2009年01月22日

王子「無識庵 越後屋」

越後屋店構え

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15日(木)19時、節目の150回目を迎えた“蕎麦屋で落語”「越後屋寄席」に行って来た。それはそれは賑やかで楽しいお正月特別バージョン。いつもの柳家さん生、柳家甚語楼、柳家わさびに加え、お蕎麦の時間を挟んでゲストに松旭斎すみえ、仲八郎も出演し、恒例のじゃんけん大会で豪華?賞品もゲットできるのに、木戸銭はいつもの通りの2500円。年の初めの初笑いを大いに楽しんで、今年も春から縁起がいいわい。百年に一度の大不況も笑って吹きとばせぇぃっ!という気分に。

 
 落語
   
柳家わさび
■つる
wikipediaによれば元は「絵根間」という古典落語の最後の部分だったそうで、若手落語家の前座噺として扱われることの多い短い噺らしい。鶴の名前のおかしな由来について、物知りVS無知な男 の間抜けなやり取りで笑わせるものだった。2.5〜3時間という時間内に5人の演者とじゃんけん大会、更には蕎麦の時間と次第の多いこの日、柳家わさびに割り当てられた時間は短く、チャチャッと聞かせどころを凝縮させるのに苦労していたようだ。最近、落語家らしい顔つきになって頑張る柳家わさび君の今後に期待したい。 

 
柳家甚語楼
■権助芝居まくらで素人の落語演者とプロの噺家違いを、面白可笑しく力説していた柳家甚語楼は、お馴染みの若旦那や飯炊き権助の素人芝居を笑う噺「権助芝居」への導入も滑らかで淀みがない。噺にどんどん引き込まれたいったが、他の登場人物の顔でなく、東北弁?信州弁?を使う飯炊きの権助の顔がハッキリと思い浮かんでくるのは…我が家の息子に良く似た柳家甚語楼の顔のせい?なぁ〜んてことを、フッと思う。権助がドタバタ大暴れするのは、お約束ながら笑ってしまうぅ。

 
 柳家さん生
■湯屋番柳家さん生が、越後屋寄席の第一回にやった噺だそうだ。流石手慣れた運びで、ノリノリ。放蕩の末勘当になった若旦那。大工の棟梁のところへ居候するが、念願かなって銭湯の番台に座る。しかし、期待外れに女湯が空っぽなので、妙な妄想に耽る様子は、柳家さん生の“得意技”に見える。若旦那のロクデナシぶりが可笑しい。馬鹿だなぁ〜と、どうしてもガハハと笑っちゃう。

 
         ビール途中休憩 蕎麦の時間  

 色物
  亡くなった3代目越後屋店主 坂場さんとも親交のあった二人がゲスト出演。

 仲八郎
ウクレレと珍妙な喋りで客席からお題をもらってとく『謎かけ問答』を繰り広げる。客席の平均年齢が窺い知れる?古〜〜い歌手の名前の並んだお題に、超余裕の表情。しかし、若ぶるわけじゃないのだけれど、残念ながら客席から採用したお題そのものを知らなかったり、取り上げられた歌手の名前を聞いても、それがどんな人か見当がつかず、オチの分からない問答が1/3ほどあった。分からなくても、なんだか妙に味わいがあって可笑しいのは、芸のなせる技?なのか。皇室ネタ、歴代首相ネタが、面白かった。
 


松旭斎すみえ

日本奇術協会の最高顧問で、芸術祭優秀賞受賞者。最近の大掛かりでスピーディーなイリュージョン、マジックというよりは、その名も「手品」って感じの、ほのぼのっ〜〜とした舞台。惹きつける話術で、客席を完全な味方につける。 


  じゃんけん大会
  お正月恒例のじゃんけん大会。これが楽しみで来ているって人も多いのでは?友人と5人で参加し、私以外全員にお土産を頂きました。えぇ〜と4人がゲットした賞品は…、噺家さん手ぬぐい2種類2本、ストッキング1枚、3代目の本、金粉入り日本酒。私も手ぬぐい欲しかったですぅ。残念。それにしても柳家甚語楼さんはじゃんけんが強い。これって特技でしょうか?ねぇ?来年のじゃんけん大会の為に、私じゃんけんの練習しなくっちゃ。 


 
  蕎麦と蕎麦汁
   
越後屋寄席での二八蕎麦はこの日も、細打ちの二八。3代目がご存命ならば“変わり蕎麦”をだしたのではないか。柚子切りか…みかん切りあたり…。二八も勿論美味しいのだけれど、季節の変わりも楽しみの一つだったので、少し寂しい。

蕎麦汁は、3代目が亡くなって少し変った。大好きだった濃くて円やかに一体となって纏まった辛汁が、4代目坂場正康さんになり少しシャープになった。老練な技を感じる汁だったのが、若くなり少し醤油の角を感じる。強い甘みがそれと離れたところに、くっきりと際立っている。どちらが好きか、好みはそれぞれだろうが…。
 


 
  薬味蕎麦湯
■  寄席の時に使われる小さな蒸篭の隅に、ねぎと山葵。こちらの店は、原則的に蕎麦湯は作らない。自然な釜の湯だ。落語の合間の短い時間ながら、たっぷりと蕎麦湯の入った湯桶が、何度か回ってきた。皆さん、つい、おかわりしちゃうんですよね。 

 
 ■住所北区王子本町1−21−4 王子「無識庵 越後屋」別館2F■電話03-3900-5904■アクセスJR京浜東北線/東京メトロ南北線 王子駅 徒歩8■営業時間平日昼11301430 夜17152130/日祝日昼11301500 夜17002130■定休日水・第3木曜日■寄席開催日時奇数月第二木曜・18時開場、19時開演〜21時頃迄(要予約)

 


  


     次項有 王子「越後屋」2010年正月の越後屋寄の記事を読む
  次項有 王子「越後屋」2009年正月の越後屋寄席の記事を読む
  次項有王子「越後屋」2008年12月4日の記事を読む
 次項有
王子「越後屋」2008年11月14日の記事を読む
   次項有王子「越後屋」2008年7月10日の記事を読む
 次項有王子「越後屋」 2006年11月9日の記事を読む
  次項有王子「越後屋」 2006年7月15日の記事を読む
次項有王子「越後屋」 2006年5月15日の記事を読む
次項有王子「越後屋」2006年5月2日の記事を読む
posted by 笑門来福 at 11:13| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 荒川・足立・北区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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