今日もまだ、前庭を工事中。なかなか出来あがらないなぁ〜と思いつつ、店内へ。こちらのお店は「石臼の会」興味津々さんの縄張り?だ。事前に一声掛けておけば、快く案内してくださっただろう。でも、この日は飯田橋で用事があり遅くなった。それではということで、急遽?懸案であった「津軽そば」を食べて帰ることに。
生粉打ち亭は、池袋→江戸川橋→牛込神楽坂と移転してきた。移動の度にお店はどんどん綺麗に。この夜は、厨房1人、花番1人。忙しいであろうに、花番さんはニコニコと気さくで和やかな人柄が滲み出ており、すぐに打ち解けて寛げる雰囲気を作り出している。入れ替わり立ちかわり、家族連れがテーブルにつく。(蕎麦仲間で呼ぶところの通称)蕎麦ロード・牛込中央通りは、超のつく有名蕎麦屋が密集している脅威の地域であるが、生粉打ち亭はその気さくさから、地域の家族にも愛されているのだろう。
■そば粉今は、福井の在来種、茨城・栃木の在来種や常陸秋蕎麦が主。秋新蕎麦の頃は、山形の出羽かおりになる予定だそうだ。自家製粉をやっている店でも、丸抜きから作業の店が多いのだが、こちらでは、小石や不純物をのぞき玄そばの選別から始め、皮をむき、電動石臼にかける。
挽いたそば粉は、「江戸蕎麦」は20〜30メッシュで、「田舎蕎麦」が40メッシュ、「津軽蕎麦」を20メッシュで篩っているとのこと。「田舎」が他より細かいのが少々意外に感じられて伺うが「江戸」用の粉とブレンドして、田舎に仕立てていると、この日厨房にいた芳賀さんは、手間のかかる作業を、さも楽しいことのように説明してくださった。
■蕎麦前今回の同行者は、メタボなんてちっとも気にしていない呑兵衛の食いしん坊である。品書きを広げるが早いか、どんどんと注文し、直ぐに持ってきてくださった生ビールを、グビグビ。(良いのだろうか?尿酸値は?)
生ビールとお通しのにしん 鳥軟骨と日本酒
箸置きになっている折鶴は持って帰ってもいいそうです。
生ビール¥500.-、小豆島「磯松」純米吟醸¥?、岐阜「吉」特選辛口\700.-、山形「冽」純米吟醸\700.-、新潟「〆張鶴」純米吟醸\900.-、雑穀焼酎「とんでんなか」\600.-、私は、焼酎の手前でギブアップしたものの、美味しい肴にお酒がすすんだ。お通しのにしんに始まり、出汁巻き玉子、蕎麦刺身(勝手に命名“ちょっとイタリア〜〜ン♪”)、鴨(勝手に命名“ネギが鴨背負ってグゥ”)、鳥軟骨、なかでもふぐの卵巣粕漬け¥500.-、が特に気に入った。
左:出し巻き玉子 右:鴨(焼きネギ・山葵で…品書き名を忘れました。
仮に、ネギが鴨背負ってぐぅ ってのは、どうでしょ?)
ふぐの卵巣粕漬け 蕎麦刺し。なんだかイタリアンでした
さて、お目当ての「津軽蕎麦」。都内で食べられるのは、ここ生粉打ち亭だけだと聞いている。もっと硬く、ポキポキ感のあるものだと思っていたら、なんとしなやかで上品な風情。独特の甘みがあり、残り香のような大豆の風味が後をひく。この幻の蕎麦は、急速に水が切れるのか、麺が水を吸い込んでしまうのか、せいろの上ですぐに麺がくっついてきた。
せいろ (津軽蕎麦)
少し前にTVで、今は幻と言われるようになってしまったこの蕎麦を、東北の町の食堂?風な厨房で、打ち方を見て、食べるというものを見たような記憶があり、その時は「つなぎ」として「大豆或いは豆腐」を使うと紹介され、そう理解した気がする。どうでも良いことなのだが、ソバ打ちの水を大豆のお汁にかえただけで、あとはソバ粉100%だから生粉打ちと見るのか。それとも豆腐のお汁を、小麦粉や卵水、とろろ芋、フノリ、或いは雄山火口(おやまぼくち)等のつなぎとみるのか?ということ。
そんなことは、どうでも良いのではあるが、私個人的には、豆乳はつなぎだと思う。「生粉打ち亭で、生粉打ちでない蕎麦とはこれいかに」などと、意味のない分類作業を一瞬酔った頭の中で行ったのである。
漫画“美味しんぼ”青森編でも、この津軽蕎麦のことが、十割のそば粉に大豆の汁で…成熟させ…とでてくる。津軽蕎麦について、興味のある方は、日本麺類業団体連合会・そばの散歩道「にっぽん蕎麦紀行」第37回「かね久山田そば」富永政美さんの文章が、詳しい。
次に、江戸蕎麦。おなじみの蕎麦。香りも良く味わい深い生粉打ち。私には本日の3種のなかでは、一番好みにしっくりくる蕎麦だ。
最後に、田舎蕎麦。黒い星が入ったもので、太くはない。花番さん一押しのお蕎麦。 この日厨房にいらした芳賀さんは、駒形「蕎上人」でも修行をなさったという。「蕎上人」では、太めを2mmに、並は1.9mmに、細めは1.8mmに、変わり蕎麦は1.5mmに打っており、並は二八だ。生粉打ち亭の蕎麦は、3種類とも太さはほとんど同じであったから、生粉打ち亭仕様ということだろう。蕎麦の系譜を辿るのに、修業先との蕎麦・汁のあれこれの流れを想像するのも楽しみの一つであるが、今回の場合は当てはまらないようだ。
