読ませて頂いたところ、これがまぁ〜元気の良いこと、なんだか嬉しくなった。私までキャピキャピと若返った気分。初めてのイタリア観光を素直な目線で楽しんだことが全140ページ程に綴られており、そのうちに”イタリアそば探検(17ページを割いている)“という章が作ってあった。
そもそも、この漫画を書いたのは、蕎麦屋の常連さんに「イタリアで二八の蕎麦を食べてきた」と聞き、それなら自分も!というのが動機らしい。”イタリアそば探検(17ページを割いている)という章では、ソバ粉の料理 ポレンタ(西洋蕎麦掻き? トウモロコシの粉を使ったものが主流であるが、ソバの産地では、ソバ粉入りも一般的。) や、シャット(ヒキガエルの意味。ソバ粉の生地でチーズを包んで揚げるもの。ぷっくりとしたカエルのお腹に似ているので、この名前で呼ばれる。)も登場し舌鼓を打つ様子が描かれている。ピッツォケッリ(このエッセイ漫画では、二八蕎麦として扱われていたソバ粉を使ったパスタ。多くは短冊状のショートパスタか、幅広平打ち麺の形状。日本でも高級スーパー、イタリア食材専門店などで乾麺で売っているところも。ソバ粉の比率は日本同様各種バリエーション有り。 日穀製粉のHPには、製麺レシピ有り。)には、持参の麺つゆを掛けて食べてみたりもしていた。
こんなに可愛らしい漫画を描く看板娘のいる蕎麦屋さん、いいなぁ。お父さんの打つこだわりの蕎麦をなにより自慢に思い、家族皆で盛りたてている様子も伝わってくる。商売繁盛間違いなしだなぁ…なぁんて余計なことを想ったりもして。
つい先ごろ石臼の会(m)さんが受講し、ブログ記事となった「ソバ博士のそば講座2010『ソバの国、東欧から博士きたる』 4/17特別開催」でも、これらの料理が取り上げられたこともあり、このブログ的にもちょうど時事ネタであったので、エッセイ漫画をご紹介してしまうことに。
「花のイタリアそば紀行」
さくら姫 著
角川学芸出版
角川出版企画センター
1200円(税別)
ということで、
漫画を読んで楽しくなった私としても、補足になるのでは?と、老婆心ながら一言添えさせてもらえれば…
蕎麦というと日本人だけが食べているような錯覚を持っている人も多いのだけれど、穀物としてソバの生産量を見れば海外のほうが圧倒的に多く、日本はむしろ下位に位置している。
生産量トップクラスのロシアでは子供からお年寄りまで滋味深いソバ料理に親しんでいる地域も広いし、中国 ウクライナ フランス アメリカ ブラジル ポーランドなど北欧諸国 カナダ カザフスタン なども日本よりずっと生産量が多い。
そんな世界中のソバ産地では、当然ソバ料理がいろいろな形で発達した。だからソバ粥やガレットばかりでなく、麺で食べているところも結構あるのだ。製麺方法は、日本のように細く細く切る方法ではなく、心太のような押し出し式が圧倒的に主流ではあるのだけれど。たとえば押し出し式製麺方法の韓国冷麺にもソバ粉が含まれているものが多いことは、良く知られている。特に韓国江原道という地域では、ソバ粉の割合の多い冷麺を名物郷土料理と謳っているらしい。
江戸ソバリエの講師でもあるイナサワ商店の「社長が行く世界のそば紀行」
を読むと、写真入りでフランス ベトナム 中国雲南省 ネパールの様子も分かる。ソバって、益々楽しい。