2010年06月28日

六本木ヒルズ「竹やぶ」

※こちらのお店は、2011年7月末閉店し、その後
 店長の苅部さんが、神楽坂「かりべ」を独立開業しました。
 


会期終了間近の「
ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たち」@森アーツセンターギャラリーは、平日午前中だというのに大混雑。どの絵も行列の肩の隙間から覗く始末。すっかり疲れてしまい、どうしても美味しい蕎麦で元気を取り戻したかった。あぁ…森アーツセンターからあまり歩かず行ける所…。

 六本木竹やぶ.jpg


そもそも、六本木ヒルズなる建物へ行くと、もぅすっかりお上りさん的な気分になるのであぁ〜る。そして、そのヒルズの中でも「けやき坂通り」というところに並ぶ店は、一層敷居が高くって…更になかなか…な、気分になる。でもまぁ、一度行ってみたいと思っていた訳だし、この際なので、(どの際なのかと言えば、「ちょっと昼蕎麦という割には、そのぉやや高くつくよ」と言う私に、同行の昼酒好きが、「行こう♪ 行こう♪」と囃したてる)なかなか行けない…六本木ヒルズ
「竹やぶ」へ、えいっ やぁっ と。

 
伺ったのは、ランチ時間を少し外れた時間。実は日頃、小心者の私は「ミシュラン!? えぇ? てやんでぇぃ。そんなもん、食べたかぁないやい。」と、少々痩せ我慢的にひねくれた態度でいるのだが、ましてや?だから、ミシュランが何をどう言っても、阿部ワールド全開?の柏本店を知っていれば、もぅそれで十分と思っていたのだ。だが、今年まだ寒い頃、亀有「吟八亭やざ和」で催された「竹やぶ」の“阿部孝雄さんを囲む会”で、お話を伺ってから六本木ヒルズ店も、ちょっと覗いてみたくなっていた。


蕎麦前
 
恵比寿ビールとお通し.jpg 



恵比寿ビール小瓶\630-


よぉ〜く冷えた錫の盃。こういう器で頂くと、そりゃぁ〜もぅ、ひときわ美味しい。ビールの突出しは、蕎麦チップと豆類。



そば屋のスフレ.jpg


そば屋の玉子スフレ¥630.-
さり気無くお出汁の香るふわふわスフレに、ソバの抜き実がトッピングされている。好みで、バルサミコ酢をつけて頂く。器の下は岩塩(ガリっとやって、舐めてみました。(^_^;))。



 
       豆腐三点盛り.jpg 

豆腐3点盛り¥840.-
左:白麹で仕立てた豆腐(とうふよう)
中央:豆腐のみそ漬け
右:豆腐梅あえ

どれも、どぉ〜〜しても日本酒が欲しくなるような濃厚なうま味。誘惑に負けてしまいそう…困るぅ。



ビール一杯と思っていたが、まっ、あっさり観念した。
で、品書きの中のから、旬の酒 \1260.-


旬のお酒.jpg

くりはら酒店の女将さんが六本木「竹やぶ」に旬の酒を選んでくれたそうで…、それが、秋田・栗林酒造店 薄にごり生原酒 純米吟醸「霞」(たぶん→掛米に美山錦・麹に美郷錦、熊本酵母、精米歩合55%、日本酒度+1.5、酸度1.6、アルコール17〜18%) 生原酒らしくしっかりとしていて程良いキレがあるが、どこかのびやかで品の良い香りと旨み。美味しい!飲みやすくって…あぁ困るぅ。



  日本酒お通し.jpg日本酒のお通しとして小皿にほんの少量3点が。
時計廻りに、左:蕎麦味噌〜柔らかめに仕立てられた甘過ぎない味噌。
上:緑カエル〜皿にちょこんと住み着く?陶器製  右:海老の頭〜海老の味噌から、雲丹っぽい熟成した旨みを感じるぅ  下:皮くじらの梅和え〜皮クジラって、こんなに美味しいものなのでしょうかぁ。反捕鯨団体は、こういう食文化を全く理解できないのだろうなぁ。もう少し食べたくなる…品書きから単品で頼むと\1260.-。単品注文が、どれ位の量かは??





豆腐の三点盛りと、日本酒の突出しの小皿。それだけで、どうしても日本酒2合は飲みたくなるようにできている。これは、仕組まれた罠だ。しかし意志の強い私は、ここでストップ。1合で止めておく。

…つもり…。
強い決意のもと、でも、ちょっとだけ酒の品書きを眺めていたら…鄙願(ひがん)大吟 ¥2625.-…あぁ〜六本木店にも置いてあるんだぁ。もぅ…。言い訳がましくなって恐縮だがぁ…。 大洋酒造には、思い入れがあり…特に5代目社長・現関川村村長さまに、つい先日えちごせきかわ温泉郷物産まつりで、お会いしたばかりで…そうそう飲めないこの銘柄が、ここにもあるということは…、これはきっと何かのご縁か…、神様の思し召しかもしれないと…。
1\2625.-かぁ、昼から出費がかさむなぁ…それに飲む順序が違ったよぉ〜、どうせだったら、飲み飽きしないすっきり軽やかな「大吟醸 鄙願」が先で、薄にごり生原酒 純米吟醸「霞」は、後!だろう。あぁ〜でもぉ!あぁ〜どうしよう。今飲まないと後悔するぅ。悩ましい。何と言っても「鄙願」だし。ちょっとだけ、飲もうかなぁ、飲んじゃおうねぇ。あ〜〜あぁ。

