4月,茨城県牛久市での単身赴任生活が始まった。
牛久といえば河童で有名であるが,ほかにも,日本初のワイン製造工場だった「牛久シャトー神谷」があり,そこは浅草の「神谷バー」の「電気ブラン」の製造元でもある。
また,町のはずれには浄土真宗東本願寺が造営した世界最大の「牛久大仏」がそそり立っている。
さらに,近くの高速道圏央道の阿見東インターチェンジ周辺に,この7月に関東最大のアウトレットモールが開業されるらしい。車の方は東京からでも短時間であり,観光的には魅力的な町である。
しかし,「ちゃりんこ」を交通手段とする私にとっては,どこへ行くのにも優に小一時間ほどかかる田舎である。毎朝,自然のホーホケキョの声を目覚まし代わりとしているのが,それを裏付けている。
さて,牛久の紹介はこれくらいにして,江戸ソバリエのO氏から教えられた「生粉打ちそば 梧桐」へ小一時間ほどかかって,ちゃりんこで行ってきた。
12時前に入ったところ,お客はいなかったが,すぐに初老の夫婦連れが入店してきた。
カウンターと四人掛けのテーブルが三台あるこじんまりとした店内であった。生粉打ちそばと田舎そばの二色そばをたのんだ。
そば粉について質問したところ,店主は「私のそば粉は製粉屋に頼んでいるが,粉屋は地元産と言っている。そば粉は国産のものしか使っていない。輸入品のそば粉は,かなり乾燥したものを仕入れており,悪質な業者は水をかけるのでカビが生えている可能性があるので注意した方が良い。そばは,粉と水が良ければ,うまいそばになる。」と話してくれた。
確かに,ここのそばは生粉打ちも田舎そばもおいしかった。
初老の夫婦が分厚いテーブルに興味を示したようで,店主に説明を求めていた。
店主は「店のテーブル,カウンターや椅子は,弟子入りしていた工芸店と一緒になって作りました。三つのテーブルの天板は,本当は一本の松材でしたが,それを三等分にしました。もったいないと言われましたが,狭い店内ではいたし方なかったのです。天板の幅は普通のものより厚くしています。節とか傷とかがありますが,作った時のことは今でも忘れられない思い出です。また,脚も変わっているでしょう・・・」と,とうとうと話してくれた。
店主は,そば打ちの技術もさることながら,この店を深く愛し,誇りにしているのだなぁと感じた。
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以上
「生粉打ちそば 梧桐」素敵なお店ですね。
仲間うちでも、蕎麦打ち道具を木工作業で手作りする人も多いし、木工芸と蕎麦打ちって地続きなんですかね。
共にそば打ちを学んだ友人です。 そばの打ち方など独学で工夫し 自分のスタイルを作り上げた
努力家です。
なかなかいいおそば屋です。