解説によると,鎌倉時代,円爾弁円という僧(後に京の東福寺を開山した聖一国師)が,若いころ,宋に渡り修行を積んだ後,帰国した際に博多に立ち寄り,「承天寺」を開山した。
要するに,中国の粉食文化を日本に広めた最初の場所ということで,そこに碑を建てたのであろう。
その店は,福岡総鎮守の櫛田神社近くにあり,「古式生そば ひさや」というかなりの老舗であった。
ざるそば(650円)を注文した。真っ黒い麺を想像していたのだが,出てきたのは,麺の上に四角い海苔が三〜四枚ほど乗った普通のそばであった。麺の色も普通,味も普通,お汁は少々甘めであった。勘定を払う際に,女将さんに尋ねた。「昔ながらの手打ちで打っているので古式といいます。蕎麦粉は熊本か宮崎産を使っています。古式という屋号は当店だけのはずです。」とのことであった。
さらに櫛田神社に近い場所に,ネットで評判の「信州そば むらた」という蕎麦屋もあった。この店は,現代風にアレンジした店で,店内の雰囲気も良かった。田舎そばを注文したが品切れ,生粉打ちそば(1,100円)を注文した。
若い女性の店員(娘さんか・・・)から話を聞いた。「今日のそば粉は,北海道音威子府産の新そばです。屋号は信州を使っていますが,この時期は,新そばが出る地域から順にお出ししています。信州産はまだです。」とのことであった。
十割らしく若干短めの麺だが美味い。角も立っている。腰ものっている。お汁も塩梅がちょうど良い。そば湯も濃厚。満足であった。
以上