2009年11月30日

「そば食品流通商社が見た、江戸のそば東京のそば」
歴史いろり端談義 其の十八

そば食品商社「株式会社イナサワ商店」に生まれ育ち、現在同社の会長を務められている江戸ソバリエ認定委員会顧問の稲澤先生。東京農業大学商品技術センター客員研究員でもあり、自らの足で調査した世界各地のそばにも詳しく、蕎麦屋さんには頼もしい相談役、業界の仕掛け人的な存在だ。1125日(水)、そばの歴史(起源)から、江戸時代のそば、現代のそばについての講演を、室町「福徳塾」で行った。夕方18時半からの実施ということで、この日私も伺うことが出来た。


 江戸ソバリエとしての私の目線は、いつでも消費者としての目線で、そこから背伸びをしたり屈んだり、右を見たり左をみたりと、あちこちキョロキョロしているのだけれど、稲沢先生の講演は、そば屋・粉屋など商売として今動いている実際を織り交ぜながらの歴史考察で、大変面白く勉強になった。また、いただいた資料も、参考になった。最後は、例の?西葛西「やしま」(商売大繁盛中の立ち食い蕎麦屋。江戸蕎麦扱い量としては日本で何本かの指に入る。ここはイナサワ商店プロデュースと思われる)の画像もちらりと映ったりして…、幅広いお話が聞けた。

 
 この福徳塾では今後も、日本文化・伝統を学んだり、生活を楽しめる面白そうな講演企画があるようなので、時々参加させていただきたい。


でも、だからこそ…
講演会場が福徳茶屋(居酒屋さん?)の中というか、飲食スペースと襖1枚で隔てられているだけのところだったので隣の喧騒が漏れなく?伝わって、折角の講座の内容が聞き辛く、肝心の解説時に何度も何度も確認をしなおしたり…曖昧なまま通り過ぎたり…イライラが募った。集中して聞きたい話は、もぅほんの少しだけ静かなところがいいなぁ〜と思うのは私だけではないはずだから、何か工夫してもらえないかなぁと願ってみたり。
posted by 笑門来福 at 10:33| 東京 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | 「耳学」いろいろと薀蓄を・・・ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月27日

市原市西広「花月庵みのしま」

野呂在来を、ご一緒しませんか?」という夢のようなお誘いをいただく。そりゃぁ〜、もぅ1も2もなく「Yes.Yes.Yes.お願いします!!」です。黙っていても知らずに一人笑っちゃう状態で、スッキップしながら家を飛び出す。  

市原市西広「花月庵みのしま」。お店の中でゆ〜〜〜くり、ゆ〜〜〜くりと回っている石臼の傍で、この時期通常使っているキタワセ種と、今回注目の野呂在来種の2種を玄ソバのまま並べて解説をいただく。「キタワセと比べて、幾分小粒なものの多かった野呂在来は、819日に播いて…日照のことを思うと…、台風様の風も…、ほとほと天候には困った…心配しながら1023日〜25日に刈り取った。実入りは…、○%くらいが…で、○%は…でした。粒が…香りの…、甘みの…。」と、どこまでも熱っぽく語るご主人。背筋の伸びる思いで聴いていると「まぁ〜召しあがってみるのが一番。」と。

◆□◆この解説のこと等は、後日機会があれば、別仕立ての記事にと思う。

  左=野呂在来  右=キタワセ.jpg
   野呂在来  ←|→    キタワセ


野呂在来蕎麦蕎麦汁
  まず、野呂在来の生粉打ちである。びっくりすることに、花番さんがせいろを運んできた時に、もぅ ほんのりと香った。水回しをするときに、ふぅ〜っと香るような強さの若く瑞々しいソバの香りだ。■■続きを読む■■
posted by 笑門来福 at 15:35| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ⇒千葉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月23日

富津「里山」

富津「里山」の御主人は、江戸ソバリエだ。ここ千葉県富津で、土・日・祝日営業の蕎麦屋を開業した。一見ふつぅ〜の住宅を改装した店舗内部は、美しい欄間や神棚、飾り棚や床の間のあるゆったりとした二間を開け放した座敷空間(4卓、20人ほどは楽に入れそう)と、玄関を入ってすぐの洋間に設えられたテーブル席(8人くらい座れそう)だ。和室のぐるりを囲む広い廊下のせいか、その先に広がる庭のせいか、明るく開放感のある空間が、田舎の親戚の家に来たような?なんだか懐かしい気持ちにさせる。ソバ打ち室も店主ご夫妻が忙しく立ち働かれる厨房も、ゆったり広ろびろぉ〜〜〜。

