がわいた。また、皆の好きな常陸秋ソバは、同じ銘柄でも栽培条件によってピンからキリまで、品質の幅の大きい種類であるともお教え頂いた。 



醤油とそばつゆを科学する
         元ヒゲタ醤油(株) 加藤哲哉氏
 
醤油とそばつゆの相性などを科学的側面から講義する

加藤哲哉先生.jpg
 
江戸ソバリエの江戸蕎麦学講座でも、講師を務められている加藤哲哉先生が、確固たる自信を持って、訥々と語る深い話。その独特のテンポ、話術に嵌って?聞いている方も時々ニヤリとさせられる。かえしの賞味期限の話は、今まで何度か聞いた通り。また、このブログでも過日ご紹介した「せいろ」の麺と汁の適温の話も表を使ってご説明頂いた。思わず、「賛成っ!」と言いそうになる。



プロの蕎麦打ちに学ぶ
         梅島「藪重」 石井啓之氏

 じっくり打ちと早打ちに学ぶ

石井啓之先生.jpg お店の2階で蕎麦打ち教室も開いており、あのアドマチック天国でも取り上げられ、いろいろなイベントで講師もしている(聞くところによると、なんとのべ15000名に教えている)この道のプロとして、ちょっとベランメイ調で時々笑わせながら、道理を分かりやすく説明。
 のしのスピードが味に大いに影響するとのこと。のした麺帯を、自由自在に操る様は圧巻。四つだしの技の凄さも見て分かったけれど、自分でできるようになるという事とは、また別問題。不肖 笑門来福も、「なぁ〜る程」と何度も頷かされた。でも、そう簡単には真似出来なさそう。というか無理だろうぉ。
いやぁ〜面白かった。


 昨年の、永山寛康先生の包丁の「舞い」といい、この講座では毎回「技」の凄さを、まざまざと見せつけられるのである。




水回しを科学する
         昭和産業(株) 清水吉郎氏

 加水から団粒に至る過程の実演と電子顕微鏡画像を用いて水回しを科学的側面から講義する

昭和産業清水先生.jpgもともと、割り粉の注文に従って蕎麦研究を始めた小麦粉のプロによる講座。
一茶庵流の一揆加水で丁寧な水回しを行い、湿式粉砕現象によって現れる現象とソバ粉の変化をみた。ソバ澱粉粒子・小麦澱粉粒子など電子顕微鏡の画像も使い、粒子が突き崩され、やがて高い密度の安定したが生地できる様子を検証した。
実験によるデータの積み重ね。そしてその考察の繰り返し。憶測では物を言えない…という態度を生真面目に貫きつつ、最後には笑って小麦粉のPRも忘れないあたり、流石。





閉講式(修了証書授与)

画像-0065.jpg

蕎麦フリーク達は、全麺協の段位認定をめざし(現在認定者は、6700人を超えるまでに発展)
単位取得手帳を毎回持参し、イベントごとに印鑑スタンプを押して頂き、全国麺類文化地域間交流推進協議会の単位取得の証とするようである。
しかし、そうでない笑門来福も、立派な修了証書を貰いましたぁ。





懇親会(任意参加)
同じキャンパス内で行われ、美味しい飲み物やおつまみも供され、講師への質疑応答や仲間との交流もあり、盛会に終わったようだ。


 
講座の人気から、今年は募集締め切り予定日のずっと前に、定員に達してしまったそうだ。私は、なんとか滑り込んで受講させて頂いたが、来年の申し込みが更に激化しないかどうか心配だ。(来年の先行予約できないのかしらん?!どうか漏れませんように。)
講師への交渉・会場設営・暑い中での案内・お弁当の手配などなど、講座運営において、千葉手打ち蕎麦の会の方々の行き届いた心配りには、尊敬の念をいだかずにおれない。心より感謝したい。また、キャンパスにいた先生方や学生さん達も、とてもとても親切で、頼もしかったぁ。日本の未来は明るい!感謝感謝である。有難うございました。


   日大ヘリコプター.jpg

おまけの写真

 津田沼キャンパス正面にあるヘリコプター(ヘリ詳細説明は、日本大学のHP

日本大学は、理工学部・習志野キャンパスに滑走路をもっているらしいし、なんだか良く分からないけれど航空力学?とか?に力をいれているのであろうか?本物がなにげに置いてあるなんて、凄いなぁ。それから、ニュートンのリンゴの木ってのもありましたよ。女(男?)のロマンを感じるうぅ?



  
posted by 笑門来福 at 17:16| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | ■「耳学」いろいろと薀蓄を | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
い〜なあ、やっぱり都会は・・・
こんな山の中じゃ・・・。
あ〜、テレビもね、ラジオもねえ、レザーディスクはなにものじゃ、おらこんな村、嫌だ〜。
そんなことはありません。

予定とおりこっちでは7月25日に蕎麦撒きました。もう芽がでましたよ。

夏野菜に、鮎も手に入り、蕎麦、うどん、ラーメン手打ちで頂いております。

で畑、田んぼが忙しくて毎日4時おき夕方7時には就寝です。
Posted by iwana at 2010年08月02日 18:17
iwanaさま

いつもコメント有難うございます。

>予定とおりこっちでは7月25日に蕎麦撒きました。もう芽がでましたよ。

おぉ〜♪順調で何よりです。
方々で不作の伝えられた昨年も、iwana さまのソバ畑は元気に育ったことですし、
今年も豊作だといいですね。

夏野菜・鮎…羨ましいです。
我が家でも今年は、お隣さんが頑張って作り、収穫した野菜のお裾分けを、
度々たび更に度々頂き、夏野菜を堪能しています。
近隣愛の賜物か?なぁ〜んか格別に美味しいですよぉ。


>毎日4時おき
大変ですね〜っ。申し訳ないような…私はその頃熟睡モードで。
でも、美味しい農作物がiwana さまの働きに答えて元気に育ってくれますね。
「頑張れぇ〜♪」と、遠くからエールを送ります。
Posted by 笑門来福 at 2010年08月03日 08:06
千葉県そば大学講座の帰りのバスの中で
ご挨拶させていただきました関と申すものです。
 江戸ソバリエのご活躍はかねがね伺って
おりましたので、早速ご挨拶をと思っておったの
ですが、パソコンが故障してしまい本日になって
しまいました。
 蕎麦を多角的な視点から論じられている51回
になる「ほしひかるの蕎麦談義」も読ませていた
だきました。
 まだ全部読み切れません。ゆっくりとこれから
読ませていただきます。
 よろしくお願いいたします。
 
Posted by そばがき こと そば処 暁山 at 2010年08月17日 19:52
暁山 様

お噂はかねがねうかがっておりましたので、ご挨拶する機会があって、うれしく思っています。

あのあと蕎麦屋さんに行かれたとか、ご熱心ぶりに頭が下がります。

「蕎麦談義」は、思いつきで書いている駄文でお恥ずかしいかぎりです。

今後ともよろしくご指導のほどお願い申し上げます。
Posted by ☆ほしひかる at 2010年08月18日 10:47
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