2011年08月30日

第6回鎌倉観蛍蕎麦会の報告

7月9日(土)、鎌倉のお蕎麦屋さんで観蛍蕎麦会。お蕎麦屋さんになられる前からの会で、今年で6回目。例年は海の日近辺の土曜日なんですが、今年は早めの設定。日取りを決めたのは6月始めで、まだまだ涼しい頃。今年は完全に蛍はなし、と思いきや、6月末からの梅雨をぶっ飛ばす猛暑。朝の情報では蛍もお出まし、草刈りも済ませた、準備万端との連絡が入ります。


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会は17時からで、準備の手伝いをする方は15時集合。日差しは強いですが、風は爽やか、市役所前のバス停に着くと、準備組は既に集合済み、少し遅れてやってきたバスに乗り、お店に到着。

さあ、蕎麦打ちです。店主であるSさんからは変わり蕎麦を打つように言われていたのですが、何と普通の蕎麦も打つことに。変わり蕎麦はお願いしていたT氏が打ち、更科粉1.2Kにつなぎを0.2Kを加え、湯練りを開始。私は持参した八溝産の夏蕎麦でせいろを打つことに。先週は生粉打ちにし、短めになったので、300gにつなぎを60g加え、外二にします。外二だと楽勝、いい蕎麦に仕上がります。

少し遅れてやってきたSさんの友人が打ちたい、ということなのでお店で使っている粉で打って頂きます。経験をお聞きすると、始めて2ヶ月。うーん、どうするか。450g+50gの九一でお願いします。指導をしながら、変わり蕎麦の様子を見ていると、練りが終わって三等分、更科蕎麦から伸し始めたのですがかなりの柔らかさ。打ち粉を多めに、では対処不能と判断、粉を追加することになってしまいます。いつもは300g程度を打っていた、とのことで、量が多いと勝手が違うんですね。

後二つは大葉切りとレモン切り、ということはまだ水分が増えるのです。彼が持参した埼玉三芳産の夏新約300gを私が打つことに。これは生粉で充分打てる粉、難なくせいろに仕上がってくれます。続いて、ピザ用の玉を作ります。蕎麦粉200gにつなぎを40gの外二。それも仕上がり、T氏が修復に苦戦している頃、お客様が続々到着。17時を少し過ぎて、蕎麦打ちは終了。せいろが1.16K、更科が1.4K+α。この日の参加者17名には充分な量でしょう。


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定刻を少々過ぎて、Sさんの挨拶、Y氏の乾杯で会はスタート。Sさんのお料理が大皿で回り、小皿に各自で取り分けて頂きます。知らない方も多いので、自己紹介をすることに。SさんからでY氏が最後。最後の前が私で、自分の分を終えて、蕎麦ピザに取り掛かります。生地はその後切り屑が加わって肥大。それを三等分します。今日の具材は鎌倉市役所前の紀伊國屋で調達、ちょっとお高めです。チューブ入りのお手軽味噌ペーストがないため金山寺味噌をオリーブオイルで伸ばして使うことに、後はエノキにとろけるチーズ。フライパンに生地を乗せ、味噌を伸ばして、エノキ、チーズを掛け、蓋。この方法が一番失敗がありません。興味を持って作る所を見ていた方がいましたから、どこかで真似をしてくれることでしょう。蕎麦ピザは皆さんにとっても好評。




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蕎麦掻きは埼玉三芳産と八溝産の2種。八溝産は味の評価を求められており、二種を並べて大皿で、巡回配分。でも食べた方に評価は聞けず。どちらも美味しい、ということなのかな。蕎麦は量のある田舎からスタート。せいろ二種が続き、更科蕎麦が三種。更科蕎麦が一巡分余り、蕎麦の部も終了。

時刻はちょうど蛍の飛び交う頃。道路向こうの常盤邸跡に行くと今までで一番の蛍がお出迎え。乱舞、とは行きませんが、木に止まってるのはもちろん、空中を軌跡を残して飛ぶ姿がここかしこ。足元で点滅する光を見つけて捕獲、失敗か、と思いきや、しばらくして私の手のひらで点滅開始。遠目、間近、今年も蛍に会えて、良かったなあ。


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お店に戻って、デザート、記念撮影。後片付けを少し手伝って、駅に徒歩にて向かいます。歩きながら電車の時刻を調べると、少し走れば間に合う感じ。それを逃すと約30分待ち。遅れている方に連絡する手だてもなく、申し訳ありませんが、先頭2名は走ることに。ギリギリ間に合って、少し早く帰宅することが出来ました。
posted by highland at 18:01| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) |  他所で蕎麦打ち会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月22日

お江戸日本橋で蕎麦振る舞い

 821日(日)に日本橋社会教育会館祭り開催され、料理教室でマダム節子さん主宰の「日本橋そばの会8名のメンバーと寺西恭子さんが参加して日本橋のそばを楽しもうをテーマに男女とも浴衣に赤いたすき掛けの粋な姿でお手並みも鮮やかに手打ちそばの技術を披露し、出来上がったそば一人前120gを300円で振る舞っていた。

 
当日は35度以上の日を含めて猛暑続きだった今年の夏の気温が一転、25〜26度という涼しい日であったが、生憎の雨模様だった事、この時期に良く開催される各地のイベント等と重なった所為で出足が芳しくない様であったが、私を含めて閉店間際に飛び込むお客さんで100食限定の蕎麦は完売に近かったのではないでしょうか。


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子供さん連れのご婦人に辛味大根を入れても宜しいでしょうか、葱は如何しましょうか等気配りをしておられるスタッフの一生懸命さ、チームワークの執れた行動力に見習うべき事を感じた。


子供さんも私、お蕎麦大好きと大きな声を出され思わず緊張していたスタッフに笑みが毀れ、会場のお客さんにも伝わって明るい雰囲気を醸し出していた。

 



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そば粉は常陸ブランドで風味が良く、麺は細切り、角が立ち、冷汁との絡み具合といい、喉越しといい上々、蕎麦の上には辛味大根、葱、削り節が多ぷり掛かっていて、これで300円とはお食べ得と感じた。
 
 
今回で5回目という蕎麦振る舞いであるが、来年も是非参加させて頂こうと思っている。
 
 
 
 
posted by 笑門来福 at 15:41| 東京 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 千代田・中央・港区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月21日

第37回八王子蕎麦打ち会 開催しました

第37回八王子蕎麦打ち会開催 

8月20日(土)に「高尾の里 手打ちそば道場」にて、石臼の会第37回八王子蕎麦打ち会を開催しました。今回の参加者は5名でしたので、先生の指導をみっちり受けることができました。

テーマ:「初心に戻ってじっくり勉強」
    
先生を含めて6名のこじんまりした道場となりました。その分、先生から一人々がきめ細かなご指導を頂くことができました。某会員のさんの模範手打ち(1Kg)を見つめながら、先生のコメントを頂き、各々蕎麦打ちに励みました。
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蕎麦粉:今日の蕎麦粉 カムイ(横山製粉)
    
  北海道産の北竜と常陸産秋蕎麦粗挽き粉のブレンド

懇親会
    
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 【酒】
 
今回は持ち越したお酒や新しくいただいたお酒が多数あり、お酒の持ち寄りはありませんでした。 
 【試食蕎麦】
 
今日の蕎麦粉二八 試食会の蕎麦は丁寧に打たれ、味も香りも豊かで結構でした。
 【肴・つまみ】
 
軟骨揚げ・いか・ジャガイモ
  牛タン味噌漬焼き
 ししゃも一式
   
 マンゴ・生ハム
 エビ塩炒め
 ソーセージ
  【甘味・デザート】    和菓子

今後の蕎麦打ち会予定
    9月25日(日)調布
posted by Mic at 22:07| 東京 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) |  八王子蕎麦打ち会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月17日

奥多摩町古里「手打ちそば うどん 丹三郎」

昨日は 夫と御岳山のレンゲショウマ(花)鑑賞と武蔵御嶽神社参拝、そして、手打ちそば・うどんの 古里「丹三郎」へ出掛けて来ました。青梅線奥多摩の手前で、2時間程かかりますけど・・・ね。ケーブルで上り、下りだけ歩いたので、登山でなく下山です。御岳山から2時間程下ると、ちょうど古里「丹三郎」へ出るのです。







 

mitaketozan1さんが、アップしている

御岳山レンゲショウマ815日の動画




蕎麦三昧セット
 前日に、電話予約を「14時に2名」で入れておいた古里「丹三郎」は、二百余年前の藁葺き屋根の古民家の蕎麦・うどん屋で、サービスも良いし、蕎麦御膳(季節の前菜・そばがき・天ぷら・デザートに蕎麦または、うどんが食べ放題/2500円)なら、大満足です。




昨日は、お盆中で込み合うため、メニューは蕎麦三昧セット(天せいろ、またはとろろせいろ、またはせいろ、とそばがき・デザートで、2000円)に限られました。予約の時間が遅めであったこともあり、私たちが最後の客でした。

古里「丹三郎」.JPG


古里「丹三郎」店内.JPG


古里「丹三郎」店内2.JPG





季節の物無人販売所
  お土産の茗荷は、途中に無人販売されていた物です。私はこの無人販売が大好きで季節の地の物を買って来ます。タケノコ、蕨、ゆず、みかん・・・などなど。


 〜 うさこ 〜   



■住所東京都西多摩郡奥多摩町丹三郎260■電話0428-84-7777■営業時間11:30〜15:00  (但し仕込み分売切れ次第終了) ※15:00以降の席は早めのご予約にて承ります ■定休日(一の日休み) 毎月1日、11日、21日、31日■アクセス青梅線 古里駅下車徒歩10分 ■駐車場有り


 
posted by 石臼の会会員 at 11:13| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 奥多摩町・檜原村 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月12日

鎌倉「手打ちそば 段葛 こ寿々」

鎌倉「段葛こ寿々」暖簾.jpg


柳の下に揺れる生成りの暖簾をくぐると、強烈な外の日差しが嘘のように涼やかな気持ちになった。

さっぱりとした竹の設えや冷たい黒い石の床が、特に冷房が強く効いている訳でもない店内を、広々と感じさせ心地よくしているのだろう。



蕎麦
ご案内いただいた方によると、いつ来ても店の前に行列のある店だそうだ。もうすぐ昼時だというのに、たまたますぐに入れた今日は、とてもラッキーである。

予備知識なく初めての訪問で、鎌倉というなかなか伺える場所でもないし…ということで、店の名を冠した「こ寿々そば」¥1050-を頂くことに。


鎌倉「段葛こ寿々」 こ寿々そば.jpg



北海道産玄ソバから自家製粉した細打ちの蕎麦に、三つ葉・揚げ玉・大葉・大根おろし・刻み海苔・ゆずが乗って、ぶっかけ風に江戸前のやや辛口の汁を掛けて手繰る。

薬味はさらしたねぎと山葵。

見た目は、さっぱり小盛りのぶっかけながら、きりりと美味しい細打ちの蕎麦に、辛汁を吸って絡む揚げ玉が、旨みとボリューム感を演出してはいる。こうして小腹塞ぎになったところで、「甘味もどうぞ」というように、もう少し食べたい…と思わせる絶妙な分量だ。

蕎麦湯は、ナチュラル系。



鎌倉「段葛こ寿々」出口.jpg

涼やかな風を感じさせる店舗おもて





お土産
品書きの中の、わらび餅¥525-、 まめかん ¥525-、ところてん¥420-の抗しがたい魅力と格闘している時、「こちらのお店の わらび餅もとても美味しいですよ。」と隣席から聞こえてくる。あぁ〜そうか。そうだ、そうだ。名物はわらび餅なんだ。