 置かれた卓はどの卓も、どっしりとした古い木材で作られていて、とても洒落ている。伺ってみると、趣のある古材で家具などをつくっているデザイナーさんの手によるものだという。私達が占拠したテーブルも、厚さ10cmもありそうな天板は、昔むかしソバ打ち台であったもので、枝が3つ叉になった足がつけられており面白い。

 店主ご夫妻のお人柄が現れるのか、週末だけの営業だからか、■■続きを読む■■
posted by 笑門来福 at 16:31| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | ⇒千葉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月19日

本郷「森の」

定期的に、歯医者に通う。その歯医者を特別気に入っているわけではないのだが、ロケーションが好きな蕎麦屋群に都合がよいので、そう、つまり蕎麦屋が理由で歯医者を選んでいる。元気に治療を終えた日は、よしっ!美味しい蕎麦と天ぷらでも、と猿楽町「松翁」、或いは神田「眠庵」へ。神田「まつや」で手繰ってから・・・とか、本郷「田奈部」で気持ちを盛り上げてから・・・とか、この界隈は蕎麦屋にことかかない。

 そして、若干弱っているというかぁ〜気丈夫になれないときに時々伺う蕎麦屋が本郷「森の」だ。コテンパンに治療されたときに、こちらに足が向く。ご主人の距離感もいいし、花番さん?若女将さん?のサラリとしていながらも心細やかな対応も好きだ。狭い店内だからジッと注視していなくとも目配りが利いているのかこの若女将は、薬の袋をガサガサとやっていると、すっと水を運んでくれたり、誠に誠に親切。客層も身構えないサラリーマンや学生が気軽に訪れる風がいい。そんな店だからか?こちらの蕎麦も汁も優しい。蕎麦が優しいから、店の雰囲気が柔らかいのか?どちらが先だろう。


 蕎麦
この日は ざると鴨団子汁¥1400.-にした。
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posted by 笑門来福 at 08:58| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ⇒文京・墨田・台東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月17日

西大島「銀杏」

路地を入って黄色に色づいている筈の大きなイチョウの木を目指す。が、目に入ったそれは、なんとまだ青々としているではないか。我が家の周りではとっくに色づき、美味しいけれど臭ぁ〜〜い銀杏をたわわに実らせているというのに。あれれ?

 必ずしも立地が最高に良いわけでもないと思うのだが、12時半頃暖簾をくぐると満席。近隣の奥様方?或いはOLさん?と思しき女性占有率が90%超。小洒落た店舗とツボを狙ったメニューで、女性のハートもしっかり掴んでいるのか。制服姿の彼女らは、お昼休みの短時間にササッと来てパッと帰る、昼時の蕎麦屋にとってとても良いお客だろう。私達にも都合の良いことに、すぐに席が空いて待たずに座れた。これ幸いと、ここから直ぐのところでお仕事中のソバリエ仲間に連絡を入れてみる。


  蕎麦前
さて、ソバリエが3人顔を合わせれば、蕎麦前は楽しいソバ情報で事足りる。各地のソバの生育状況やソバ品種、行ってみた新しい蕎麦屋のこと、展開されている新メニューなどを情報交換する。続きを読む
posted by 笑門来福 at 17:07| 東京 ☔| Comment(8) | TrackBack(0) | ⇒江戸川・葛飾・江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月15日

うまい蕎麦

うまい蕎麦.jpg


  
細川貴志 著
  日本経済新聞出版社
  893円(税込)





   両国「江戸蕎麦 ほそ川」の細川貴志さんは、江戸ソバリエ講師でもあるので、江戸ソバリエ講座を受講した方や、シンポジュームの座談会などを聞かれた方にはお馴染みだ。その細川さんがこのほど『うまい蕎麦』日経プレミアシリーズを、日本経済新聞出版社からだした。

