2009年10月29日

松江「ふる川」

伺ったのはまだ暑い912日。
それなのに、今頃記事アップ。<m(__)m>
 090912ふる川店構え.jpg


少し前、松江「ふる川」のご主人のブログで残念なお知らせを読んだ。蕎麦屋をたたんで第3の人生を考えるという記事だ。とても悲しくなった。伺わなくてはと、暮れなずむ頃お店に向かう。

 
さて、先客が2人いた。聞くとはなしに聞こえてきた会話の内容からして、その2人は美味しいもの好きが高じて、蕎麦屋を食べ歩いている恋人同士のようだった。静かに「美味しい、美味しい。」と言っては蕎麦前をつつき合い、「獺祭」のおかわりをしている。うぅ〜ん、好ましい。素晴らしい。いい感じである。人類皆、こうでなくてはならない。皆こうであれば、日本全国の美味しい蕎麦屋が大繁盛で、世界経済もすぐに持ち直すであろう。こうであるよう夜空の星に願うことにする。

 前フリが長いっ!?ので、そろそろ本題。

蕎麦前

まず、ビール(アサヒスーパードライなんだなぁ(--)、揚げ蕎麦が付いてきます。)をお願いし、良心的な価格設定の品書きに見入る。この店は、品書きを字面で追う以上に、目前に料理が並ぶと“量もたっぷりぃ〜♪”と実感することを知っている。つまり、欲望に忠実にあれもこれもと注文すると、ついつい食べ過ぎる。満腹どころか、腹12分となる。でも、その為に駅から歩いてここまできたのだから、良しとするかぁ〜っとメタボ腹を括り、食べたいものを躊躇なくオーダーする。

 

ふる川出汁巻き090912.jpg
   出汁巻き玉子焼き¥500-
   三つ葉も入って香り良く、甘過ぎない。
   ぷるんぷるんで、添えられた紫蘇と大根おろしが爽やか。


 ふる川桜海老090912.jpg
   桜海老のかき揚げ¥500-
   塩も天つゆも付くのですが
   卓上の抹茶塩でも。
 ふる川真いかの沖漬090912.jpg
   真烏賊の沖漬け¥500-
   お皿にどぉ〜んとまるまる1杯。
   ワタが堪りません。日本酒がすすむぅ。


  ふる川舞茸天ぷら090912.jpg
   舞茸の天ぷら¥500-
   香りと歯ごたえが素晴らしい。

  
ビール瓶ビール¥500.-(スーパードライは…個人的には…(;一_)なんですけれどぉ。)

  ↓
1獺祭¥700.-
2
真澄¥600.-

3大七純米生もと¥600.-(熱燗でね。)×2
4越乃白梅本醸¥500.-(熱燗でね。)
この日は、2人で5合。飲みすぎ?かな?ダメ?かな?
明日から節酒っ!

  蕎麦辛汁、そして薬味



ふる川せいろ二八090912.jpg
せいろ¥700-は二八だ。以前伺ってブログに書いた麺と基本的には同じ細打ちであったが、
〜〜〜0812月のブログ記事〜〜〜
蕎上人」の二八よりもほんの少しもっちり感が強く、粗めの粉が混じっているような…と思って伺うと、会津産の石臼挽きのソバ粉8割の部分のその内の1割位に少し粗挽きな他の産地のソバ粉を入れて、もっちり感を出しているとのこと。〜〜〜

それよりも、少しシャープになってのど越しの良さが感じられた。 

ふる川十割090912.jpg
十割蕎麦¥900-も食べた。土日限定で、平日は食べられない。店主はもともと生粉打ち派だったそうだが、蕎上人で学び考えをかえたそうだ。二八よりも少し太め。
 辛汁は、枕崎産の2年半もの本節と亀節で、濃厚な出汁をとっている。返しは、すっきり系。
 薬味は、オーソドックスにねぎと山葵。


  蕎麦湯

とろぉ〜りポタージュ系。実は私、蕎麦を手繰るきには、ほとんどねぎを使わない。ねぎは気が向けば時々蕎麦湯に入れる。そして、時々七色も入れたりなんかもしてぇ。でも、最後はストレート蕎麦湯で。


