2008年10月30日
上十条「彩め」
凡そ半年ぶりの再訪。ご近所の医学生さんでいっぱいの店内には、新蕎麦の張り紙。期待が膨らむ。席が空くまで暫く待つことになったので、皆さんの食べているものを、ちらりと覗いてみると、見渡せるほぼ全員が小ぶりの丼物と麺のランチセットだ。
天丼とせいろ、ねぎとろ鉄火丼と饂飩等。ランチの品書きは、20代中頃のターゲット?に絞り込んだ設定で、学生さんのお腹を十分に満たしつつ、贅沢な若者の鑑賞に堪える味でなくてはならない。品書きからは、待たせないメニュー開発の工夫も感じられる。
でも私は、丼物より♪新♪蕎♪麦♪〜と思っていると、
花番をつとめる奥様から「ちょうど御飯が終ってしまって…、炊けるまでランチセットはお出しできません。お蕎麦か饂飩の単品メニューだけになってしまいました」と。全然OKですよぉ。蕎麦が食べたいのですからぁ。でも待ってください?あれ?まだ12時半ですよぉ。物凄い回転数ですなぁ。繁盛してますなぁ。と、続けざまに心の中で呟く。
ほどなく席に案内され、生後5カ月の乳児連れのご夫妻と相席だ。OK。OK。可愛い相席者に心癒され、若いパパと離乳食の話・饂飩の話しなどする。改めて品書きを眺め、【冷たい蕎麦】の欄から、揚げ茄子おろしレモン添え¥1050.-と、海老天おろし¥1150.-をお願いすることに。気分は新蕎麦せいろ2枚と海老天と茄子というところなので、こういったチョイスになろうかと。でもちょっと頼み過ぎたかな?いやお腹の分量ことでなく、テーブルの面積の話。一挙にだされると、テーブルに載らないかもしれない?相席の方に迷惑がかかるかも。まぁ〜重ねてしまえば、なんとかなるだろう。
■蕎麦なんとなく予想していたものと違うものが来た。海老天と揚げ茄子、それにせいろを所望していたのだが…並んだものは、ぶっかけ2種。
そういえば、せいろを食べたい場合は、【冷たい蕎麦】の欄ではなく!【つけ】という品書き欄から選ぶのだったかな?…今日は品書きの【つけ】が目に止まらなかったなぁ…ちと、間違った。まっ、いいか。急いで写真をとってお盆を外し、テーブル面積の節約に努める。
麺は色白で、細〜く!細く!更に細い。そして長い。グッと麺を持ち上げると、プツンと切れることなく、ニュ〜ンと弾力を感じる。2月に来た時に北海道産そば粉を主にした、粗挽きの混じった二八の極細打ちと聞いたが、目の前の麺は微粉混じり挽きで、割りは…???。
うどんを食べている相席の若いパパが、私の食べている蕎麦を「細いですねぇ、白滝みたいですねぇ」と声を掛けてきた。白滝とは思わなかったけれど、そう言われれば…蕎麦というより素麺に近い気もしてくる。細い分、かけられているお汁に浸っても負けないように?少し硬めの茹であがりで、コシがある。あぁやっぱり白滝か…いや饂飩寄り蕎麦?いや素麺?載せられた刻み海苔の香りがする。
ぶっかけの汁は、甘みが少なく癖のないあっさり系で、海老天にも、揚げ茄子にもたっぷりの大根おろしが入って、とても美味しい。紫蘇の天麩羅もパリッと嬉しい仕上がりだ。2品とも油を使った料理のトッピングだが、爽やかで軽快なぶっかけで、するすると入ってしまう。2品頼んだのは正解の分量。別添の薬味は、2品ともねぎ。
■薬味と蕎麦湯大概いつもなんとなく、薬味のねぎは蕎麦を食べる時に使わず、蕎麦湯を飲むときに使う。今日はねぎが、まるまる残った。そしてこの度は、2品ともぶっかけであったので、必然的に大どんぶり状態の器に、蕎麦湯を注ぐことになる。本当は蕎麦猪口が欲しかったが、「蕎麦湯です」と運んでくださったときに、大混雑する店内を一人で取り仕切る奥様にお願いすることが憚られ、最初に出されたお茶の入っていた蕎麦猪口状の器を飲みほし、そこに蕎麦湯を注ぐことにした。
白濁しドロロ〜〜ンとした蕎麦湯。2月訪問時の書き込み(濃度が濃くトロトロで、薄茶色がかっていた。うどん風味だったので別製ではないだろう。同じ釜で饂飩も茹でているのだかろうから仕方がないのだが、蕎麦っ食いとしては蕎麦の香りの蕎麦湯が飲みたかった。)と、寸分違わぬのが今日の蕎麦湯。いや更に饂飩味が濃厚で、いっそ「うどん湯」と言うべきか。しかし、お店は悪くない、ここは蕎麦も出す「うどん屋」さんという位置づけであったことを思い出す。
上十条「彩め」2008年3月3日の記事を読む
上十条「彩め」2008年2月15日の記事を読む
■住所北区上十条3-12-7■電話03-3909-5081■営業時間11:30〜15:00、17:30〜21:00 ■定休日不定休ながら、お正月も5日にはあいていた。休みはそう多くない。■アクセスJR埼京線十条駅徒歩8分、都営三田線板橋本町徒歩13分、都営・国際興業バス「上十条4丁目」バス停の目の前
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