 御存じの通り細川さんは、寿司屋、割烹などで修業し、埼玉に「笊蕎麦 ほそ川」を開店。平成15年 両国に移転後、屋号を「江戸蕎麦 ほそ川」にした。産地に出向いて仕入れた良質の玄蕎麦を自家製粉しての十割蕎麦、良質の素材で揚げる天ぷらなどにも力を入れている。ミシュラン2009でも星を獲得している人だ。

 その彼が「うまい蕎麦」を生み出すために、職人は何をやっているのか、蕎麦を心から楽しむためのヒントは何か、語るという。江戸ソバリエ講座でお話いただいたような話もチラリと入って、つくり方の秘密、お店の楽しみ方、店舗経営など、蕎麦好きには興味のある内容らしい。

どうやら「蕎麦を洗う水は、冷たすぎちゃだめですよ。」という一文があるそうな。「そう、そう。そうでしょぉ。」と勢い込む私。それに、本に掛った帯には、腕組みをしたほそ川さんが写り、「職人の仕事場をご案内します。」だなぁ〜んてあるから、これから急いで本屋さんに行こうかなぁと、どうでしょう?ね。

るんるんおまけるんるん
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posted by 笑門来福 at 18:36| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 「脳学」レポート&著作物など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月13日

野呂在来

ソバの種の話。品種と一口に言うけれど…。
試験栽培を繰り返し農業試験所などの研究成果として、安定した収量や粒の大きさ、播種期の幅や冷害に対する強さなどに優れたソバの品種が、日本では既に30種類以上も開発登録されている。一方で、ある地方に永年栽培され、その地方の風土に適応した品種のことを在来種(ざいらいしゅ)として、その土地の名をつけて呼び習わす場合も多かった。ソバは他花受精であるために、ほかの品種と交雑しやすく、はっきりした品種区分もしづらいし、純粋な在来品種は減りつつある。そんななかで、個性的な在来種が、なかなかどうして魅力的だと思う人も少なからずいる。

 蕎麦好きが、在来種と聞いて直ぐに思い浮かぶのは、北海道や東北、信州、北関東の寒冷な地域の在来種。これらは、既に全国区で有名になっているものも多い。鹿児島県や宮崎県で古くから栽培されていた鹿屋(かのや)在来、閉ざされた地域であった徳島県西部の祖谷地方の祖谷在来も思い浮かぶ。

 はてさて…千葉県は?どうでしょう。

 千葉県農業大学校の長谷川理成先生が、千葉市若葉区野呂町にある農家の落花生畑の脇で、代々栽培されていたというソバの噂を聞き、独自の特性を備えた在来種であることをつきとめた。なんでもその農家のご先祖が、明治時代埼玉県から引っ越してきた時にソバを持ち込み、栽培したのが始まりで、以来60年以上作ってきたのだが、5〜6年前に作られなくなり、種子だけが残っていたそうだ。そこで、この度このソバが「野呂在来」として、一躍注目を浴びることになった。
 (「在来種」と認定する基準は曖昧らしく、ある地方に“永年”栽培され…という“永年”は、何年?のことだろう?とも思ったが、同じ土地で30年以上栽培され続けることで地域の風土に合い、一つの品種と考えられるらしい。)


 長谷川先生は「暖地で作られる品種で、甘みとコシが強いのが特徴」と説明しているそうで、「千葉手打ち蕎麦の会」が、今年度から普及活動に本腰を入れ、保存されていた種を昨年試験栽培し、「日光そばまつり」(栃木県日光市)に出したところ、関係者や客に大好評を得たという。

 ということで、情報をゲットしたのでお裾わけ。

  「野呂在来」そば祭り
  日 時:11月15日(日) 10:0014:00
 場 所:千葉市富田都市農業交流センター 
  千葉市若葉区富田町711-
 電 話:043−226−0022

 もりそば 500円 売り切れ御免
蕎麦打ち教室、豚汁・手作り蒟蒻の販売、地元野菜の販売、津軽三味線の演奏、
野呂在来の生育過程のパネル展示


  更に
 千葉市民産業まつり」


日 時:
1122日(日)10:0016:00




場 所:
千葉市中央卸売市場内




    
千葉市美浜区高浜2−2−1






                野呂在来の蕎麦を振る舞う予定が有るらしい。



電 話:043−245−5757 








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     ※野呂在来を食べられるお店です。









posted by 笑門来福 at 23:29| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 「耳学」いろいろと薀蓄を・・・ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする