1月14日(木)19時、156回目を迎えた“蕎麦屋で落語”「越後屋寄席」に行って来た。いつもの柳家さん生、柳家甚語楼、柳家わさびに加え、お蕎麦の時間を挟んでゲストに松旭斎すみえも出演した。御蕎麦付きで木戸銭3000円、運が良ければじゃんけん大会の豪華?賞品もゲットできる賑やかで楽しいお正月特別バージョンだ。
■■ 落語
■まず、柳家わさび
少し見ない間に「生ねん」顔が、大人の「わさび」顔になっているではないか。「落語は柳家甚語楼からで、ここは前説と思ってもらっていい。ハハハ」なんて自虐的冗談とも本気ともつかぬ言葉がでて、やはり割り当ての短い時間の中できっちりと力を発揮するのは、なかなか難しいようだ。
開演30分以上前に到着したのにも関わらず、つまみとなるものの殆どが売り切れていてガックリ。空腹にビールをグゥ〜〜っと飲んだせいもあり、柳家わさびの噺を…思い出せない。
柳家甚語楼
泥棒の噺の枕として、間抜けな泥棒が家人に見つかり、ネズミだの猫だのと声帯模写?して乗り切ろうとする「盗人杭々」。
そして「鈴ヶ森」を。
泥棒の親分が、見込みのない善良な子分に、もう泥棒稼業はあきらめて堅気に戻れと諭す。しかし子分は、これから心を入れ替えて悪事に励むので、もうしばらく面倒を見てくれと言う。仕方なしに草木も眠る丑三つ時の鈴ヶ森へ、旅人への追剥ぎ仕事に2人連れてだって行くが、脅し文句もろくすっぽ覚えられない子分と親分の珍道中。鈴ヶ森に着いても、追剥ぎをするどころか鴨となるはずの旅人にも馬鹿にされる始末。
子分の間抜けさ加減と、呆れる親分のしかしこれまた本当は善良な人間なのではないかと思わせる間抜けぶりに笑う。くっきりと演じ分けられた颯爽と強そうな旅人の様子と、弱い盗賊の間抜けさとの対比が凄過ぎて、また可笑しい。
柳家さん生
噺の枕…いやいや、業務連絡があった。
●「第53回わらいぐま現る・さん生ひとり語り」
日時:1月18日(月)夜6時半より
場所:お江戸日本橋亭
木戸:予約2.000円 当日2.500円
演目:「蜘蛛駕籠」「ひとり酒盛り」「紺屋高尾」
●3月2・3日にNHKBS辺りで放送される大型落語番組に、師匠の柳家小満んと2人だけの出演するという。
放送時間などの詳細が、客席から問われてもよく分からない言い訳をしつつ、さりげなく?業務連絡?次々と宣伝?をする。
そして、
古物商について、また物の価値について一頻り語って笑わせた後、いよいよ「猫の皿」。
地方に掘り出し物を探しに出掛けた江戸の道具屋。たいした収穫もなく帰路につく。ふと休みに寄った茶屋で、汚い猫が餌茶碗に使っている皿が、なんと高麗の梅鉢茶椀で、どうみても200円(現在の価格で都心に土地付き一戸建てが買える位の値段と注釈が入る)は下らない代物だと気付く。
さては茶屋の爺さん、梅鉢茶椀の価値を知らずに猫の皿にしていると踏んだ道具屋は、まんまと梅鉢茶椀をまきあげてやろうと画策する。
猫好きを装い膝に抱き上げたり懐に入れたり、その汚い猫を気に入った風で3円(現在の価格で90万円位と注釈が入る)で買い受けたいと申し出る。そしてまぁ〜猫に飯を食わせる為に、今使っているその茶椀を一緒にくれと。
そうですかと、汚い猫の使っていた汚れた梅鉢茶椀ではなく、洗った木のお椀を渡そうとする茶屋の爺さんと、なんと理由をつけてでも汚れた梅鉢茶椀をと食い下がる道具屋の攻防。
とうとう茶屋の爺さんは、この茶わんは高麗の梅鉢茶椀で200円もする高価なものだからだめだと明かす。道具屋は「なんだ知っていたのか」と、計画がとん挫したことにガックリ。我慢して抱いていた汚い猫を、さっさと放り投げる。
「何故高価な梅鉢茶椀で、猫に飯食わせたりなんかするんだ!」「だって、ときどき汚い猫が3円で売れますもので」
うぅ〜〜ん♪、やっぱり落語って面白い。
■■蕎麦
■蕎麦はこの日も、美味しい細打ちの二八。3代目がご存命ならば“変わり蕎麦”をだしたのではないか。柚子切りか…みかん切りあたり…。二八も勿論美味しいのだけれど、季節の変わりも楽しみの一つだったので、少し寂しい。それに…蕎麦前が完売で、満足にいただけなかったので、蕎麦もことさら少なく感じた。あぁ〜空腹が抑えられずにグゥ〜〜と鳴る。
■■手品
■
