2009年10月29日
松江「ふる川」
それなのに、今頃記事アップ。<m(__)m>
少し前、松江「ふる川」のご主人のブログで残念なお知らせを読んだ。蕎麦屋をたたんで第3の人生を考えるという記事だ。とても悲しくなった。伺わなくてはと、暮れなずむ頃お店に向かう。
さて、先客が2人いた。聞くとはなしに聞こえてきた会話の内容からして、その2人は美味しいもの好きが高じて、蕎麦屋を食べ歩いている恋人同士のようだった。静かに「美味しい、美味しい。」と言っては蕎麦前をつつき合い、「獺祭」のおかわりをしている。うぅ〜ん、好ましい。素晴らしい。いい感じである。人類皆、こうでなくてはならない。皆こうであれば、日本全国の美味しい蕎麦屋が大繁盛で、世界経済もすぐに持ち直すであろう。こうであるよう夜空の星に願うことにする。
前フリが長いっ!?ので、そろそろ本題。
■■蕎麦前
■
まず、ビール(アサヒスーパードライなんだなぁ(;--)、揚げ蕎麦が付いてきます。)をお願いし、良心的な価格設定の品書きに見入る。この店は、品書きを字面で追う以上に、目前に料理が並ぶと“量もたっぷりぃ〜♪”と実感することを知っている。つまり、欲望に忠実にあれもこれもと注文すると、ついつい食べ過ぎる。満腹どころか、腹12分となる。でも、その為に駅から歩いてここまできたのだから、良しとするかぁ〜っとメタボ腹を括り、食べたいものを躊躇なくオーダーする。
出汁巻き玉子焼き¥500-
三つ葉も入って香り良く、甘過ぎない。
ぷるんぷるんで、添えられた紫蘇と大根おろしが爽やか。
桜海老のかき揚げ¥500.-
塩も天つゆも付くのですが
卓上の抹茶塩でも。
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2009年10月16日
板わさをたのしむ
板わさをたのしむ
―かまぼこ簡単レシピー
鈴廣蒲鉾本店 著
扶桑社
500円(税込)
蕎麦屋でちょっと一杯…なんていう時には、定番の肴となっている板わさ。
その板わさのレシピ本が出た。パラパラとめくると、あの田崎信也さんが「”板わさで日本酒“と限定することなく料理とお酒の組み合わせを楽しみましょう。」と、かまぼこと生ハムのアンティパストとおすすめのワインを提案していた。そう言えば、蒲鉾というと、なんだか日本酒のあてのような思い込みがあった。魚のすり身のパテと思えば、洋風レシピにも限りなく応用が広がっていきそうではないか。へぇ〜ってな感じ。
そして、嬉しい情報を入手したので、ブログを読んで下さる方にもお裾わけ。
10月15日〜数量限定で、江戸神田蕎麦の会(錦町更科など)にて「板わさ」のメニューを注文すれば、このレシピ本をプレゼントしてくれるそうだ。早い者勝ち?かもしれない。早く蕎麦前! いや違った、蕎麦屋へ急ごう!だった。
キャンペーン期間中というので検索してみたら、こんなものも見つけた。
■10月1日(木)〜11月30日(月)
抽選で100名に小田原鈴廣「謹上蒲鉾紅白」と,この本が当たる
CM動画投票コンテスト応募ができるそうだ 詳細はここ
■この本19頁を、電子ブックで覗いてみることもできた
2009年10月12日
第22回調布蕎麦打ち会
メインイベントは前回の予告通り、Iさんによる「鴨せいろを食べよう」会でした。
鴨はフライパンで表面に焦げ目をつけ、スライスした上で再度スライス面を焼きます。
この匂いはもう、タマリマセン。思わず手が出てしまいそうです。
それより前から、鴨せいろ用の汁づくりが始まっています。
宗田節と本枯れで出しを取るところから始まる本格的なもの。
出しを取る時間は45分だそうです。
そうして作られた汁に、先の鴨のローストとざくざくと大きめが嬉しいネギが入れられ完成です。
これは本当に美味しかったです。
蕎麦はほかに、新蕎麦生粉打ち、ナツメ切り、腰の強いうどんも楽しめ、大満足でした。
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当蕎麦打ち会「石臼の会」に、盲人の方達のためのとある団体から、盲人の方達が蕎麦を打つことの可能性について検討するための協力要請がありました。
そのため、この日は団体の職員の方が蕎麦打ち会を見学。
いつの間にか、ご自分でもチャレンジされていました。
他にも1月に続き、「蕎麦の香気成分分析」を研究されている、日本獣医生命科学大学のO先生もゲストでご参加。今後の研究にご協力することとなりました。
さらにゲストのFさんは、燻製制作歴20年のスモークマスター。
話が盛り上がり、しばしの燻製セミナーとなりました。
さらに話は次回の調布蕎麦打ち会で燻製製作チャレンジをすることに!