鎌倉「段葛こ寿々」 お土産わらび餅.jpg



お土産に購入したわらび餅(9個入り¥735-)は、生産希薄な本わらび粉を使ったものだという。また〜蕎麦屋が醸し出すわらびもち…〜と説明書きのある可愛いカードが入っていた。


もっちりとした弾力でくっつき合うわらび餅に、きめ細かなきな粉とコクのある黒蜜をたっぷりつけて、一つとってパクリ。ツルンととろけるような爽やかな喉ごし。美味しいっ!名物に旨いものありだぁ。また食べたいな。



■住所鎌倉市小町2-13-4■電話0467-25-6210■営業時間11:3018:30■定休日月(祝日の場合は翌日)■アクセスJR横須賀線・江ノ島電鉄、鎌倉駅下車 若宮大路を鶴岡八幡宮方面へ徒歩5分。

こ寿々系列店舗は、鎌倉に以下の4店舗がある。
1.段葛 こ寿々(手打ち蕎麦)
2.由比ヶ浜 こ寿々(甘味処)
3.こ寿々 わらび餅蔵(製造所)
4.こ寿々 エキスト鎌倉(お持ち帰り用わらび餅)

 
posted by 笑門来福 at 09:19| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | ⇒神奈川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月11日

第4回千葉県そば大学講座



平成23年7月30日(土)、「第4回千葉県そば大学講座」が開催された。(主催:千葉手打ち蕎麦の会、協賛:千葉県そば推進協議会、後援:全国麺類文化地域間交流推進協議会・千葉県教育委員会・習志野市教育委員会・日本大学生産工学部)酷暑の中、蕎麦フリーク200名が、日本大学生産工学・津田沼キャンパスに集結し、統一テーマ「そばを考える」に沿って一日蕎麦講座に浸った。




だしを考える
 丸勝かつおぶし梶@高橋千秋氏


千葉県そば大学講座.jpg



蕎麦に合うだしの旨味についての講義。美味しい蕎麦を打っても、しっかりとした出汁がなければ、本当に美味しい蕎麦は食べられない。カツオを筆頭に、マグロ、ソウダカツオ、サバ、ムロアジ、イワシの節について考える。

年間35万トンの漁獲高のあるカツオ。その内の5割弱がカツオ節になるそうだ。具体例を示して魚種の違う節で、蕎麦屋、うどん屋、ラーメン屋など業種によっても求める節の性質や種類が違うことを聞いた。蕎麦屋では敬遠される節が、ラーメン屋にとっては重宝して扱われたり、また地域によっても好まれる出汁が随分と違って面白い。




石臼碾きを考える
 蕎麦屋八兵衛 町塚延夫氏


蕎麦の命である石臼碾き蕎麦粉を考える。
講師は、故片倉康雄の内弟子として修業後、現在、静岡県藤枝市で「蕎麦屋 八兵衛」を展開、昭和51年から自家製粉の店として先駆的で独自の碾き方を実践している。
 

石臼碾きといえば、ソバの丸抜きを石臼で碾くのが一般的であるが、「蕎麦屋 八兵衛」では、押し碾きである。つまり、入念に磨きこんだ玄ソバを、外皮を剥かずにそのまま直ぐに石臼に掛ける。すると、その堅い外皮が上臼と下臼の間の隙間を押し広げ、甘皮部分を必要以上に碾き込まないという。これによって、澱粉質の多い、透明感があり、歯ごたえ・喉ごしの良い蕎麦を狙っているという。

こうして作った「蕎麦屋 八兵衛」の一番粉は、澱粉質が中心のサラサラとしていてギュッと握れば「キュッキュッ」と鳴き、その形を保っていない。直ぐに崩れる砂のよう。二番粉は、多少しっとり感はあるもののやはり澱粉質を感じるものだという。蒸篭は、これらを使って打つが、タンパク質が少ない為に繋がりがとても悪く、状況によっては割り粉(中力粉)を最大限28%位まで混ぜ込むこともあるそうだ。

