「満開だよぉ!観に行こう」と誘われて出掛けた。ため息がでるほど美しい桜並木を、ずっ〜と見上げて歩いたせいか、いつの間にかTVで流れているsuntoryのCM「上を向いて歩こう」を口ずさむ。歳を重ねるごとに益々桜が好きになり、花の儚さをもしみじみとして感じている時、こんな希望の歌のバトンリレーを思い出して、不覚にもウルウルしてしまった。最近涙腺が弱くなって、いやぁ〜困る。もぅ恥ずかしくなって、もの静かに集う若人のいる桜の下から、蕎麦屋に退避する事にした。今後北上するこの美しい桜が、つらい状況にある被災地の方々の心を、ほんのひと時でも癒してくれますように。
■■蕎麦前
■■
久〜〜〜〜〜しぶりの南葛西「清かわ」。テーブルの上にある品書きを開いて、まずびっくり。なんと一目でそれとわかる江戸ソバリエ川俣画伯の絵で、お勧めの品書きが構成されているではないか。江戸ソバリエ川俣画伯とは、以前もこちらのお店でバッタリお会いした事がある。うぉ〜、品書きも描かれていたとは、知りませんでした。で、それによれば、蕎麦前のラインナップも随分とかわっている。大好きだった「ホタルイカの一夜干し」は消え、「出汁巻き玉子」が見当たらない。「湯葉」が加わり、焼酎の種類が大幅に増えていた。
落ち着いた所で、応援の為にも東北の日本酒を注文することにしよう。福島県・特別純米「飛露喜」¥800.-と、青森県・特別純米「田酒」¥800.-を。「がんばろう!日本」なのだ。
揚げだしゆば¥750.-
茄子の素揚げと、たっぷり衣をつけて揚げたとろーり湯葉。トッピングに大根おろしと柚子。
鴨くんせい¥800.-
カイワレ大根とレタスが下に敷かれているのだけれどぉ…どうよ…これって、ちょっと盛り付けが…雑、でないかしらん? ん?写真の撮り方のせい?
それに
「天さきで、蕎麦は後ほど」ということにしてもらい、天せいろ¥1500.-をお願いした。写真は、その天ぷら。車海老 烏賊 かぼちゃ 茄子 しし唐。
「おつまみ」の欄に、天ぷらの盛り合わせ的なものがなくなっていたような気がする。天せいろの天ぷらで一杯は、お得感がある。
■■蕎麦
■■
お声掛けで、「天せいろ」のせいろを運んでもらう。薬味は、ねぎ と 山葵。
以前は、大ぶりの丸い朱塗りのせいろだったが、今は小さな正方形に器がかわっていた。しかし、盛られた蕎麦は、見かけよりも、ずっと量がある。
田舎蕎麦
ギュッモチモチッとした弾力があり、外皮のざらりとした舌触りを感じる。こちらも、見かけよりも、きちんと量がある。
薬味は、ねぎ と 大根おろし。
とろ〜りポタージュ系蕎麦湯。
■■
■■えぇ〜おまけ情報として…江戸ソバリエ川俣画伯は、こちらのお店に暫くの間、水曜日に出没しているそうだ。
あれっ、そのことじゃない。帰りがけに、ご主人と共通の知人の近況やら、あれこれ雑談したのでつい。失礼。
えぇ〜ということで、もとい。
こちらのお店のご主人は、長く日本橋にある長寿庵系の蕎麦屋にいた。そこから、あの亀有「吟八亭やざ和」を経て、ここ南葛西に自分のお店を持つに至る。ずっと以前、ご主人がこの経緯をお話しくださった折、西大島「銀杏」は、やはり「やざ和」での兄弟弟子と聞いた事がある。開店当初から、十四代、醸し人九平次、東一、鷹勇、飛露喜、黒龍、磯自慢、田酒などを揃え、飲める蕎麦屋として蕎麦前の提案にも熱心であった。最近は、焼酎も有名どころをいろいろと置いているようで、御客のニーズに答えようとしているのだろう。
■住所江戸川区南葛西2-22-1■電話03-5659-3288■FAX03-5659-3268■営業時間昼11:30〜15:00/夜17:00〜21:00■定休日木曜日
お店のHP