キッコーマン国際食文化研究センター発行の研究機関誌「FOOD CULTURE」がこの度、経済産業省後援の第30回「2009日本BtoB広告賞」広告賞・PR誌の部門・金賞を受賞した模様だ。表彰式が6月5日との噂も聞いたので、これはきっと間違いない。
バックナンバーも含めてそっくりまるのまま一冊がPDFファイルで読める研究機関誌として、とても有難い存在の「FOOD CULTURE」は、既に17冊目になっている。
とくに蕎麦好きとして注目していたのが
No.16 2008.7.7発行
麺類ではじまるわが国の粉食史
禅宗僧侶が導入した麺類
寺方蕎麦…銀座長浦当主 伊藤汎
箸(はし)
監修:宮内庁御用達 (株)箸勝本店
No.17 2009.1.20発行
麺類ではじまるわが国の粉食史(二)
牛飼いも所有していた挽臼
寺方蕎麦・・・銀座長浦 当主 伊藤汎
お膳(食卓)の起源と変遷
監修:昭和女子大学講師 小川浩
「石臼の会」ブログ内でも、学究肌の銀座長浦当主 伊藤汎さんのことには前にもチラリと触れたが、他にも箸のことといい、御膳のことといい、今までのソバリエ講座の内容にも通じる文章で、とても興味深く勉強になった。
日頃、その活動を有難い、素晴らしいと思っているものが、晴れて受賞すると聞きなんだかとても嬉しい。
2009年04月28日
2009年04月18日
「蕎麦、そば、ソバ」の楽しき人生
永山寛康著
小学館101新書
税込み777円
09年4月6日発行
私たち「石臼の会」ブログからもリンクをはらせていただき、ブログ内記事でも度々ご紹介している永山寛康さんのブログ
いつでもBON VIVANT ボンビバン
「ロマンは蕎麦にあり〜スロウェイジング蕎麦〜」
このブログの昨年12月までの記事の中から抜粋し、再構成したものに加筆修正した本が、この度、気軽に読めるポケットサイズで発刊された。
永山さんと言えば、友蕎子・片倉康雄の最後の直弟子であり、また数々の名店に関わりを持つ、「築地そばアカデミー」の学長を務められていたそば料理の第一人者である。そば料理人として超一流ということは、その経歴でも一目瞭然。うっとりするほどの美しい蕎麦打ち、完成度の高い蕎麦料理は、誰もが認めるところである。そんな人が書いた本は、我々蕎麦打ちを楽しむ者にとって面白くなかろうはずはない。
パラリと目次をめくると…
第一章 そば料理七変化
第二章 「抜き」で一杯、種ものの愉しみ
第三章 蕎麦屋のポリシーは薬味にでる
※ここには、永山さんのお汁の割がでてますよっ!
節の説明も必見!です。
第四章 蕎麦を食べよう、打ってみよう
掲載の写真がカラーでないことが、私にとっては残念でたまらない。作品と呼びたいようなキリリと美しい料理や、汁の説明に添えられた写真がモノクロでは・・・、情報量が断然ちがうではないかぁ。もったいない。
しかし、しかし、今回私は、別の面からもこの本をお勧めしたい。ひょっとするともしかして…永山さんは蕎麦職人としての修行の傍ら、落語の修行も行ったんじゃないだろうかぁ?と思っていたくらい、永山さんの文章は軽妙洒脱で気が利いている。つまり、この本は濃い内容であるにもかかわらず、軽ぅ〜く楽しく読めてしまい、ところどころで、クフフと笑える。思わず「座布団一枚」と声を掛けたい文章なのだ。
前述べのブログ今年の1月の「蜀山人が食べた蕎麦・白髪のような細切り」記事で、この洒落た文章の謎が少し解けたような気がした。
>私の唯一の趣味は狂歌や黄表紙を読むことと落語を聞くこと。
とあったのだ。噺家の修行はせずとも、楽しい物を随分と読みこんでいたのですねぇ。
ということで、興味のある方はご一読を。
posted by 笑門来福
2009年04月15日
生粉打ちそば 梧桐(あおぎり)
続きを読む4月,茨城県牛久市での単身赴任生活が始まった。
牛久といえば河童で有名であるが,ほかにも,日本初のワイン製造工場だった「牛久シャトー神谷」があり,そこは浅草の「神谷バー」の「電気ブラン」の製造元でもある。
また,町のはずれには浄土真宗東本願寺が造営した世界最大の「牛久大仏」がそそり立っている。
さらに,近くの高速道圏央道の阿見東インターチェンジ周辺に,この7月に関東最大のアウトレットモールが開業されるらしい。車の方は東京からでも短時間であり,観光的には魅力的な町である。
しかし,「ちゃりんこ」を交通手段とする私にとっては,どこへ行くのにも優に小一時間ほどかかる田舎である。毎朝,自然のホーホケキョの声を目覚まし代わりとしているのが,それを裏付けている。
さて,牛久の紹介はこれくらいにして,江戸ソバリエのO氏から教えられた「生粉打ちそば 梧桐」へ小一時間ほどかかって,ちゃりんこで行ってきた。