今まで私が「良いソバ粉」を見分ける方法の一つとして見知っていた、「握って一定の形を保つかどうか」は、真向から否定された。とてもとても興味深く聞いた。

参加者全員に、講義のソバ粉(二八で500g)をくださった。さぁ〜て上手く繋がるのかどうか。どんな蕎麦に仕上がるのか、楽しみなような、怖いような…。甘皮をたっぷり挽きこんである、握れば形を保つソバ粉を「好き」と感じていた私だけれど、それは唯の盲信だったのか、今日の粉を美味しい蕎麦に仕立てられるのか。私には技がないから、この粉を生かせるのかどうか、心配でもある。



プロのそば打ちに学ぶ
 蕎麦屋八兵衛 町塚延夫氏

2.5sの大玉のじっくり打ちと早打ちに学んだ。「先生と呼ばれる程の人間じゃない。でも親方と呼ばれるのは、大好きなんですぅ。」などと、爆笑を誘う口八丁手八丁で、押し碾き自家製粉「蕎麦屋 八兵衛」の繋がりにくい粉を、すいすいっと打っていく。見た事もない珍しい場面はなく、基本に忠実で確実な作業。一見簡単そうに見えるものの、大量の蕎麦を毎日打つ、合理的で無駄のないプロの蕎麦打ち。蕎麦打ちで一番のカンどころは、水回し。分量の水の9割以上を一揆に加水し、後、調整しつつ…も、一般的な方法だ。


全講座終了後、任意参加の懇親会で、この時に打った蕎麦を頂く事が出来ることになっていた。私は不参加で手繰れなかったので、残念っ。 




漫画で描くそば
 千葉大学非常勤講師 さとう有作

漫画家はらたいら の弟子であった講師が、師匠の「遊び心」の逸話を披露。


そばの力を考える
 立川中央病院 田中照二氏

講師 立川中央病院 田中照二氏は、江戸ソバリエ・ルシックの講師でもある。

低GI(=グライセミック・インデックス)、「蕎麦は血糖値を上げにくい食べ物である」という観点から、蕎麦の栄養素と健康についての講義。
蕎麦打ちを趣味にしている我々が、どんな人に積極的に打った蕎麦を食べて貰ったらよいのか。かなり多くの中高年男性、つまり生活習慣病の是正が求められるような方々にこそ、積極的に蕎麦を手繰ってもらいたい。


 ひらめき昨年江戸ソバリエ・ルシック、江戸ソバリエ協会、日本蕎麦協会理事、などの有志が被験者として協力した論文「 Glycemic Index」が、「第8回 日本Glycemic Index 研究会」の記録誌に掲載されております。



おまけの写真
 

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津田沼キャンパス正面にあるヘリコプター(ヘリ
詳細説明は、日本大学のHP日本大学は、理工学部・習志野キャンパスに滑走路をもっているらしいし、なんだか良く分からないけれど航空力学?とか?に力をいれているのであろうか?本物がなにげにさり気無く置いてあるなんて、凄いなぁ。それにから、ニュートンのリンゴの木ってのもありましたよ。女(男?)のロマンを感じるうぅ。


  
posted by 笑門来福 at 13:55| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ■「耳学」いろいろと薀蓄を | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月10日

室町「砂場」

蕎麦関係ではない先輩の御姉さま方の、ゴージャスな買い物のお伴をさせていただいた帰りである。「ゆったりとした老舗蕎麦屋に案内せい」と言われる。一瞬、「ここは日本橋だものぉ、老舗って、ゴロゴロあるじゃないか。楽勝でしょう!」と思ったけれど、“ゆったりとした…”ということろが、どうも引っ掛かる。
あれぇ…用途がちがうかもなぁ。認識が違うかぁ。雰囲気も違う。と思いながらも、「老舗蕎麦屋に!」というお言葉に従い、昼休憩がなく時間的には制限なくのんびりゆったりできる室町「砂場」をご案内することにした。