  店をたたむ訳
 
「ちゃんとした水準を保てないのでは脱サラして蕎麦屋をやる意味がない」という店主の言葉通り、値段が安いのに、ちゃんとしている。端からそんなに儲けようという気もないようで、唯 自分で納得のできる水準の蕎麦を出し、居心地の良い店を作ろうとしていた。商売商売していないというか、良い意味で素人感覚が抜けないのか。だから、あと少しで店をたたむと聞いて悲しくなった。「まぁ〜今年いっぱいくらいで、ねぇ…。」「誰か居抜きでやる人いないですかねぇ…。」という。店主の古川さんが、時々休みながらも満身創痍で頑張っていらっしゃることは知っていたが、奥様も体調を崩されるに至り、ここらへんで踏ん切りをつけようと決心なさったとか。他に何にも変えられないのが健康だ。健康が一番大切。本当に仕方がない。しかしそれでも残念である。
  081229日ブログ内「ふる川」の記事へ
  
ご主人のブログ「蕎麦屋の戯言」  
松江「ふる川」のHP
  

■住所江戸川区松江2--■電話03-3655-7239 ■営業時間11:30 14:00 ( 売り切れ次第 ) 17:30 20:00 ( 売り切れ次第 ) ■定 休 日 月の夜・火 ・ 水■アクセスJR総武線新小岩駅南口下車 タクシー又は都営バス葛西駅行き 松江バス停下車徒歩2分。西葛西行きは東小松川一丁目バス停下車徒歩5分。都営新宿線船堀駅下車 新小岩駅行き又は錦糸町駅行き都営バスで東小松川一丁目バス停下車徒歩5分。都営新宿線一之江駅下車 新小岩行きか亀戸行きで松江バス停下車徒歩2分
posted by 笑門来福 at 17:44| 東京 ☀| Comment(15) | TrackBack(0) | 江戸川・葛飾・江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
惜しいお蕎麦やさんですね。細打ちでもっちり感があるとのこといいですね。そば粉もブレンドがいい塩梅なんでしょうか。桜海老のかき揚げ、真烏賊の沖漬け…と、いつも垂涎のレポート、楽しんでます。あまり飲み過ぎないように。無理ですか…。
Posted by そばすきー at 2009年10月30日 12:42
〜 笑門来福様 〜
一枚目(店構え)の写真アングル、いいですね〜!
今度私も伺った時は、同じアングルで一枚撮りたいです。
              で、
まだいつが最後の営業日なのか伺っておりませんので
毎日なにかと不安なのですが・・・
なんとか11月中には夜蕎麦にお邪魔したいと思っております。
私の周りの皆さんはお忙しいようで、
恐らく一人酒になると思いますが・・・ (寂〜&笑)
でもそれが、
私にとって最後の “ ふる川 ” さんになってしまうのでしょうか・・・

それでは、また・・・
Posted by 蕎麦麩羅座 at 2009年10月30日 19:28
残念なお知らせです。
「道楽そば」閉店します。
中里観光協会にクレームがきたらしく、(祭りのとき)対処できなかったのと、祭り始まって初めてのクレームで観光協会に迷惑がかかったとの知らせで・・・。

責任をとってお店閉店します。玄蕎麦とボクチ
はとっておこう。難しいなあ〜。商売は・・・。

家で美味しいと思った蕎麦を提供していきたいと思っただけなのに・・・。ここの土地は違いましたねえ、蕎麦の味もまあまあでお客が沢山入る店がほしかったのね。
こだわりの蕎麦はうけいれられなかったということ・・・。でも今の蕎麦は変えられない。
だって美味しいって言ってくれるお客さんがいたのだから・・・。少しでもいいからそんなお客に蕎麦を提供していきたかったなあ。

でもそのうち、看板の無いこだわりの蕎麦屋やりたいなあ。お客は入らなくてもいいから、美味しいと思う蕎麦を提供したいなあ。

ごめんなさい。愚痴ってしまいました。
でも修行はしていきます。まだまだ美味しいお蕎麦打っていきたいから・・・。

来年はソバリエ講習受けます。
Posted by iwana at 2009年10月30日 21:01
そばすきー さま

いつもコメント有難うございます。
そうなんです。閉店は本当に残念なんです。
素敵なご主人と、素敵なお蕎麦なんですけれどねぇ。

ところで
>あまり飲み過ぎないように。無理ですか…。
無理って、ハハハ。
ソバスキーさまったら、思い違いをしていらっしゃる。
私はそんなに…(^_^;)ですよ。
今度、是非ご一緒下さい。
Posted by 笑門来福 at 2009年10月30日 21:36
蕎麦麩羅座 さま