お楽しみに。
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本日の酒は・・・
本醸造「直江兼続 愛」福顔酒造(新潟県三条)
「おでんでん」(徳島)
Perricoota shiraz collexion(赤ワイン)
国産韃靼そば焼酎「長命庵蕎麦焼酎」(小樽・北の誉酒造)
「梅錦」純米吟醸原酒(愛媛四国中央市)
「喜楽長」特別本醸造ひやおろし(滋賀東近江市・喜多酒造)
「蓬莱 しろとろとろ」
「誠鏡」超辛口(広島・竹原中尾酒造)
黒ラベル、スーパードライ、一番絞り
肴
ミミガー、海ぶどう、アボカドとツナの酢味噌和え、豆腐・しらす・ザーサイサラダ、メンマこんにゃく、イカとジャガイモの煮物、蕎麦味噌焼き、蕎麦あられ、栗きんとん、くさや、玉子焼き、味付け海苔、胡瓜の漬け物、そば焼きおにぎりなどなど。
爽やかな秋の一日でした。
2009年10月05日
そばもん ニッポン蕎麦行脚 / 2
ニッポン蕎麦行脚第2集が発売されました。
山本おさむ 著作
集監修:藤村和夫(元「有楽町・更科」四代目)
発行所 (株)小学館
毎月10日・25日のビッグコミック連載記事を
単行本に纏めたものです。
初めての方は勿論、既に雑誌で読まれた方は
もう一度読んでみると理解が深まると思います。
目次
第8話 ”ずる玉”と"切らず玉”(前篇)
第9話 ”ずる玉”と"切らず玉”(後編)
第10話 そば湯の嗜み
第11話 変わりそば(前篇)
第12話 変わりそば(後編)
第13話 "白いそば”と”黒いそば”(前篇)
第14話 ”白いそば”と”黒いそば(中編)
第15話 ”白いそば”と”黒いそば”(後編)
第16話 乾麺の茹で方
ブログ内 そばもん ニッポン蕎麦行脚 / 1 記事へ
ブログ内 そばもん ニッポン蕎麦行脚 / 3 記事へ
2009年10月03日
牛久の蕎麦畑は花盛り
今,牛久の蕎麦畑は花で満開である。茨城県牛久の地での単身赴任生活も,はや6か月が過ぎた。
夏場は,蛇に追いかけられたり,茶毒蛾にかぶれたりしたが,空地に3畳ほどの畑を耕し,これまでに小松菜,葉大根,枝豆,辛味大根を育てた。葉ものは,虫に食われて悲惨だったが,枝豆や辛味大根は,小さいながらもそれなりの収穫であった。
田舎生活を満喫しているといえようか・・・。
さて,8月15 日,蕎麦の種を蒔いた。この種は,昨年石臼の会のM先生からいただいた北海道の玄蕎麦キタワセと同会顧問のHさんからいただいた高嶺ルビーの種である。日の丸を意識して,高嶺ルビーを真ん中に丸く,周辺にキタワセを蒔いた。
9月6日ころ,キタワセの花が咲きはじめた。一方,高嶺ルビーの方は,キタワセに比べると背丈は半分程度であり,いまだに花を咲かせる気配はない。
9月15日ころ,高嶺ルビーは,背丈は低いものの花を咲かせ始めた。思ったほど色は濃くない。
今日,畑の状況を撮影した。思い描いていた日の丸とはほど遠いが,あんな小さな種から,ここまで成長する植物の不思議さに感銘した。
今,畑にはしきりに虫が飛び回っており,いずれ種ができるであろう。この種で蕎麦が打てることを期待したい。
以上
2009年10月02日
蕎麦の花
「市民タイムス」にお許しを頂けたので、下に全文載せてしまう。
※ 市民タイムス 09年8月27日号より転載
蕎麦の花(上)松本義尚
松本にサイトウキネンフェスティバルという音楽祭があるのは、全国、いや近隣諸国にまで聞こえており、聴衆を集めている。よく知られている通り、斎藤秀雄氏をしのんで衣鉢を継ぐ演奏家たちが集まり、小澤征爾氏を中心にして演奏会を開いているのである。最近では、斎藤門下がかりはなく、世界的に評価の高い人たちの参加があり、また将来が楽しみな若い人たちも招かれている。演奏家はオペラのような規模の大きなものを中心にすえ、オーケストラから室内楽に至る広い範囲の演奏で聴くものを引きつけている。最近は「武満徹メモリアルプログラム」も注目を集めるようになっている。一般聴衆に向けた演奏会がかりではなく、若い演奏家のためのワークショップや、小中学生がクラッシック音楽に触れる機会をつくるなど、幅広い活動が続けられている。もう記念音楽祭という範ちゅうから、一つの音楽活動に広がろうとしている。毎年の音楽祭が楽しみである。
私の妹夫婦は松本に住んでいて、私は毎年身の程を超えた楽しみを満喫している。この夫婦のもてなしぶりはそれこそ行き届いていて、あちらこちらのうまいものを食べに連れ出してくれる。それで、目も耳も舌も、おまけにおなかの周りまで肥えて帰ってくるのである。
サイトウキネンのころの松本の平といえば、蕎麦の花盛りである。あちらの畑1枚、こちらの1枚という風にモザイク風に白い花で敷き詰められるのである。北海道のラベンダーとは異なって、平原全体がまとまって一つの力としてこちらを圧倒しようというのではない。見渡す限りの白一色にうねっているというのでないのがいかにも蕎麦の花の風情をかんじさせてうれしい。一枚一枚の畑で、一株一株が天辺に小さな固まりをつけている様子からは、優しいすがすがしい感じを受ける。近寄って見ると、5枚のがくをつけた花一輪一輪が、まぎれもないタデ科のりんとした姿になっている。近ごろでは、白以外の花もあるようであるが、蕎麦の花の風情を感じさせるのはやはり白い花である。
先頃「蕎麦の花」という新作琵琶曲の演奏があるという新聞記事にぶつかった。江戸ソバリエのシンポジウムで、作曲者の川嶋信子さんが演奏するという。谷中琵琶Style という演奏活動を行っているその作曲者にメールで尋ねたところ、次のような返事を頂いた。
もう謡われなくなっている「蕎麦」という謡曲をソバリエが探し出し、それを基にした琵琶の新曲を、ということになったのだそうである。川嶋さんが教えてくれたところによると、謡曲は伊那高遠の入野谷に伝わったもので、蕗原拾葉や未刊謡曲集にあるという。あらすじは、中納言冷泉為久が歌を詠み、それを慕って蕎麦の花の精が為久に恋をする。蕎麦の精は女人の姿に身をかえて出現し、長谷村の僧に弔われるというのである。永いこと忘れられていた蕎麦の精が、平成の世にあらためて鎮められたように私は感ずる。
私はまだ、琵琶曲「蕎麦の花」を聞く機会に恵まれていない。が、題材の出所が信州高遠で蕎麦どころでもあり、作曲者の川嶋さんが松本生まれで、そのうえ鶴田錦史氏の琵琶の流れをくむというところに浅からぬ因縁のようなものを感ずるのである。鶴田錦史氏といえば、武満徹作曲「ノヴェンバー・ステップス」を小澤征爾氏と協演して、世界中から喝さいを浴びたものである。サイトウキネンオーケストラとのCDも広く聴かれている。この琵琶曲「蕎麦の花」を松本で聴く機会が来るようにと願っている。(九州大学名誉教授、松本市出身=東京都八王子市)
この記事を読み「小澤征爾は、メチャ蕎麦好き」と、(過日ブログにも書いた)毎日新聞に出ていた記事も思い出し、蕎麦は新聞をもツールにして人を繋げるんだなぁ〜と。この繋がり具合を嬉しく思った。
あぁ、蕎麦の花(下)はどうなったのか…気になるぅ。