亡くなった3代目越後屋店主 坂場さんと親交のあった日本奇術協会最高顧問松旭斎すみえが、ほのぼのとした手品を披露。御正月らしく紅白の簾を使った南京玉すだれでは、会場が手拍子で揺れた。話芸にも長けた彼女は寅年・年女だそうで…「幾つだと思う?」と会場に問い「24歳」と即答した御客に「当たりです。」と、静々とマジック種明かしの本をプレゼントしていた。笑いました。
■■じゃんけん大会
■ お正月恒例のじゃんけん大会。これが楽しみで来ているって人も多いのでは?柳家わさびも、しっかりと場を盛り上げる。今年は、友人と3人で参加し、ゲットした賞品は…柳家さん生の手ぬぐい1本。ちょっと寂しい成果だった。負けこす前列付近の我々に「あれぇ?どうしちゃったんですかぁ?頑張ってくださいよぉ」と柳家さん生が、はっぱを掛けてくれるのだが、何故かじゃんけんにとても強い柳家甚語楼の裏の裏をかくような配球?に完全ノックアウト。恨めし顔の我々に「だってぇ。じゃんけんなんですからぁ〜、不正は有りませんよ、不正は。ハハハ」いかにもシテヤッタリとにんまりする柳家甚語楼のとぼけた顔が、可笑しい。ほかの方々には、新年に新調すると縁起が良いとされる財布数種類、厨房から持ち込んだばかりの新鮮かつ豪華な金物笊v(≧∇≦)v付き財布、ゴルフボール、バッグ類数種類、落語協会カレンダー、鍋つかみセット、関連本、そして、私が狙っていた落語家さんの手拭い十数本、などなどいろいろ面白い物が当たった。
■住所北区王子本町1−21−4 王子「無識庵 越後屋」別館2F■電話03-3900-5904■アクセスJR京浜東北線/東京メトロ南北線 王子駅 徒歩8分■営業時間平日昼11:30〜14:30 夜17:15〜21:30/日祝日昼11:30〜15:00 夜17:00〜21:30■定休日水・第3木曜日■寄席開催日時奇数月第二木曜・18時開場、19時開演〜21時頃迄(要予約)
王子「越後屋」2010年正月の越後屋寄の記事を読む
王子「越後屋」2009年正月の越後屋寄席の記事を読む
王子「越後屋」2008年12月4日の記事を読む
王子「越後屋」2008年11月14日の記事を読む
王子「越後屋」2008年7月10日の記事を読む
王子「越後屋」 2006年11月9日の記事を読む
王子「越後屋」 2006年7月15日の記事を読む
王子「越後屋」 2006年5月15日の記事を読む
王子「越後屋」2006年5月2日の記事を読む
2010年01月15日
この記事へのトラックバック
お久しぶりです。
こちら、越後湯沢は3メートルに積もった雪と毎日格闘です。
もちろん蕎麦も打っています。
ところで私2月12日から14日まで浅草にいます。
もう一つの仕事、フライフィッシングの展示会で出展するためです。
場所は都立産業貿易センター(7F南側展示ホール)時間は12:00〜17:00です。
よろしかったらお越しください。
僕が作ったお米も販売いたします。
ではまた。
いつもコメント有難うございます。
凄い…3メートルの積雪…とは…
放っておいたら1階部分は埋まっちゃいそうですね。
玄関を掘り出すって感じなんでしょうか。
この修行のような雪との格闘も、
雪国の人の逞しく辛抱強い資質を作り上げていく理由の一つでしょうか。
そして、
「フライフィッシング ハンドクラフト展」
日時:2月12日(金)〜14日(日)
12:00〜17:00(14日は、16時迄)
場所:都立産業貿易センター
(7F南側展示ホール)
東京都台東区花川戸2-6-5
※入場無料
http://www.fly-tsuruya.co.jp/event/index.html#hand
ですね。
HPを覗いてきましたら、フライフィッシングって…
私、なんかよく分からないながらも、道具も綺麗だなぁ〜と思いました。
魚を釣るのも楽しそうですが、道具を観たり作ったりするのも楽しそうですね。
それに、iwanaさまの作った美味しい魚沼産のお米も買えるとは
花より団子の人(それって私かな?)にも良いニュースです。
お米もおいしいですよ。
ちなみに今日は仕事休んで除雪でした。
でも暖かいから、いい感じで作業できました。
フライ・フィッシングは道具も素敵ですよ。
ぜひ、見学に来て見て下さい。
お待ちしております。
江戸ソバリエの会員の皆様へ。