いつもコメント有難うございます。

>まだいつが最後の営業日なのか伺っておりませんので
>毎日なにかと不安なのですが・・・

そうなんですよね。
私も、ふる川のご主人のブログを、毎日おっかなびっくり読んでいます。
ここ2・3日元気がないようだし…。

まだまだ、真烏賊の沖漬で大七飲みたいです。
それに、「蕎麦屋のアイス」まだ食べたことがないし…。
残りの時間にまた伺いたいです。

そして、
蕎麦麩羅座さまの記事を楽しみにしています。
こうなれば、「ふる川」という素敵なお店があったことを、
ブログ記事に記録として残しましょうね。
ではでは。
いつも有難うございます。
Posted by 笑門来福 at 2009年10月30日 21:47
iwana さま

いつもコメント有難うございます。

>「道楽そば」閉店します。

>クレームで観光協会に迷惑がかかったとの知らせで・・・

そうなんですか…詳しい事情は分かりませんが、
それは残念ですね。
こだわりの蕎麦屋さんも受け入れてもらえるとよいのですが、
魚沼といえば特別に美味しい米どころだから、
皆さん興味の対象が、蕎麦よりご飯なんでしょうか…?

どうかめげないで、美味しいものを追い求めてくださいね。
迷いながらも、一生懸命安全で美味しい物を探求していれば
きっと、理解してくださるようになると思います。
美味しいものは、人を幸せな気持ちにさせますから。

そして、来年のソバリエ受講、大歓迎です。
私がソバリエ認定委員会をやっているわけではありませんが、
受講仲間が増えることを、心より歓迎いたします。

頑張れ、頑張れ♪iwana ♪♪
フレ〜♪フレ〜iwana ♪
Posted by 笑門来福 at 2009年10月30日 22:03
笑門来福さま

その後の報告です。
今シーズン「道楽そば」はなんとか開店します。
一部の地元ファンが後押ししてくれました。

ただし、条件付で私は一切お店にたずさわらない、まあ蕎麦は打ちますけど、お店には出ないと言うことでまとまりました。

お店は親父とお袋が変わらずにやります。
よろしくお願いいたします。

私は今後どのようなお店がいいか勉強と蕎麦の修行をしていきますのでよろしくお願いいたします。
Posted by iwana at 2009年11月02日 13:26
iwana さま

いつもコメント有難うございます。

TVのニュースでは、北海道や日本海側の地域では、もぅ雪も降ったとかっ!!
除雪作業の映像が流れていました。
iwanaさまのところも、もぅ寒いでしょうねぇ。
我が家もそろそろストーブの準備をしなくっちゃ。

>…私は一切お店にたずさわらない…
って、なんだか気になりますが
でも、「道楽そば」今シーズンもOPENですね。
ともあれ、ちょっとよかったですね。

>一部の地元ファンが後押ししてくれました
そうですか。
一生懸命頑張っていると、ちゃんと見ててくれて
応援してくれる人が現れるんですね。
嬉しく、有り難いことですよね。
だからまた頑張れる。好循環だと思います。

遠くからですが、勉強や修行 応援しています。
健康に注意して頑張ってくださいね。
Posted by 笑門来福 at 2009年11月02日 21:41
おはようございます。
雪が積もりました。スタッドレスタイヤに交換しました。
畑で栽培した蕎麦、60キロ以上の収穫になりました。手で刈って、昔ながらでそば殻を落とし、干して洗って玄蕎麦にして米袋に25キロづつ入れました。
これを冬は粉にして蕎麦にします。粉は近所の製粉機械があるところにお願いして・・・。
玄蕎麦はお米と一緒に12℃から13℃の倉庫にしまっておきます。

5日の午後2時ごろ飯田橋の蕎麦ウオッチング展に行きます。
本当は逢って見たいのですが・・・。いずれの機会に。
それでは失礼いたします。
Posted by iwana at 2009年11月03日 13:38
iwana さま

おはようございます。
いつもコメント有難うございます。

やはり雪でしたか。
東京も随分と冷えましたから…魚沼はさぞや。

作物のプロに質問ですが…
>…干して洗って玄蕎麦にして…
私は、今まで何度か東京とその近郊でソバ収穫のお手伝いをしておりますが
我々のところでは洗ったことはありません。
干す→脱穀→(摩擦熱がでないように)磨き とやっています。
水で洗うのですか?

ソバの実を冷た〜〜い水に浸す「寒晒し蕎麦粉」をつくるのでしょうか?
http://edosobalier-ishiusu.seesaa.net/article/102266008.html

ある寒冷地での「寒晒し」手法を、大雑把に聞いていますが、
あまり詳しく知らず、「寒晒し」は皆同じやり方なのか、
また他のどんな場所でやっているのか興味があります。
それとも、「寒晒し」とはまた違うものなのか、
もう少し詳しく教えてください。
どうぞよろしくお願いいたします。

水で洗って玄蕎麦をつくり、オヤマボクチ(雄山火口)をつなぎにして打っている。
蕎麦って本当に面白いですね。
Posted by 笑門来福 at 2009年11月04日 09:06
はい、洗うというのは刈り取ったあと、土や小石が混ざっているので川の水で洗って玄蕎麦だけにするのです。流水で洗うので手が冷たいというより、痛いのです。わかるかなあ?この感覚。
昔からじいちゃん、ばあちゃんがやっている方法です。そして天日干しをするんです。
まだ粉にしてないけれど、去年の粉は今も香りが強く、甘みもあります。そしてボクチも入っているから腰が強い喉越しのよいものができるんです。汁もこだわって、でも難しいんですよねえ。
まだまだ勉強、修行しなきゃ。
Posted by iwana at 2009年11月04日 11:22
笑門来福さま
 随分遠方まで行動範囲を広げておられますね、
信州茅野の寒晒し蕎麦とは違った方法での収穫から製粉までの工程、そして、細切りでありながら、もちもち感のある美味しいおそば、肴の数々との出会い、酒の中にはきっとあなたの好きな銘柄が含まれていたのでは、と勝手ながら想像しています、拘りのお蕎麦屋 松江「ふる川」のご主人さん更に修業,蘊蓄を積まれ、また何時の日か店主としてカンバックされると良いですね。
 ところで お酒は少々控え目にされた方がよろしい
のではないでしょうか・・・
Posted by 龍成 at 2009年11月06日 22:35
iwana さま

美味しいお蕎麦をお客様の為に提供し続けていけば、何時かは人が認めてくれる事を信じて頑張ってください。
 来年 江戸ソバリエ講座を受講されるとのこと、知識、研鑽を積まれ、今後の道を拓いて行かれます事を祈念しております。
 どこかでお目にかかる機会が有ると良いですね、
では・・ ・
Posted by 龍成 at 2009年11月06日 23:27
iwana さま

おはようございます。
いつもコメント有難うございます。

風邪でダウンしておりまして、お返事が遅くなりました。m(_"_)m


>流水で洗うので手が冷たいというより、痛いのです。
>わかるかなあ?この感覚。
わかります。わかります。
真冬に水で食器洗いをすると、痛いですものね。
あれを、さらに冷たく酷くした感じですよね、たぶん。痛かった手が、だんだん…もぅ感覚がなくなるような。


>昔からじいちゃん、ばあちゃんがやっている方法です。
>そして天日干しをするんです。
>…去年の粉は今も香りが強く、甘みもあります。

香りを強く、甘みも残すっ!昔からの知恵の詰まった方法なのですね。きっと。
過日、蕎麦雑誌に発表された「寒晒し」の科学的な分析に、魔法のようだと思いましたが、
たぶん、iwana さまの地域の昔からのこの方法にも、似た数値がでるのでは?と思いました。

手が痛いほど冷たい水に、秘密があるのでしょうかね。
新潟の水、流石ですね。
Posted by 笑門来福 at 2009年11月07日 08:57
龍成さま

おはようございます。
いつもコメント有難うございます。

>拘りのお蕎麦屋 松江「ふる川」のご主人さん…カンバックされると良いですね。
本当にそうですね。
ご店主夫妻、ゆっくり休んで体調を戻し、週末だけとか、限定日だけとか、何かの形でカムバックしてくれたら嬉しいなぁ〜と思います。

>ところで お酒は少々控え目にされた方がよろしい…
はい。m(_"_)m 有難うございます、心がけます。
ここ3日間は、風邪薬を飲んでおりますので、完全休肝日です。
この勢い(?)で、しばらくお休みします。
龍成さまも、石臼の会の皆さまと一緒に盛り上がって誘わないでくださいね。
なぁ〜んて、人の所為にしたりなんかして。反省です。
Posted by 笑門来福 at 2009年11月07日 09:20
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