砂場
  えぇ〜っと、「砂場」は…蕎麦屋の老舗と聞いてすぐ思い浮かぶ「砂場」「藪」「更科」の3系統の一つというのは、御姉さま方も既に、よぉ〜〜〜くご存じであった。そんな老舗最古参の「砂場」は、大坂城築城の際、資材置き場のひとつ「砂場」に名前の由来を持つと言われ、築城の為の職人・労働者集団が江戸に移って来るに伴い…だと伝わる。これが基礎知識。


が、大阪のどの店(「和泉屋」「津国屋」の2軒ほどの候補をあげることが多いけれど、他にもあったのか?2軒だけ!とは言い切れないけれど、或いはとりあえず「和泉屋」か?)だったのか、そこにいたどんな誰がいつ移って、江戸で蕎麦屋を創業したのか、「砂場」とうい文字を見つけられる何年の文献のどこをとるかでも諸説あって、実はまだしっかりと検証されているわけでもない。
だからそんな訳で、わからないながら現在の「砂場」は、大坂→糀町(麹町)七丁目から引っ越した南千住「砂場」(長岡家)が本家(※砂場家の菩提寺は、今も麹町にある。)で、ここ室町砂場(村松家)と、門「砂場(稲垣家)が分かれ出て繁栄し、これらの店と、更にはやはり江戸時代から別系統で続く巴町砂場(萩原家)が中心となって多くの系列店を束ね「砂場会」を率いている。


ひらめきこういった事を、もっと詳しく知りたい方は、「ほしひかるの蕎麦談義〜江戸蕎麦@〜D」を読むと楽しいのではないだろうか。


尚上記のうち、巴町「砂場」室町「砂場」門「砂場3店舗は、木鉢会加盟店。巴町「砂場」の名物は、私の大好きな「趣味のとろそば」!また門「砂場の、大正12年(1923年)建築の木造3階建ての建物なども、“老舗”感じる風情あるものなので、そのあたりも合わせて楽しみどころの一つ。





室町「砂場」昼食

室町砂場入口.jpg

久〜しぶりに伺った。前回は確か、改装中に仮店舗営業していた頃だから…3年も前だろうか。玄関の位置が変わったり、2階へはエレベーターが設置されたらしいけれど、趣は以前とまったく同じ。高い天井、すっきりとして過剰な装飾のない和空間に、花番さんのあの「いらっしゃいぃぃーーーー」ののびやかな声が通る。なんだか時が止まったよう。いいなぁ〜、私も歳をとるのを忘れてしまおうか。


いかん、いかん、うっとりしている場合ではなかった。御姉さま方に、この店のことを、サラリとご説明申し上げなくてはならなかったのだ。


こちらのお店を、本家からわかれて立ち上げた初代は女性。明治2年創業となっている。今は実用的に使う人も少なくなったので、もっぱら趣味で収集している方々の戦利品となっている月替わり 鳥居清光画のマッチの存在も有名。何故か我が家には、7月のマッチが幾つもある。この店には夏に来ているということか??


これまた更に更に有名なのが
天もり発祥の店ということ。品書きの「天もり」の欄に〜当店発祥。天ぷらそばを暑い夏でも食べ易くとそばを冷たいセイロに致したのが始まりです。天ぷらとお蕎麦のセットではございません。お料理の天ぷらは、一品料理のページにございます。〜とある。「?」ではないだろうか? 子供の頃から「天もり」というと、もぅ既にイメージを描けていた私にとっては、こちら室町「砂場」に初めて訪れて、これを読んだ時は何だか良く分からなかった。つまり3代目の昭和30年代頃に考案された「天ざる」・「天もり」は、温かい汁に芝えびと小柱のかき揚げを入れて供され、それに冷たい「ざる」・「もり」の麺を付けていただくということなんだ。どうでしょうか?ちゃんと説明できたでしょうか? あぁ〜まだ、分からない?じゃぁ、下の写真を見てください。すぐ一目で分かりますから。


そして蕎麦は、2種類。「別製ざる」というのが、さらしな粉を使った白いお蕎麦。海苔が欲しい場合は別途注文100円増し。「もり」は、(品書きには一番粉使用とある)やや黒みがかった麺。どちらも細打ちで、玉子繋ぎ。


5代目ご主人は、大学卒業後家業を継ぎながら、服部栄養専門学校で和洋中・製菓・製パンまで習得し、更に料亭で和食の修業も積んだ勉強熱心な方。もともと新し物好きな家風ということもあって、メニュー開発にも積極的だとか。「天もり」の次にくるオリジナル名物料理も楽しみである。


ということで、
まずぅ、さしみ蒟蒻のお通しで、グラスまでしっかり冷たくなったひぇひぇ生ビールを、クぅ〜っと…して
この日いただいたのは、



室町砂場別製天ざる.jpg 


別製天ざる¥1550.-
これが、長々と説明したアレですわぁ。温かい汁に芝えびと小柱のかき揚げを入れて供され、それに冷たい「ざる」さらしな粉を使った白い蕎麦を付けていただく。



   


室町砂場三味そば.jpg



三味そば¥950.-
本三葉・大根卸・海苔の冷たいかけ
さっぱり冷たい、冷かけと言うよりも“ぶっかけ”。薬味にねぎと山葵が付いてくる。



 




室町砂場涼味とろろそば.jpg 



涼味とろろそば¥1300.-
68月限定、季節の蕎麦
このとろろのつけ汁には、私の好物!じゅんさいが入って、更にはソバの実、オクラも。薬味に山葵・酢味噌・青海苔。

このフワッとつけ汁が、本当に美味しいのですぅ。



辛汁は、濃口醤油の旨みと鰹節の代表的な江戸前のスタイル。「もり」や「ざる」の薬味は、ねぎ・山葵。蕎麦湯はナチュラル系。


まぁ、蕎麦の量は上品というかぁ、やや少なめというかぁ、である。日頃とても品が良く落ち着いた御姉さま方をしても、思わず「ぇ…少…」と呟いてしまう位だ。

やはり老舗としても有名で、特に供される蕎麦の量が少ない事では例えに出されることの多い神田「藪」のご主人に、ずっと以前聞いた話だが、「蕎麦は間食である」と、そう、そもそも“おやつ”なんだから、ちょちょっと摘まんで終わる位で適量との考え方。また、「江戸蕎麦は、腹いっぱい食べるものではない」と考える方の言葉もあり…。

その種の老舗の蕎麦屋でのんびり…というと、蕎麦屋好きには了解事でもある。その辺りの考えや、習慣にも慣れっ子になってしまっている私には、これはこれで驚く事ではないのだけれど、この日、私がいつも格別にゴージャスだと感じる御姉さま方(蕎麦屋と他の飲食店に区別のない普通の方々でもある)の言葉を聞いて、蕎麦屋でランチということについて、 “ゆったり…のんびりとした…”ということろで、どうも引っ掛かり、まさに…用途がちがうかもなぁ。認識が違うかぁ。雰囲気も違うと思った…さらにそれらの周辺のことをも、また改めていろいろと考えさせられた。ご案内する時の事前情報の流し方にも工夫が必要だったんだなぁ。


通称馬方蕎麦などと呼ばれた大盛りも売りにした蕎麦屋もあったのだから、昔から、蕎麦屋によってせいろの量も打ち方もいろいろなんだけれど、御姉さま方に分かって貰えただろうか。言葉足らずであったことを反省しつつも、私にとっては蕎麦屋って、本当に楽しい。いろいろあって皆いい。(あれっ?金子みすずのパクリでしょうかっ? いいえ、誰でも。)皆いいんだなぁ。





■住所中央区日本橋室町4-1-13砂場ビル■電話03-3241-4038■営業時間月〜金 11:3021:00(L.O.20:30)/土 11:3016:00(L.O.15:30)■定休日日・祝、※今年4月からは第3土曜も営業している■アクセスR神田駅 徒歩4分/JR新日本橋駅 徒歩1分/銀座線 三越前駅 徒歩3


posted by 笑門来福 at 09:22| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 千代田・中央・港区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする