2011年10月20日

神楽坂「東白庵 かりべ」

美味しい蕎麦屋の激戦区 神楽坂に、2011916日(金) 「東白庵 かりべ」がオープンした。店主 苅部政一さんは、任されていた六本木ヒルズ「竹やぶ」をこの7月末で閉店し、ここで独立したのだ。あの柏「竹やぶ」部孝雄さんの所に16年ほど前に弟子入りし、後半の8年は六本木店を取り仕切って、ミシュランで☆をとるまでになった苅部さんの新店舗だ。はやる気持ちを抑えて、混雑の予想されるオープンの連休中を外し、最初の平日昼に伺ってみた。   


神楽坂かりべ開店5日目 表.jpg


オープン4日が過ぎ、華やかな土地六本木から来た店舗らしく、私でも知っている芸能人からの花も、まだズラリと並んでいる店の表。


 入口すぐに置かれた師匠 部孝雄さんからのお花は、大輪をつけた純白の胡蝶蘭だった。








神楽坂「東白庵かりべ」師匠からの言葉.jpg

店内に入ってみると直ぐ、既に馴染んだ心持になる。それもそのはず、六本木「竹やぶ」のテーブルや椅子がそのまま使われており、スタッフもどうやら同じ人である。

壁にはオブジェとなった師匠からの励ましの言葉などが掛り、内装の雰囲気も什器類も六本木「竹やぶ」時代と同じ。座席数は22ほどで、上手く仕切りや区切りで、個室仕様になっているところも。



田舎せいろ
 お隣のテーブルの方が召し上がっている「せいろ」が、見たところ六本木「竹やぶ」のせいろと瓜二つだったので、同行者でもないのに、一緒にちょっと手繰った気になって、それじゃぁ〜私は「田舎せいろ」\1000-で、と。それに体験的に言わせてもらえば、夜くれば「田舎」は時に品切れになっているだろうから、早い時間に来た時にコレを注文すれば、得をした気分にもなるという寸法。 


神楽坂「東白庵かりべ」 田舎.jpg


神楽坂「東白庵かりべ」田舎麺.jpg


玄ソバを皮ごと石臼で挽いてある。美しい星が散らばり、透明感のある細打ちの田舎は、手繰れば馥郁たる穀物の香りが感じられ、すぐに繊細な甘みが追ってきて、するりと抵抗感なく喉を滑り落ちる。そう、つまりは喉ごしも良い田舎。太い蕎麦をギュギュっと噛みしめて食べたり、ザラっとしたひっかかりを楽しむ田舎とは、目指すところの違う田舎だ。

なんだか言葉がヘンだけれど“都会の田舎”というかぁ、“洗練された華やぎのある田舎蕎麦”というかぁ、そもそも田舎という品書き名の似合わない田舎蕎麦だなぁ…と。
  

神楽坂「東白庵かりべ」御揚げを炊いたもの.jpg

「御揚げを炊いたものです。よろしければ、召し上がってください。」と、小皿で運んでくださった。

ほんのり甘く、美味しい出汁のふんわり染みた一品。うぅ〜日本酒が欲しくなってしまいそう。いやぁ〜、でもイケない、この後の予定を思ってグッと我慢がまん。
  


 


蕎麦湯は、“何気に作った?”ナチュラル系かも。この日店が開いて、蕎麦2枚目を茹で終わった時に所望して運んでもらった蕎麦湯である。本来おそらく釜の湯は、あまりソバを感じられない程、サラサラなはず。でも、そこそこにソバを感じる白濁加減であった。敢えてポタージュ系と言われるほどの濃厚粘度にはしないのだけれど、さも何気なさげに、その実きっちりと作ったものかもしれない。それともこれは、開店前のまかない蕎麦もたっぷりと茹でた釜の湯なのか?   




蕎麦後水あずき
   柏「竹やぶ」はじめ系列店でも私の大好物、大納言を使った自家製「水あずき」。こちらのお店では、¥450.-で。ひんやりとした冷たさが、残暑の残るこの日の陽気にもぴったり。品の良いすっきりとした甘さと、とぅる〜り滑らかな口解け感に、うっとり。2人前食べたい位、好きです。

神楽坂「東白庵かりべ」水あずき.jpg



こうして美味しい蕎麦後を、用意していてくれるお店は、とても嬉しいな。神楽坂は、蕎麦も甘味も大激戦区。消費者としては嬉しいけれど、本当に大変なんだろうなぁ。



この日この後の予定の都合で、入店後30分以内で店を後にするつもりの時間配分、ササッと手繰ってパッと出る御急ぎモードの行動であった。そんなセカセカする私が会計を済ませる頃になると、なんと苅部さんが厨房から飛び出して来て、慌てて玄関先までお見送り&ご挨拶してくださった。特に六本木時代からの旧知の常連でもないし(当然、御祝いのお花を出した芸能人でもないし)、唯の一般客の私にだ。真面目で礼儀正しい方なのだ。オープン直後で忙しい時だろうに、いやぁ〜恐縮です。 

折角なので、早口になって先頃発売されたDVD「竹やぶ 阿部孝雄のそば打ち」に収録されている座談会に映った苅部さんの感想を申し述べると、これまた丁寧に真面目に応じてくださった。いやぁ〜本当に謙虚で、一生懸命な方なのだ。  



賃料の関係なのか、「竹やぶ」という大看板を使わない関係なのか、理由は私には分からないけれど、蕎麦も蕎麦後も「竹やぶ」で出していた品書きとよく似ているものなのに、神楽坂「かりべ」で提供されるそれらの値段は、少しお安く設定されている。なんだかちょっと得したような、有難いような気もした。が、しかし、さらに身勝手な消費者として望むのは、だんだんに、六本木でなく神楽坂にやってきた苅部さんの独自色をも出して行ってもらいたい。興味深くとても楽しみだ。 ということで、こうしてまた何度も伺いたい店が、またまた神楽坂に増えてしまったのである。あ〜嬉しくもあり、恐ろしくもあり。




■品書きせいろ\1000.−、田舎せいろ\1000.−、かけ\1000.− そばがき\1200.−、とろろそば\1200.−、にしんそば¥1,700円。−、天せいろ¥2,300―、天ぷらそば¥2,300。−、他 蕎麦前もあれこれあり、予約でコースもある。   



■住所新宿区若宮町11-7■電話03-6317-0951■営業時間平日昼11時半 〜 15時(LO)/夜18時〜 22時(LO)/日祝11時 〜 21時(LO■定休日■アクセスJR中央本線東京メトロ東西線 南北線 有楽町線 飯田橋駅下車 徒歩5分/都営大江戸線牛込神楽坂下車 徒歩5  




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※私たちのブログの右側にある「気になるプロのブログ」欄から、常時、「東白庵かりべ」店主さんのブログへリンクしています。




おまけ神楽坂情報


ちょっとバタバタと忙しくって実際に神楽坂「東白庵かりべ」さんに伺った日から、ブログにアップするまでに、一ヶ月ほども掛かってしまった。それでたまたま、時期も良いことであるし、楽しい神楽坂情報を載せてしまう。


越後屋寄席でお馴染みの柳家さん生さんから、お知らせがきた。毘沙門天で次の日曜の昼下がりに、落語会をするそうだ。神楽坂方面に足を運ばれる方は、ぜひぜひ、落語の方にもお出かけください。



「東のさん生・西の鶴二」江戸公演・その参

日時:2011年10月23日(日)昼2時より

場所:神楽坂 毘沙門天書院

木戸:2500円(できれば予約を)

演目:さん生「妾馬」鶴二「らくだ」

予約・問い合わせ エピス 03-6914-4490


神楽坂では、10月15日(土)〜11月3日(木)まで、神楽坂まち飛びフェスタ2011を開催中だ。10月22日(土)には、「がんばろう福島!福島市」もある。普段体験できない盛りだくさんのイベントも楽しみどころ。





 
posted by 笑門来福 at 13:40| 東京 ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | 新宿・豊島・渋谷区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

木鉢作り その4



前回、投稿掲載した木鉢作りその3につづく、木鉢完成写真を載せます。



 

興津さん木鉢.JPG
 



興津さん木鉢2.jpg


漆塗りは、長野・奈良井宿の専門に任せて一ヶ月以上かかりましたが、やっと出来上がりました。

しかし、思った以上にいい出来に仕上がりました。早くこの木鉢で、蕎麦を打ちたいのですが・・・まだ、乾燥に約1ヶ月くらいは、そっとしておきます。眺めたり、触ってみたり。
そしてまた、次の木鉢つくりの構想を練っています。




〜 興味津々 〜





posted by 石臼の会会員 at 07:56| 東京 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) |  蕎麦打ち道具作り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月19日

小岩「蕪村居」

 江戸ソバリエ認定の店(Edo Sobalier Friendly Shop)小岩「無村居」は、定休日の月・火曜日に限って、貸し切りで蕎麦パーティーの相談にのってくれる。実はこの度、これらの曜日とはずれてしまったのだが、26名ほどの江戸ソバリエが集う「親睦会」の貸し切りに応じてくださった。 



蕎麦前
 この日は他の企画もあり、その後小岩「無村居」で「親睦会」という運びであった。ところが、参加者皆が移動の為に分乗したタクシーが、こぞって酷い交通渋滞に巻き込まれてしまう。開始予定時間を大幅に過ぎても、なかなかなかなか到着できない。運良く地元タクシードライバーの車に乗れた私たちは、後発組にもかかわらず、裏道をまわってもらって1番先に到着。ということで、皆さんを待〜〜〜つ間、ちらっと乾杯の練習などを。割り当て分だけビールをグビっと。会費の中からは、ほかに焼酎4種も用意されていたらしいが、順次到着の皆さんとワイワイやっていて、これらの写真を撮る事もすっかり忘れてしまった。



しかしともあれ、こちらのお店に来たら、何と言っても日本酒の燗である。これを楽しまずして「無村居」を語るなかれ。なんちゃって…ハハハ、ちょっと偉そうですな。でも、そんな風に言いたくなるほど魅力的な酒が揃っているので、もし「無村居」を訪れるなら、店主さんに「今日飲むべき燗は何か?」、一声掛けてみる事をお勧めしたい。詳しく説明をしてくれるし、時に思ってもいない素晴らしい酒との出会いもある。 

だからこの日も、会費外で清算するということで、一番に到着組の皆さんと一緒に日本酒(日置桜、神亀、ひこ孫、竹鶴)を追加オーダーさせて頂いた。貴重な神亀の仕込み水「井水」もね。    



蕎三彩の?4種類の蕎麦?
 

小岩「無村居」お品書き.jpg
今日出してくれる蕎麦について、自筆のお品書きを用意していてくれた。予算も少々…酒代込みで○○○○円なんだし、普段のお店の品書き「蕎三彩」は、そばがき せいろ かけそば の3種の蕎麦 & かき揚げ・甘味の付いたものなので、今日のお品書きによる蕎麦3種類だとしても…なんだけれども、結果的には、蕎麦4種を供された。時としてご主人の仕入れた玄ソバや打った蕎麦に面白いものがあると、「ちょっと食べてみて」と出してくれたりする。今日も蕎麦マニアの集まりであるから、アレコレと手繰らせてやろうと、ちょっと…足してくれたようだ。 

いつも美味しい蕎麦を有難うございます。  




小岩「無村居」芝海老のあんかけ揚げそば.jpg
あげそば
芝海老のあんかけ 

通年メニューとしてお馴染みのあげそばは、カリッと揚がった蕎麦の上にかえしを基調とした餡がトロリ。この餡の中に季節の具材が入る。この日は、きのこや銀杏で、秋を感じる取り合わせ。   



小岩「無村居」バジルオイル和え.jpg
蕎麦deイタリアン
バジルオイル和え
 
日本酒にも、とても良く合う大好きな一品。にんにく、バジル、オリーブオイルは鉄板ですな。 




小岩「無村居」福井丸岡在来十割.jpg
十割そば
福井丸岡在来
下伊那親田辛味大根

野趣豊なソバの香りと、穀物の旨味が、ギュっと締まった細打ちになっている。これを手繰りたくって、小岩に来てしまう。




小岩「無村居」二八.jpg
本日の二八
    
定番の江戸前二八蕎麦。手繰れば、すとんとのどに滑り落ちる、のど越しの良さ。





予算の中で、この他に「漬物の3種盛り合わせ」、山盛りの「九条ネギの鶏焼き」のなどもいただいたのだが、これまた写真がない。面白くない? そりゃ、面目ない。まぁ、蕎麦の写真だけは、結構きちんと残っていたので、良しとさせてください。   

美味しい蕎麦に感謝。
「無村居」さんに感謝。
幹事に感謝。
ご参加の江戸ソバリエの皆さんに感謝。  




■住所東京都江戸川区西小岩1-29-5■電話03-5889-2810■定休日月・火、ただし祝日は営業■営業時間1:3014:30/17:3021:00 ■アクセスJR総武線小岩駅 徒歩4分
江戸ソバリエ認定の店(Edo Sobalier Friendly Shop)

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posted by 笑門来福 at 22:20| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 江戸川・葛飾・江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする