
奇数月 第二木曜、美味しい変わり蕎麦と落語を、王子の蕎麦屋で楽しめる。そこで本日7月10日(木)梅雨明け間近の宵の頃、第147回越後屋寄席に行ってきた。別館2階の階段を上がると女将が木戸銭を集めている。2500円で蕎麦ちょっと付き。別料金で蕎麦前にビール

■落語初めに最近二つ目になった柳家わさび。「真田小僧」だと思う。おとっつぁんより1枚も2枚も悪知恵の働く子供が、「おっかさんのところに、おとっつあんの留守中に男が訪ねて…」と巧みな話術で、小遣いをせしめるという噺。生ねん、じゃなかった柳家わさび君。あぁ〜君も、羽織を着られるようになったんだねぇ〜。なんだか嬉しい。

「崇徳院」若旦那とお嬢様のそれぞれの恋患いを解決すべく、奔放する男が2人。唯一の鍵となっていた崇徳院の「われても末に 逢わんとぞ思う」が、床屋で「割れても末に 買わんとぞ思う」に。

トリが、柳家さん生「ちりとてちん」。いつものことながら、顔も凄い。本当に腐ったものを無理に飲み込む時の顔は、こんなでは?と思って、こちらもなんだか…。軽〜いマクラで陽気に笑って始まり、グングン噺に引き込む剛腕手法を、ちゃんと?弟子のわさび君に伝授しているのだろうか?こういうことを、教えるのはさぞかし大変なのだろう。
あぁ〜

■蕎麦と蕎麦汁幕間に頂く蕎麦は、季節の変わり蕎麦。 越後屋店主は、変わり蕎麦の名手であり、毎週違う「変わり蕎麦」を1年間以上楽に出し続けることができるという。(「やれば!」ということで、「やる」とは言っていない。お店の経営上も多分なりたたないだろうし)つまり52種類以上の変わり蕎麦を打てるということだ。変わり蕎麦の解説で、五色蕎麦の起こりを、話してくれた。雛祭りの際に祭ったのが、発展の理由とのことである。
今では、雛祭りに色とりどりの変わり蕎麦を楽しんでいる地域も少ないと思われるが、日本人は多くの機会に蕎麦を楽しんできた。残念なことにその習慣が残っているのは…年越し、引っ越しくらい?であろうか。
という訳で、今日は黒胡麻切りだ。大きな断片の残る黒胡麻をたっぷり練り込んだ細打ちの蕎麦は、少ぉ〜し短い。風味は素晴らしく、濃厚な旨味も嬉しい。欲を言えば、もぅ少し盛ってもらえれば…更に嬉しい。

私は、こちらの辛汁が大好きだ。しっかり濃く存在感が強いのに、気取って構えたところが全くなく、とても自然だ。出汁は本枯れ・鯖・宗田鰹のミックスで、本返し。
■薬味と蕎麦湯蕎麦湯を特別に作ることはしていないはずだが、十分に白濁しポタージュ状にとろ〜りと円やかな、ごちそう級の蕎麦湯。少し多いかなと蕎麦猪口に残った辛汁を、なみなみの蕎麦湯で割るが、色の濃い割に辛くもなく「ん〜〜美味しいっ!」となる。薬味はねぎと山葵。
■住所北区王子本町1−21−4 王子「無識庵 越後屋」別館2F■電話03-3900-5904■アクセスJR京浜東北線/東京メトロ南北線 王子駅 徒歩8分■営業時間平日昼11:30〜14:30 夜17:15〜21:30/日祝日昼11:30〜15:00 夜17:00〜21:30■定休日水・第3木曜日■寄席開催日時奇数月第二木曜・18時開場21時頃迄(要予約)