■薬味と蕎麦湯薬味は大根(辛味大根にあらず)と山葵。山葵は手元で自分で卸す。蕎麦湯はナチュラル系、滋味旨味たっぷり湯。
■品書き冷たいそばせいろ(江戸そば・田舎そば・津軽そば)各¥1000。-、三種もり¥1500.-、野鴨せいろ\1800.-、地獄そば¥1500.-、お絞りそば\1500.-、とろろせいろ\1200.-、湯だめそば\1000.-、
温かいそば野鴨そば¥1800.-、そば湯そば¥1000.-、山かけそば¥1200.-、
そば料理・一品料理そばがき(辛味づくり)\1100.-、そばがき(安倍川つくり)¥1100.-、そば刺し¥600.-、そば豆腐\500.-、焼き味噌¥500.-、そば屋の出し巻き¥800.-、笹かまぼこ\700.-、焼き鳥\600.-、珍味ふぐの子粕漬け¥500.-、自家製漬物¥500.-、野鴨鍋¥4000.-/1人前(冬季限定2人前より)
飲み物生麦酒(300ml)¥500.-、ビール 中瓶¥600、芋焼酎 克(グラス)¥700。-、そば焼酎 豪気(グラス)¥500。-、日本酒 鶴齢 純米吟醸¥800 。-、日本酒 田酒 特別純米¥900。-、特選辛口 吉¥700 。-、熱燗¥700。-、ウーロン茶¥300。-、オレンジジュース¥300。-
■住所新宿区納戸町10番地■電話03-3235-7177■定休日月、第2・4火■営業時間11:30〜14:30 17:30〜21:00 (20:30ラストオーダー)■アクセス都営地下鉄大江戸線牛込神楽坂駅 徒歩5分・JR市ヶ谷駅 徒歩8分
生粉打ち亭に通ってますね、
また お店の案内 メニュー その他、
いろいろと細かく説明 ありがとうございます。
最近は そば打ちはもちろんですが そば米 そばのむき実を料理に使います、
ご飯を炊く時に少し入れます、
茹でてストックしておきます、ドレッシングの中に入れたり、納豆に混ぜたり、味噌汁に入れたり、
そのまま食べたり・・・、
なんにでも使えそうで・・・、
楽しんでます。
縄張りを荒らしてすみません。
興味津々さんのいらっしゃる日に…
と思っていたのですが<m(__)m>
蕎麦打ちも蕎麦の実の料理も
存分に楽しんでいらっしゃる様子、
すでにプロ級ですね。
我が家の今一番人気は、蕎麦茶(^^ゞ簡単です。
濃い目に煮だして、冷蔵庫に入れておくと
汗をかきかき帰宅した豚児達が
まず、冷蔵庫に直行し、
喉を鳴らして飲んでいます。
今日の予想最高気温は、31度とか、
(ここ数日34度が続いていましたものぉ)
今日は涼しくて助かるぅ〜と思うの、なんか変です。
道理で、冷たい蕎麦茶が美味しいはずです。
新たに日本酒を入れました。
「ひと夏の恋」 宮城 日本酒度4
愛宕の松で有名な新澤醸造店が造る夏限定の純米吟醸です。
「富久長 夏吟醸プラスX」広島 日本酒度10
雑誌「dancyu(ダンチュウ)」にも掲載されたことのある富久長の夏限定の辛口夏吟醸です。
どちらも夏限定のお酒です。
是非、飲んでみて下さい。
先日は美味しいお蕎麦を有難うございました。
また本日は、
日本酒入荷状況を教えてくださり嬉しいです。
今回のお酒も、素敵銘柄名ですね。
私もやはり期間や数量の”限定”という言葉に弱いです。
無くならないうちに行かなくっちゃ!と…
また是非伺いたいと思います。
酒銘柄が、固定じゃないんですね。
へぇ〜、そうだったんですか。
了解。
コメント有難うございます。
生粉打ち亭さんは、たぶん
数種類の固定銘柄+数種類の新銘柄ということで
お酒の準備をしていらっしゃるようです。
その季節 季節で、限定的に楽しめるものもあり
順番に試してみるのもいいかもしれません。
生粉打ち亭さんのブログ↓にも時々新情報が載っています。
http://kikouchitei.blog84.fc2.com/
参考になさっていただければ幸いです。
新しい日本酒が入りましたのでご紹介致します。
金澤屋 特別純米 (福島県) 日本酒度+10
福島で契約栽培された酒米のみを使用し純米のもつ持つ味わいに爽やかな辛さがあるお酒で
後味が心地よく飲み飽きしない純米酒です。
遊穂 純米吟醸 無ろ過生原酒 (石川県) 日本酒度+4
含んだ時に口の中、全体に広がる濃厚な米の旨味などのさまざまな味わいがあります。
是非、ご賞味下さい。
〜〜〜〜〜〜
とのことです。
わぁ〜、無ろ過生原酒大好きです。