 

天だね.jpgと、悩んでいると
ほどなく 

天だね¥1890.-が運ばれた。(プリッとした海老がゴロゴロと入っており、塩で頂く。衣はサックリと香ばしい。しし唐が上にちょこんと乗った風情は柏本店と全く同じ。天つゆと大根おろし・生姜おろしは、別の器に)
予約なしで飛び込んだ我々を、静かな良い席に通してくれ、入店時からあれこれと親切に対応してくれた素晴らしく感じの良い花番さんに、〆蕎麦の事、この日本酒にまつわる難題を相談すると(勿論当たり前に、背中を押してくれるよねぇ?)、「あ〜本当に申し訳ございません。田舎そばは、本日はもぅ終わってしまいました。鄙願も、今日はちょっと…。」その言葉に、私「…」。でも、なんだかこれはコレですっきりである。


  
 


〆蕎麦

ということで、柏本店の星の入った透明感のある細打ちの田舎を思いうかべるものの六本木ヒルズの「田舎そば」は、また次の機会ということに。
かけ¥1260.- と せいろ\1260.-を頂く。




 「かけ」の写真を、タバコの箱か或いは物差しとでも並べて撮りたかったのだが、生憎タバコは吸わないし物差し移動販売者でもないので、どちらも持ち合わせていなかった。言いたいことは、この上なく品が良いというかぁ…つまり器が小さいというかぁ…いや、器でなく中身が少ない。トッピングなし。別の小皿にネギ、柏本店と同じ正真正銘「The かけ」だ。

かけ.jpg

 素っ気ないとうかぁ、なんというかぁ、もうちょっと…なんか…こぅ〜。色気が欲しいなぁ〜、でもこれこそが正調「かけ」なのか?とも思いつつ、甘汁に口をつける。ふわりと優しく、出汁と返しの塩梅も淑やかである。更に汁を飲み進むと、うぅ〜ん、いいかも。麺も程良くしなやかで、勿論熱いお汁にヘたれていない。半分を手繰ってしまってから(自分の取り分?ほんの3口ですけどね)、あぁ〜好きだなぁ、この「かけ」。という具合。



そして、せいろ。

    せいろto.jpgせいろ.jpg


石臼を模した木製の蒸篭も、麺の面持ちも柏本店と同じ。細打ちで、香り風味は大人しいが、たおやか。薬味には、滑らかな山葵とねぎ。


 個室からでて会計に行くと、あの感じの良い花番さんの後ろに、阿部孝雄さんがいらした。今の時期のソバの香りの事など、吟八亭での事も踏まえちょっと立ち話、お教え頂いた。

 ミシュランにどんな事が書いてあるかは知らねど、沢山のお弟子さんやお店を、それぞれの個性を大切に育て上げた、総合プロデューサーとしての配慮、見識を、この日も垣間見ることができた。やはり阿部さんは、ユニークな蕎麦職人というよりも、人や手法などのソフトを大切にする心細やかな表現者なんだな、きっと。


  
  

次項有ブログ内関連ページ
2010年2月18日「竹やぶ」阿部孝雄さん@亀有「吟八亭やざ和」


 ■品書き
せいろそば¥1260.- 田舎せいろ¥1260.- かけ¥1260.- にしんそば¥2100.- とろろそば¥1575.- 天ぷらそば¥2625.- もりうむどん¥1260.- 納豆うむどん¥1365.-


 

■コース
・お昼のコース (予約不要)
 「ちょっとおまかせ」¥5,250(税込)
・夜のコース(要予約)
 「おまかせ」¥8,400(税込)
・そばのコース 酒のつまみと蕎麦のコース¥8400-

  


■住所港区六本木6-12-2 六本木けやき坂通り 六本木ヒルズレジデンスB 2F■電話03−5786−7500■営業時間11301530180021:30 ラストオーダーは2120まで 日曜、祝日は11302030の通し営業 ■アクセス 東京メトロ・日比谷線 六本木駅1C出口 すぐ、都営地下鉄・大江戸線 六本木駅3出口 徒歩4分 /都営地下鉄・大江戸線 麻布十番駅7出口 徒歩5分 東京メトロ・南北線 麻布十番駅4出口 徒歩8分/東京メトロ・千代田線 乃木坂駅5出口 徒歩8





posted by 笑門来福 at 10:59| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(1) | 千代田・中央・港区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
美味そう・・・
僕も長野へ蕎麦の旅にいってきました。
一人でお昼から夕方まで蕎麦屋があれば入り
夕食はホテルでお酒を飲み、また夜の街で
女の子誘いを振り切り、おしぼり蕎麦なるものを食し、次の日は善光寺参りのついでに蕎麦屋へ、
蕎麦屋だけで3万円近く散在してまいりました。
ちなみに、上山田温泉に泊まりました。
また行くぞ〜。
Posted by iwana at 2010年06月28日 12:39
iwana さま

おはようございます。
いつもコメント有難うございます。

そうですか、長野へ。
温泉と蕎麦っ!
いいですねぇ〜♪羨ましい。
おしぼり蕎麦…ということは、高遠へもいらしたのですか?
ほんと羨ましいです。

お財布が軽くなってしまうのは、困るのですが、
美味しいものを頂けるのは、嬉しいですね。
Posted by 笑門来福 at 2010年06月29日 08:27
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