2009年11月13日

野呂在来

ソバの種の話。品種と一口に言うけれど…。
試験栽培を繰り返し農業試験所などの研究成果として、安定した収量や粒の大きさ、播種期の幅や冷害に対する強さなどに優れたソバの品種が、日本では既に30種類以上も開発登録されている。一方で、ある地方に永年栽培され、その地方の風土に適応した品種のことを在来種(ざいらいしゅ)として、その土地の名をつけて呼び習わす場合も多かった。ソバは他花受精であるために、ほかの品種と交雑しやすく、はっきりした品種区分もしづらいし、純粋な在来品種は減りつつある。そんななかで、個性的な在来種が、なかなかどうして魅力的だと思う人も少なからずいる。

 蕎麦好きが、在来種と聞いて直ぐに思い浮かぶのは、北海道や東北、信州、北関東の寒冷な地域の在来種。これらは、既に全国区で有名になっているものも多い。鹿児島県や宮崎県で古くから栽培されていた鹿屋(かのや)在来、閉ざされた地域であった徳島県西部の祖谷地方の祖谷在来も思い浮かぶ。

 はてさて…千葉県は?どうでしょう。

 千葉県農業大学校の長谷川理成先生が、千葉市若葉区野呂町にある農家の落花生畑の脇で、代々栽培されていたというソバの噂を聞き、独自の特性を備えた在来種であることをつきとめた。なんでもその農家のご先祖が、明治時代埼玉県から引っ越してきた時にソバを持ち込み、栽培したのが始まりで、以来60年以上作ってきたのだが、5〜6年前に作られなくなり、種子だけが残っていたそうだ。そこで、この度このソバが「野呂在来」として、一躍注目を浴びることになった。
 (「在来種」と認定する基準は曖昧らしく、ある地方に“永年”栽培され…という“永年”は、何年?のことだろう?とも思ったが、同じ土地で30年以上栽培され続けることで地域の風土に合い、一つの品種と考えられるらしい。)


 長谷川先生は「暖地で作られる品種で、甘みとコシが強いのが特徴」と説明しているそうで、「千葉手打ち蕎麦の会」が、今年度から普及活動に本腰を入れ、保存されていた種を昨年試験栽培し、「日光そばまつり」(栃木県日光市)に出したところ、関係者や客に大好評を得たという。

 ということで、情報をゲットしたのでお裾わけ。

  「野呂在来」そば祭り
  日 時:11月15日(日) 10:0014:00
 場 所:千葉市富田都市農業交流センター 
  千葉市若葉区富田町711-
 電 話:043−226−0022

 もりそば 500円 売り切れ御免
蕎麦打ち教室、豚汁・手作り蒟蒻の販売、地元野菜の販売、津軽三味線の演奏、
野呂在来の生育過程のパネル展示


  更に
 千葉市民産業まつり」


日 時:
1122日(日)10:0016:00




場 所:
千葉市中央卸売市場内




    
千葉市美浜区高浜2−2−1






                野呂在来の蕎麦を振る舞う予定が有るらしい。



電 話:043−245−5757 








    次項有市原市「花月庵 みのしま」ブログ内記事へ
    

     ※野呂在来を食べられるお店です。









posted by 笑門来福 at 23:29| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | ■「耳学」いろいろと薀蓄を | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今回は品種ですねえ〜。
ここの記事は楽しいし、勉強にもなりますから
好きです。
今年家で撒いたのは、信濃1号かな?
実は赤い実が付いたそばも含まれていたんで・・・。
今年、5キロくらい撒いて60`ちょっと収穫できました。
農家なのに、蕎麦の品種にはちょっと疎かった。
といっても美味しいそばを食べたいから、来年も作ります。
品種も栽培ももっと勉強しなきゃ、

お恥ずかしい話ですが、そばは痩せた土地でも育つといいますが、やはりある程度養分のある、ちゃんとした土地で育てるのがいい。それがようやくわかりました。

今年は休耕地(田んぼ)だから水はけもよくするため、溝をほり、水が流れる側溝を造ったり・・・。
来年はまたちょっと蕎麦栽培面積が増えるし・・・。楽しみます。
Posted by iwana at 2009年11月14日 07:08
iwana さま

いつもコメント有難うございます。

私は、唯の蕎麦好き消費者なので、恥ずかしながら専門的なことはわかりません。
食いしん坊消費者として、日々 あ〜かなぁ?こ〜かなぁ?と、大好きな蕎麦について思い巡らし、調べたり、食べたり…というところです。
そんな私ですので、何かのお役に立てるわけではありませんが、ブログを読んでくださる方々や、巡り合う方にいろいろとお教えいただいたり、情報交換をすることで、一緒に少〜〜〜し前に進むことができればと思っています。その辺りをお許しいただいた上で…

>そばは痩せた土地でも育つといいますが、
>やはりある程度養分のある、ちゃんとした土地で育てるのがいい。

そうらしいです。
それぞれの作物には、それに適した栄養分が必要で、蕎麦も例外ではないそうです。
土の作り方で、無駄に徒長してしまったり、実入りが悪かったり…。

その辺りは、
ブログ内記事でもご紹介しましたが、「ソバ博士のそば講座2009@信州蓼科高原」http://edosobalier-ishiusu.seesaa.net/article/126609540.html
などの講座を設けた、そば資料館・研究センターの先生方のお話で伺った事があります。


昨日も「野呂在来」の栽培に挑戦した方の今年の畑の様子と、実入りの様子を隣接地の「キタワセ」種と比べてお聞きしましたが、それはそれは大変なようでした。ご苦労を楽しそうに御話くださるので、聞く方もまた益々蕎麦の世界にひき込まれてしまうのですが。

ということで、
具体的に何のお役にも立てないのですが…
蕎麦って楽しいです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
Posted by 笑門来福 at 2009年11月15日 11:11
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